俳優の生田斗真さんが9月11日、東京都内で行われた第38回向田邦子賞贈賞式に出席。自身の主演ドラマ「俺の話は長い」(日本テレビ系)で脚本を担当し、同賞を受賞した金子茂樹さんを祝福する一方、脚本の完成がたびたび遅れたことをイジり、「生田斗真に出会えたことは、本当に幸せなこと。感謝してほしいと思います(笑い)」と冗談を交えて話した。
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金子さんは今回、2019年10月期放送のコメディーホームドラマ「俺の話は長い」の脚本で同賞を受賞。壇上で「連続ドラマの脚本は、肉体的にも精神的にも非常にキツい作業。(今作の脚本執筆にあたって)長丁場に耐えられるようにと、毎月100キロ以上走り込みした。去年の2月にはフルマラソンの大会にも参加した。その最中に、主人公の岸部満がランナーに逆走するように就職の面接に向かうという最終回のアイデアが浮かんだ。第1話を書き始める前に、最終回のアイデアが浮かぶ経験は、これまでの連続ドラマで初めてだった。不思議な気分だったのを覚えている」とコメントした。
また、1話30分2本立てという本作を書くストレスで、打ち合わせ中に自分の頭を叩くクセができたことが災いし、「最終回を書き終わって1カ月後に硬膜下血腫になり、即緊急手術をして、頭蓋骨(ずがいこつ)に二つの穴を開ける大ごとになった」と告白した。
同作の主人公で無職ニートの岸辺満を演じた生田さんはこの日、金子さんのお祝いに駆けつけて花束を贈呈。「文字通り、命を削って書かれた脚本がこうして素晴らしい賞をいただけたことを、自分のことのようにうれしく思います。役者にとって、いい脚本家に出会えること、いい脚本に出会えることは俳優人生を左右する大きな出来事。金子さんに出会えたこと、『俺の話は長い』というドラマに出会えたことは、これからの人生を左右する大きな出来事になる。同時に、脚本家さんにとっても、いい役者に出会えることはすごく重要な出来事。金子さんが、生田斗真に出会えたことは、本当に幸せなこと。感謝してほしいと思います(笑い)」とジョークを飛ばした。
金子さんは、脚本の完成が撮影間近になることがしばしばあったとも明かし、生田さんには「打ち上げの席で『どの面下げて来たの?』と、台本が遅かったことをイジられた。現場に迷惑をかけた」と平謝り。
生田さんは、ドラマの撮影前に金子さんと食事したことを回想。「金子さんが『僕は生まれ変わりました。“ネオ金子茂樹”になった』とおっしゃった。『ひらめきがとんでもないことになっているので、ドラマの撮影始まる前までには、全部の台本をほぼ上げた状態でお届けします』とおっしゃった。撮影が始まる前に実際にあった台本は(序盤の)1冊。『どこがネオ金子なんだろうな』と思った」とチクリ。それでも「向田邦子賞を取って、本当のネオ金子になったと思う」と褒めたたえた。
向田邦子賞は、故・向田邦子さんがテレビドラマの脚本家として、数々の作品を世に送り出し活躍してきた功績をたたえ、現在のテレビ界を支える優秀な脚本作家に贈られる賞。毎年4月1日から翌年3月31日までに放送されたテレビドラマの脚本を対象に選定・表彰する。ドラマ「俺の話は長い」の授賞理由として「展開に頼るエンターテインメントではなく、人間の描写で楽しませ、ニートと不登校を、ごく日常のこととして面白く描いていく感性は秀逸。作者の人生観が出ている魅力的な脚本」などと説明している。
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