佐藤栞里:「TOKYO MER」で演技本格挑戦 当初は緊張と不安でいっぱい 感情移入しがちで思わず涙も

連続ドラマ「TOKYO MER~走る緊急救命室~」で喜多見涼香を演じる佐藤栞里さん(C)TBS
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連続ドラマ「TOKYO MER~走る緊急救命室~」で喜多見涼香を演じる佐藤栞里さん(C)TBS

 俳優の鈴木亮平さんが主演を務めるTBS系「日曜劇場」(日曜午後9時)枠の連続ドラマ「TOKYO MER~走る緊急救命室~」で、主人公・喜多見幸太(鈴木さん)の妹・涼香を演じている佐藤栞里さん。つい感情移入してしまうという佐藤さんは、“強さ”を打ち出すべきところで涙を流してしまったり、緊張や不安、迷惑をかけてはいけないという思いで頭がいっぱいになることもあったという。だが、監督や共演者の助言を受けながら役と向き合っていくにつれて、次第に緊張が解け、「楽しい!」と感じるようになったと語る。本作で本格的に演技に挑戦した佐藤さんに話を聞いた。

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 ◇エレベーターのシーンでは「ずっと声の震えが止まらなかった」

 佐藤さん演じる涼香は、入院する子供たちやその家族をサポートするNPO法人のスタッフで、兄の喜多見たちが働く「東京海浜病院」にも度々顔を出している。佐藤さんにとって、第5話(8月1日放送)のエレベーターのシーンは最も印象に残ったシーンの一つだといい、監督とも密に相談を重ねたという。

 「あのシーンではリハーサルから感極まってしまい、ずっと声の震えが止まらなかったんです。妊婦さんも本当に苦しそうだったし、赤ちゃんの命の危機も感じました。でも本番前に、監督さんが私のところに来てくれて、『涼香はすごく強い人で、妊婦さんを一生懸命励まそうとしてるから強い心を持って。今は必ず助けるんだという気持ちを持って、泣かないでね』って言われたんです」

 監督の言葉を受けて、役を演じる上での意識も変わったといい、「『そうか、やっぱり私と涼香は違うし、涼香はすごく強い人だから、ここは涼香の意思をちゃんと持って演じなければいけないな』というのを意識するようになりました。大変だったのですが、改めて涼香のすてきなところを感じた瞬間でもありました」と振り返る。

 エレベーターのシーンでは、賀来賢人さん演じる医系技官・音羽尚、桂文珍さん演じる与党幹事長・天沼夕源も閉じ込められた。音羽は一時、妊婦よりも天沼の体調を優先していたため、涼香から「最低!」と言われる一幕があった。しかし撮影は、意外にも和やかに進められたという。

 「賀来さんが、『怒りの表情を出したいときは顎(あご)を出したらいいんだよ』と教えてくれたんですね。なるほどと思って、カメラに向かって顎を出しながら『最低!』と言ったら、賀来さんが『うそだよ』って笑いながら言ってくれて。その瞬間、カメラマンさんや監督さんをはじめ、現場にいた皆さんが笑ってくれて、第5話の撮影初日ですごく緊張していたのですが、その瞬間に緊張が解けた感覚がありました」

 賀来さんのささやかな冗談で、一段と気持ちが楽になったといい、「それまでは不安とか、周りの方に迷惑をかけてはいけない、失敗してはいけないという気持ちばかりだったのですが、賀来さんの言葉で涼香に集中できたというか、すごくありがたかったですね」と明かす。

 ◇ドラマの現場は「失敗がない世界」 コメディーにも意欲?

 演技に本格的に挑戦した佐藤さんだが、撮影中はとにかく楽しさでいっぱいだという。

 「まだ正直、不安な気持ちや緊張が毎回あるのですが、監督さんや共演者の方がすごく一生懸命に、『涼香ってきっとこういう人だよね』『こうやったら涼香らしくなるよね』と示してくださるので、それはすごく楽しいです。『涼香になりきれたかもしれない』と思えた瞬間は、すごく楽しさを感じることができています」

 また、撮影を通して得られた“気づき”もあったようで、「ドラマの撮影現場って、失敗というものがない世界なんだと気づきました。もう1回撮り直すことになったとしても、それはもっと良くなるんじゃないかという思いからくるものであって、とてもすてきだなって感じました」と語る。

 涼香といえば、MERのメンバーに手作りのお菓子をプレゼントするなど、献身的な姿が印象的だ。エレベーターに閉じ込められた際に世話になった音羽には、個別にお菓子を渡していた涼香だが、「涼香を知れば知るほど似てない」ということを実感していったという。

 「実は涼香と私は全然似てないんです。私はすぐに感情移入して泣いてしまうし、好きな人がいても個人的にお菓子をあげる勇気もないですし。だけどそういう涼香の真っすぐで、強い一面を知って大好きになったし、『私もこういう人になりたいな』という憧れも抱くようになりました」

 最後に今後、挑戦してみたい作品のジャンルについて聞いた。

 「正直なところ、今は涼香のことが好き過ぎて、他の人になる想像ができていないんですよね。ですが、この作品の撮影中に、ちょっとコメディー要素が入ったシーンがあると、カットがかかった後に、スタッフの皆さんがフフって笑ってくださって、その瞬間もすてきだな、楽しいなと思ったので、コメディーに挑戦したいと思う日が来たらいいなという気持ちはあります」

 本作で早くも役者として爪痕を残している佐藤さん。陰に陽にTOKYO MERのメンバーを支えてきた涼香だが、今後はどんな活躍を見せてくれるのか。佐藤さん自身の成長と共に見守っていきたい。

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