映画「クローズZERO」や「十三人の刺客」などで知られる三池崇史監督が25日放送の障害者情報バラエティー番組「バリバラ」(NHK Eテレ、毎週日曜午後7時)に出演。収録後の単独インタビューに応じ、タブー視されていた障害者の性やお笑いなどに挑戦する同番組について「勇気が支えている番組で、負けていられないなと思う。奇跡的な番組だと思う」と絶賛した。
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番組は「No Limits(限界無し)」をモットーに、障害者の恋愛や出産、子育て、仕事、エンタメやレジャーなど、さまざまなジャンルの話題を取り上げ、障害者自身が本音をぶつけ合い、笑いながら考えて、本気でバリアフリーな社会を目指すという番組。2012年から放送され、大きな反響を呼んでいる。
三池監督は、コメディーからアクション、ホラーなどさまざまジャンルで、思い切った表現に挑戦した作品を次々と生み出し、最新作「極道大戦争」ではメキシコのオアハカ映画祭外国長編部門で、日本人初の最優秀監督賞を受賞している。
番組では今回と次回(11月1日放送)で「バリバラ ファン感謝祭」を企画。「世界一好きなテレビ番組」と公言する三池監督を特別ゲストに招いた。今回は、彼女いない歴39年の脳性まひの大久保健一さんが、恋人を作るため香港に“国際交流の旅”に出かけた模様と、全盲の落語家・桂福点さんが監督・出演したショートムービー「鬼は外」を紹介。寝たきりの正義のヒーロー「アソアソマン」の新作コントなどが放送される。三池監督は「55歳にして、最強の番組に出合った」と絶賛。司会者の「世界一、愛している番組は?」という問いに、「バリバラです」と力強く答え、スタジオを沸かせた。
収録後の会見で、三池監督は「バリバラには、今の商業映画の現場になくなってしまった多様性がある。今の映画が描くものは、本来、一人一人が持つ違った幸せの価値観を、僕ら(映画の製作者)が一つにまとめて、だいたいこういうことですよね、だから、より多くの人に見てほしい……というものになっている。それに比べたら、バリバラには迫力がある」と評した。
また、単独インタビューではNHK大阪放送局制作の番組であることについて、「大阪人はやってみようや、という押していく力がある。関西弁のソフトさもあって、東京ではなかなかできないと思う」といい、「障害を持っている出演者も含めて、同じ立場で作り上げている。自負もありながら、押し売りしようとしないし、重苦しさを感じさせない。どこかに行こうという道を指し示しすぎない、自由ですがすがしい番組だ」と語った。
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