俳優の東山紀之さんと女優の松たか子さんが、今夏放送のTBSのスペシャルドラマ「ふつうが一番 -作家・藤沢周平 父の一言-」で初共演することが17日、明らかになった。松さんは2015年3月の第1子出産後、初のドラマ出演で、東山さんと松さんは夫婦役を演じる。「渡る世間は鬼ばかり」(同)のプロデューサーで知られ、同ドラマを手掛ける石井ふく子さんは「私はどうしても東山紀之さんと松たか子さんにこのドラマに出演していただきたくて3年待ったんです。しつこいですから(笑い)、やっと実現できました」と2人の起用を喜んでいる。
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ドラマは、直木賞作家の藤沢周平さんの娘でエッセイストの遠藤展子さんの「藤沢周平 父の周辺」、「父・藤沢周平との暮らし」(ともに新潮文庫)が原作。東山さん演じる藤沢周平が、小菅留治の本名で小説家になることを夢見ながら「食品加工新聞」の記者として、妻に先立たれ、一人娘の展子と母とともにつましく暮らしていた1963年頃から、松さん扮(ふん)する後の妻・小菅和子との再婚、そして1973年に直木賞を受賞するまでの家族との日々を、実娘・展子の目線でとらえたヒューマンタッチの作品。草笛光子さん、角野卓造さん、佐藤B作さん、前田吟さんらも出演する。
主演を務める東山さんは「藤沢周平先生は、とても偉大な作家で、俳優であれば先生の作品を一度はやってみたいと考えている方が多いと思います。その人物を演じさせていただくことになり光栄に思っています」と役を演じる喜びを語ると、「藤沢先生も和子さんという素晴らしい奥様に恵まれて直木賞を受賞されてから作家活動がますます隆盛になられたという物語だと思います。今回は僕も同じように松たか子さんのお力をたくさんいただいて、いい作品にするよう努めます」と意気込んだ。
一方、松さんは「結婚を申し込まれる長いシーンのリハーサルの時、東山さんと向かい合ったら、ずっとセリフが出てきた瞬間があってとても不思議な気がしました。ご一緒している時の空気が滑らかな感じがして、もちろん緊張はしているのですが、とても安心感がありました」と東山さんの印象を明かし、「家族のシーンが温かくて、けんかをしたりすることがあっても直後に笑いあえるような、とてもすてきなドラマに関わらせていただいて幸せです」と語っている。
プロデューサーの石井さんは「今、いろいろなドラマがございますが“ふつう”が一番難しいんです。“ふつう”の中に何があるのか、家族、それから兄弟、親戚といろんなことが起こります」と内容に触れ、「藤沢周平さんという方は和子さんに結婚を申し込んだ時にものすごく反対されるんですが、彼女への本当の想いをお義父さんに伝えるために、仕事の小説を書かなくてはいけない時に送った100通ものラブレターを見せてお願いするんです。そんなエピソードを盛り込んで、遠慮なく話す夫婦、遠慮なくけんかもする、そんな家族のドラマを皆さんにご覧いただきたいと思います」と見どころを交え、ドラマをアピールした。
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