俳優の小栗旬さんが主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(総合、日曜午後8時ほか)で、主人公・北条義時(小栗さん)と同様、物語に欠かせない重要なピースとなってきた北条政子役の小池栄子さん。SNSでの盛り上がりなど反響の多さに喜び、自らも視聴者の反応を見ていたという。そんな小池さんに、運命の出会いとなった北条政子役を振り返ってもらった。
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およそ1年5カ月にわたる撮影を終えたときは「自分が想像していたよりも北条政子という人間を愛してしまいました。もう一度、やり直したいと思えるほど政子に魅了されました。小栗さんが作り上げてくれた現場もとても心地よく、仲間たちと離れるさみしさもありました」と振り返る。
「鎌倉殿の13人」と言えば、重厚なストーリーの中に、笑いのシーンもあり、SNSでは「全部、大泉(洋)のせい」という言葉で視聴者の間で盛り上がるなど、たくさんの感想がダイレクトにキャストや制作陣にも届いた。
街中でも“政子”と呼ばれることもあり「『見てますよ』と言っていただけたことが、本当に励みになるんです。今までやってきた役の中では一番反響が多かったですし、感謝しています。この作品が時を経ても色あせず、海外でも放送してほしいなと思っています」
「鎌倉殿の13人」では、中盤で最期を迎えることとなった源頼朝(大泉洋さん)。小池さんと大泉さんは2020年公開の映画「グッドバイ 嘘からはじまる人生喜劇」でも夫婦を演じたが、今回も大泉さんだからこそ築き上げられた夫婦関係があったと話す。
「『鎌倉殿』における頼朝と政子は、理想の夫婦だと思います。言葉にはせずともお互いを思いやる描写もありましたし、戦友のようなところもありました。(頼朝は)女遊びもありましたが、最後は政子のところに戻ってくるんでしょ?という昭和のお母ちゃんみたいな感じがあると思います。気づいたら頼朝が政子の手のひらで転がされているというのは、夫婦としても理想なのかなと感じます」
そんな理想の夫婦ができたのも、ある意味「大泉のせい」。
「大泉さんの嫌みのない軽さみたいなものが、頼朝の魅力を引き出したと思います。もし、台本に書かれたせりふだけを発していたら、もっともっと嫌われた役になったと思います」
一方で、頼家(金子大地さん)、実朝(柿澤勇人さん)、大姫(南沙良さん)など、自身の子を失うシーンでは「子供を失うことに勝る悲しみはない」と感じたという小池さん。それでも、「実朝が亡くなったとき、政子は一度死んだような気持ちになりました。そこからは必要としていることにまっしぐらになろうと演じていました」と、悲しい気持ちを吹っ切った。
実朝に対しては「頼家を失ったことで、過保護になりすぎたんだと思います。子供がどのような人間になるかは、親の影響が大きいと思いますが、政子はダメな親だったという感想が残っています。頼家や実朝には責任はなく、男の子を育てるお母さんって大変なんだなと思いました。子供たちには幸せになってほしかったし、そうできなかったのはいまも政子の責任だと感じています」と語った。
物語はいよいよ佳境を迎えるが、「家族で始まった物語だから、最終的には家族の物語で終わるんだろうなと、最後の方は現場でよく話していました。家族だけで1日撮影している日もありましたし、家族と一緒に撮影が終われるのも幸せだなと感じました」と明かす。北条家を長年支え続けた義時と政子の関係が最後にどのように描かれるのか。小池さんも「賛否巻き起こる最後に向かっていく」というフィナーレをしっかりと見届けたい。
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