山崎紘菜:dTVドラマ「アイアムアヒーロー はじまりの日」でアイドル役「動画などで研究」

dTV「アイアムアヒーロー はじまりの日」に出演している山崎紘菜さん
1 / 9
dTV「アイアムアヒーロー はじまりの日」に出演している山崎紘菜さん

 女優の山崎紘菜さんが出演するオリジナルドラマ「アイアムアヒーロー はじまりの日」が、定額制動画配信サービス「dTV」で配信中だ。今作は、花沢健吾さんの人気マンガを大泉洋さん主演で実写化した映画「アイアムアヒーロー」(佐藤信介監督、23日公開)の前日譚(たん)を描いたドラマで、映画にも出演する長澤まさみさん演じる藪(小田つぐみ)にフォーカスを当てたエピソードが展開する。ドラマ版オリジナルキャラクターのバス好きアイドルを演じる山崎さんに、役作りや作品の魅力、女優業について聞いた。

ウナギノボリ

 ◇初のアイドル役に「振り切ってやるしかない」

 今作で山崎さんは、アイドルという役作りに苦労したといい、「(女優とアイドルで)撮影の仕方とかは結構共通する部分があると思いますが、現場でのアイドルのたたずまいがまったく分からなかった」と話す。役作りのために「想像と、アイドルの動画などいろいろ調べたりして研究しました」と明かし、「自分にはまったくない要素がたくさんあった役だったので、すごく難しかった」と振り返る。

 役として自己紹介し、アイドルらしい決めポーズも披露しているが、「決めポーズはどうやったらいいのか考えた」と笑顔で話し、「“バスのアイドル”はなかなかいないし、アイドルみたいなキャラクターも初めてだったので、振り切ってやるしかないと思い挑戦しました」と当時の心境を打ち明ける。

 アイドルを演じながらZQN(ゾキュン)と呼ばれる謎の生命体に追われる恐怖感も表現しなければいけないが、「追い掛けられたり逃げたりというのは(別作品でも)経験したことはありますが……」と前置きし、「ZQNというまったく分からない生物で、しかも普通に生きていた人間が一瞬で変わってしまったりするので、そこの想像が難しかった」と振り返る。

 メガホンをとった「放送禁止」などのフェイクドキュメンタリーで知られる長江俊和監督からは、「リアリティーのあるお芝居」を求められたといい、「大げさにならないようにナチュラルなお芝居を心がけました」と語る。そしてドキュメンタリータッチに進む展開に、「現場でもせりふ以外のアドリブというか、日常会話というのをやってみてほしい」という演出があったことを明かし、「アドリブというのも、すごく勉強になりました」と深くうなずく。

 ◇出演作が増えていく中で「大きな壁」に悩んだ時期も

 昨年は映画「orange-オレンジ-」への出演、「ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密」での吹き替え、ドラマ「監獄学園-プリズンスクール-」での個性的な裏生徒会の会長役などで出演した山崎さん。「昨年はデビューしてから一番多くの作品に携わらせていただいた1年」と感慨深げに切り出し、「今までは作品一つに対する準備期間がすごく与えられて、いろんな準備をして作品に臨めたのですが、作品を連続して撮影したりすると、なかなか準備をする余裕がない」とジレンマを感じていたという。

 そういった状況で「しっかりとした一流の仕事を求められ、自分の中で大きな壁になってしまったときがあった」と悩んだことを告白するも、「絶対に乗り越えていかないといけないことなので、短い時間の中でも完璧な仕事ができるようなプロの女優さんになれるように頑張りたいと思いました」と力強く語り、真っすぐと前を見据える。

 役作りのために、普段から「(会ったことがない)新しい職業の方にお会いしたとき、どうしてその仕事に就いたのかとか、どのように仕事をするのかとか、結構いろいろ聞いちゃいます(笑い)」と山崎さんは心がけ、「(演じる)キャラクターが私自身に見えないように、そのキャラクターで100%いられるように……」ということを意識して役作りをしているという。「すごく難しいですけど、どこからどう見てもそのキャラクターにしか見えないというお芝居を目標にして、心がけて頑張っています」と真摯(しんし)に語る。

 忙しい日々を送る中、美容や健康面では「食べることが好きなので、我慢するとストレスにもなる」と山崎さんは切り出し、「運動だったり、ほかの面で補い、我慢しなくてもいいように気を付けています」と持論を語る。

 ◇1人2役や王道ラブストーリーのヒロインに挑戦したい

 ドラマ版はオリジナルエピソードを描くが、「“エピソード0”というか序章の作品があるからこそ、映画に対して興味を持ってくださる方が増えると思うし、映画を見るきっかけにもなったりもする」と効果に期待し、「私もいろんなところに行ったり移動することがあり、家でなかなかテレビが見られないのですが、iPadやiPhone、スマートフォンなどで手軽にどこでも見られるというのがすごく魅力的」と山崎さんは自身の経験を踏まえて語る。

 作品の見どころを、「画面の中に自分がいるような錯覚に陥ってしまうほど、本当にリアリティーのある映像なのでぜひ注目してほしい」と解説し、「“ZQNパニック”を体験できると思う」と自信をのぞかせる。

 自身が演じるバス好きアイドルのエリスについては、「私が“アイドルを演じている”という部分と、クライマックスに見どころがぎゅっと詰まっていると思うので、ラストシーンまで注目してほしい」とアピールする。

 今年も今作のほか、出演した映画「金メダル男」や「MARS~ただ、君を愛してる~」などの公開を控えるが、今後挑戦して見たい役は「1人2役」だといい、「双子で同じ顔なのに性格が全く違うとか、そういう役にも挑戦してみたい」と山崎さん。さらに、「ラブストーリーのヒロインをやってみたい」と笑顔を見せ、「『監獄学園』(の役)も特殊でしたし、『orange』はラブストーリーですけど応援する立場、友だちの一人だったので、王道のラブストーリーのヒロイン、恋愛に揺れ動く女の子を演じてみたいという憧れはあります」と思いをはせる。

 そんな恋物語のヒロイン役を夢見る山崎さんが考える理想の男性像は「人間として普通だろうといわれると思いますけど、『ありがとう』などをちゃんと言える人」と語り、「日々の生活の中で忘れがちなので、常に感謝の気持ちは忘れない方はいいなと思います」とほほ笑んだ。オリジナルドラマはdTVで配信中。

 <プロフィル>

 1994年4月25日生まれ、千葉県出身。2011年に第7回東宝シンデレラオーディションで審査員特別賞を受賞しデビュー。主な出演作は、ドラマが「監獄学園-プリズンスクール-」(MBS・TBS系)、「フラジャイル」(フジテレビ系)、「MARS~ただ、君を愛してる~」(日本テレビ系)など。映画は「今日、恋をはじめます」(12年)、「悪の教典」(12年)、「orange-オレンジ-」(15年)などがある。今年は、出演した映画「MARS~ただ、君を愛してる~」(6月18日公開)、「金メダル男」(10月22日公開)などの公開を控える。

 (インタビュー・文・撮影:遠藤政樹)

写真を見る全 9 枚

映画 最新記事