高石あかりさんがヒロインを務めるNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ばけばけ」(総合、月~土曜午前8時ほか)。2月6日放送の第90回のラストでは、ヘブン(トミー・バストウさん)がトキ(高石さん)に松江を離れようと提案。その後に流れた次週予告では、錦織を演じる吉沢亮さんの表情だけが約20秒にわたって映し出された。第19週以降、深掘りされるという錦織のキャラクターについて、制作統括を務める橋爪國臣さんに聞いた。
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ヘブンの通訳として、ヒロイン一家を見守ってきた錦織だが、これまで彼の背景や内面が深く掘り下げられることはなかった。橋爪さんは「錦織とヘブンの関係は深いようで浅いような……。視聴者にははっきりとは分からない関係性を描いてきました」と振り返る。
そして「第19週に向けて、錦織の話を深く描きたいと思った」と前置きした上で、錦織のモデルとなった西田千太郎について説明する。
「後に総理大臣になった若槻禮次郎や、近代スポーツの父と言われた岸清一と同年代で、その人たちと比べても圧倒的に秀才だったと言われていた人物。家の貧しさや、いろんなタイミングの悪さでずっと貧乏くじを引き続け、一念発起してもなんかうまくいかない。きっと人生の角度が少し違っただけで、日本を代表する何かになっていたであろう人です」
大量の日記を残した人物でもあり、特に心情はつづられていないものの、橋爪さんはその日記を読み、不遇の天才、聖人君子としてではない西田千太郎の一面が見えてきたという。
「表には見せない一面を、錦織というキャラクターを通して描きたいと最初から考えていました。吉沢さんとも話をして、ヘブンとの関係を積み重ねていってほしいと。はっきりと表現していないけれど、どこか2人の絆を感じるような芝居を錦織とヘブンの間で重ねてもらいました。錦織が一介の教師ではなく、リテラリーアシスタントとしてヘブンと関わっていく、ヘブンのために何かしたい……そういった強い思いをずっと表現してくれていて、それがこの18週からより強く出てきているように感じました」
また、錦織が既婚者であることは明かされているが、これまで一度も妻が登場したことはなく、私生活は謎のベールに包まれている。
橋爪さんは「最後まで錦織の奥さんを出すつもりはない」と語る。
「錦織にとって重要なことは家族ではなく、彼自身が何を成し遂げるかということ。私生活や家族の物語を描いてもノイズにしかならないので、中途半端に家族を登場させるよりは、錦織とヘブンの純粋な男同士の友情や、それを超えた何かを表現することに集中しようという思いで作っています」
秀才でありながら周囲に振り回され、どこか抜けた“愛されキャラ”として視聴者に親しまれてきた錦織。そんな錦織にどんな運命が待ち受けているのか。最後まで目が離せない。




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