吉川晃司:大河「八重の桜」で西郷隆盛役 「むちゃぶり」と本人もびっくり

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 綾瀬はるかさん主演で、同志社大学創設者・新島襄の妻で会津藩出身の新島八重の姿を描く13年NHK大河ドラマ「八重の桜」の新キャスト14人が19日発表され、歌手の吉川晃司さんが西郷隆盛役、俳優の反町隆史さんが大山巌役を演じることが明らかになった。新キャストの発表会見に登場した吉川さんは「復興支援ということを根幹にやらないかとお話をいただきまして、大変光栄だったんですが、西郷さんと聞いてそんなむちゃぶりありかよ! 顔は似てない、いろいろ似てない……」と苦笑い。02年の「利家とまつ 加賀百万石物語」以来10年ぶりの大河出演となる反町さんは、「今回この人物を演じることができてとてもうれしい。台本、すばらしいキャストに負けないよう頑張りたいと思う」と力を込めた。

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 発表されたキャストは、会津藩の女性たちで、軍事奉行添役・神保修理の妻・神保雪子を芦名星さん、山川大蔵の妻・登勢役を白羽ゆりさん、斎藤一の妻・高木時尾役を貫地谷しほりさん、山川兄弟の賢母・山川艶役を秋吉久美子さん、山川二葉役を市川実日子さん。幕府側では、徳川慶喜役を小泉孝太郎さん、松平春嶽役を村上弘明さん、会津に殉じた新撰組の刺客・斎藤一役を降谷建志さん、勝海舟役を生瀬勝久さん。朝廷側は岩倉具視役を小堺一機さん、孝明天皇役を市川染五郎さん。新政府側は大山巌役の反町さん、西郷隆盛役の吉川さんのほか、板垣退助役を加藤雅也さんが演じることが発表された。芦名さん、降谷さん、白羽さん、小堺さんは大河ドラマ初出演。

 吉川さん演じる西郷隆盛は明治維新第一の功労者。薩摩藩下級武士の家に生まれたが、藩主・島津斉彬に見出され、早くから他藩の諸士と交わる。佐久間象山のもとに訪れた際、主人公八重の兄・山本覚馬(西島秀俊さん)を出会う。斉彬の死後、2度の遠島処分を経て倒幕運動の中心人物となり、会津藩、そして覚馬と敵対する立場になり……という役どころ。

 吉川さんの起用理由についてNHKの内藤愼介チーフプロデューサーは、「見た目ではなく、『このときに動かなければ』というときに動ける瞬発力を持っている西郷隆盛のイメージに近いと感じた」と説明。自ら西郷と「似てない」と語った吉川さんだったが、「このままじゃ国がやばいと岐路に立たされているというのは今も同じ。今こそ民が動かないと我々の未来はやばいぞーっていうのが現実。西郷さんたちが戦ったその志をきっちり感じて演じられれば」と意気込みを語り、「東北の支援はもちろん、日本中を活気づけるようなことになれれば」と力強くコメント。「それはそうと、西郷さんどうすればいいのかみなさん教えてくださーいって感じです」と笑いを誘っていた。

 NHK放送センター(東京都渋谷区)で開かれた会見には、貫地谷さん、降谷さん、市川さんを除く新キャストと主演の綾瀬さんが登場。大河ドラマ初出演となる福島県郡山市の出身の芦名さんは、「月に2、3度実家に帰っていますが、今回はここが舞台になるんだとうれしい気持ち。大河初出演なので、勉強させていただきながら楽しく過ごしていきたい」と意気込みを語った。

 勝海舟と西郷隆盛は対峙することで知られているが、その場面への意気込みを聞かれた生瀬さんは、「吉川さんとは今日初対面でちょっとこわい部分がありますので……」とタジタジ。「もしそういうシーンがありましたらこちらも負けてません!」と宣言するも、「すみません……」と早くも弱腰の姿勢を見せ、笑わせていた。

 ドラマでは、福島県出身で戊辰戦争の落日、会津の鶴ケ城に500人の女たちと立てこもり、銃を持って戦ったことから“幕末のジャンヌ・ダルク”と呼ばれる主人公・八重(1845~1932)の一生を描く。脚本は「ゲゲゲの女房」の山本むつみさん、テーマ音楽は坂本龍一さんが担当する。13年1月から放送。全50回を予定。8月末~9月頭にクランクイン予定。(毎日新聞デジタル)

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