高石あかりさんがヒロインを務めるNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ばけばけ」(総合、月~土曜午前8時ほか)。第16週(1月19~23日放送)では、「ヘブン先生日録」が松江新報で連載されたことで、トキ(高石さん)、ヘブン(トミー・バストウさん)ら松野家の面々は、一躍“時の人”となった。この展開を描いた狙いについて、制作統括の橋爪國臣チーフプロデューサー(CP)に聞いた。
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「ばけばけ」は、松江の没落士族の娘・小泉セツとその夫・八雲(ラフカディオ・ハーン)夫妻をモデルに、「怪談」を愛するヒロインが、外国人の夫と共に、何気ない日常の日々を歩んでいく姿を描く。
第16週では、新聞に載ったことで松江の有名人となったトキやヘブンらの日常にスポットが当たった。実際に、ヘブンのモデルとなった八雲の記事が当時の新聞にも掲載されており、史実ベースの展開となる。
橋爪さんは「劇中で描かれた隙間(すきま)に落とした箸を拾おうとするエピソードなどは、全てドラマオリジナルの展開ですが、当時、新聞に毎日のように、八雲とセツ夫妻の行動記録が載っていたのは史実です。今も『総理が昼食に何を食べた』とか、首相の一日を追うような連載があるじゃないですか。ああいう形で、実際にハーンさんたちの行動が細かく記事になっていました」と説明する。
「それがどの程度、松江の方々に読まれていたのかは分かりませんが、きっと町の中でも有名な存在ではあったと思うんです。そういったところからヒントを得て、生活がガラッと変わり、みんなの注目の的になって、今でいう“バズった”家族の様子を描きたいなと考えました。また、それを描くことで、トキとサワ(円井わんさん)との対比もより強く出るのかなと思いました」
新聞に掲載されたことで、トキとヘブンは町中で英語で会話をして見せるなど、普段とは違う振る舞いをすることもあった。
「人間はいきなり周囲から持ち上げられると、生活が違って見えてきたりもする。バズったことで無理に生活を変えなければいけなくなることも、期待に応えるために振る舞いが変わってしまうこともある。トキやヘブンも新聞に書かれたら『そうしなきゃいけないのかな』と思ってしまった。現代でもそういう苦しい生き方はあるはずだし、今の社会と結びつくところもあるかもしれない。そういうことも示唆できるものになったらいいなと思っています」
“ヘブン先生ブーム”は加速し、松野家の面々は変装しなければ町を歩けなくなるほどに。町では、グッズまで売られるようになる。橋爪さんは「記録には何も残っていないので分かりませんが、明治時代にグッズが売られていたという事実は、まず絶対ないですよね」と笑う。
「100パーセントないと思うんですけど、『もしかしたらあったかも』と思える。現代人の感覚としてドラマを見た時に、そう見えたらいいなと。当時は新聞に載っただけでも、それぐらいの価値があったと思うんですが、今の感覚だとそれだけで大騒ぎになっているとは思えない。そう考えた時に、そのフィーバーぶりを表現する一環として、『あり得ないんだけど、あり得たかも』と感じられるグッズを作ってみました」
これらのグッズが画面に映る時間は短いが、細部までこだわって作られているという。
「グッズについては、脚本のふじきみつ彦さん、監督陣、プロデューサー陣で話し合う中で浮かんできたアイデア。実はいろんなバージョンがあって、小道具さんたちが楽しみながら作っていました。チラッとしか映らないのですが、かなり作り込んでいて品数も豊富です」
すっかり松江の有名人となったトキとヘブンに、今後どのような展開が待ち受けているのか。2人の行く末を見守りたい。




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