松本潤さん主演の2023年NHK大河ドラマ「どうする家康」(総合、日曜午後8時ほか)。3月19日放送の第11回「信玄との密約」では、武田信玄(阿部寛さん)が赤備えの武田軍を率いて今川領に攻め入ると、侵攻開始からたった7日で駿府を制圧と、その強さを見せつけた。信玄役の阿部さんは、迫力のある立ち姿を披露し、視聴者からは「大河史上最強の武田信玄かもしれない」との声も上がるほど。果たして、本当に“大河史上最強”なのか。ここでは阿部さんより前に大河ドラマで信玄に扮(ふん)した俳優陣を紹介する。
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1963年に始まった大河ドラマで、“戦国もの”とされるのは「どうする家康」を含めて21作ある。最初の“戦国大河”は1965年の「太閤記」で、このときは早川雪洲さんが武田信玄を演じた。
次に信玄が大河ドラマに登場したのは、1969年の「天と地と」。同作で高橋幸治さんが信玄役を務めると、その後は1973年の「国盗り物語」で大友柳太朗さん、1978年の「黄金の日日」で観世栄夫さん、1983年の「徳川家康」で佐藤慶さんが“信玄俳優”として大河ドラマの歴史に名を刻んだ。
1988年のその名もズバリな「武田信玄」では中井貴一さんが信玄役で主演。時代は飛んで2007年の「風林火山」では、昨年、大きな話題となった「鎌倉殿の13人」における文覚役の“怪演”が記憶に新しい市川猿之助さん(当時は市川亀治郎)が信玄に扮した。なお、少年時代は池松壮亮さんが演じ、池松さんは武田勝頼として再登場している。
興味深いのは2016年の「真田丸」だ。このとき信玄は、同年1月17日放送の第2回「決断」に、“亡霊”としてたった2シーンのみ登場。せりふもなかったにもかかわらず、「存在感がすごい!」と話題となり、ドラマ公式サイトの人物紹介欄「信玄」のアクセスが急上昇した。
演じたのは、半世紀以上にわたって大河ドラマの殺陣師として活躍し、2015年10月に亡くなった林邦史朗(はやし・くにしろう)さん。「真田丸」は林さんの遺作となった。
そして、2017年の「おんな城主 直虎」では松平健さん、2020年の「麒麟がくる」では石橋凌さんが信玄役を務めた。石橋さんはわずかな出番だったものの、「生き写しレベル」とビジュアル面でインパクトを残した。
「どうする家康」で信玄を演じる阿部さんは、顔の濃さや主演映画「テルマエ・ロマエ」シリーズのイメージから、「ローマ人にしか見えない」といった声が視聴者から上がっているが、その威圧感や貫禄は、過去の大河“信玄俳優”と比べても、全く見劣りしない。
これまでで、武将としての活躍はほとんど描かれていないが、大河ファン、歴史ファンから常に高い注目を集める“戦国最強のレジェンド”として、阿部さんの活躍からは今後も目が離せなくなりそうだ。
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