遠藤憲一:なぜ“妖精”役? 「おっさんずラブ」Pが明かす素顔と魅力

ドラマ「私のおじさん~WATAOJI~」で“妖精”のおじさん役を演じる俳優の遠藤憲一さん(C)テレビ朝日
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ドラマ「私のおじさん~WATAOJI~」で“妖精”のおじさん役を演じる俳優の遠藤憲一さん(C)テレビ朝日

 俳優の遠藤憲一さんが、40年近い芸歴の中で初となる“妖精”のおじさん役に挑戦する連続ドラマ「私のおじさん~WATAOJI~」(テレビ朝日系)が11日、スタートする。こわもてなルックスながら、チャーミングな役まで幅広く演じ分ける遠藤さんが、おちゃめ?な妖精をどのように表現するのか期待が膨らむ。主演女優の岡田結実さんも「現場の皆さんが、私含め『可愛い~! 癒やされる~!』と言っています」と語る。昨年大ヒットした連続ドラマ「おっさんずラブ」(同局系)も手がけたプロデューサーの貴島彩理さん(28)に、遠藤さんの起用理由と俳優としての魅力、撮影現場で見せる素顔について聞いた。

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 ドラマは、失恋と失業でヤケクソになった一ノ瀬ひかり(岡田さん)が、超過酷なロケで有名なバラエティー番組の制作会社に就職。アシスタントディレクター(AD)生活を送っていると、「妖精」を名乗る毒舌なおじさん(遠藤さん)が現れる。おじさんの姿はひかりにしか見えず、ひかりが口に出せない心の声や本音、愚痴をズバズバと口に出す。ひかりとおじさんの、珍妙なお仕事ライフが展開される……というオリジナル作品。城田優さん、田辺誠一さん、青木さやかさん、小手伸也さん、戸塚純貴さんらも出演する。

 ◇こんな妖精がいたら… なぜ遠藤憲一?

 貴島さんは、1990年3月20日生まれ。東京都出身。慶應義塾大学卒業後、2012年、同局に入社。バラエティー部でAD、ディレクターを経験した後、16年にドラマ部へ異動。三浦春馬さん主演の「オトナ高校」で連ドラを初プロデュースし、2作目は「おっさんずラブ」。今作は、連ドラプロデュース3作品目となる。

 「生きていると、怒られたりとか、嫌なことがあったときに、言いたいけど言わずに“心の2ちゃんねる”だけ大荒れみたいなことって、きっとどんな人でもある」と話した貴島さん。もともと“お仕事ドラマ”をやりたかったといい、自身のAD経験をいかして、今作を企画した。「いつもは言えない言葉を、隣でぜ~んぶベラベラしゃべってくれる妖精がいたら、毎日楽しく仕事ができるのかなと思いまして、疲れた日本に人々がちょっとすっきりしてもらえるような、少し毒のあるお仕事ドラマが作れたらなと思って」と企画理由を説明する。

 遠藤さん演じる自称「妖精」のおじさんは、「性格はすこぶる悪く、超毒舌」「息を吐くように、人を“ディスる”し、日々文句タラタラ」「ムカつくやつには、たまに仕返しをお見舞いし、キャッキャしている」「恋愛相談に乗るのも大好きだが、結果邪魔をしている」という役どころ。正体は謎に満ちており、上質なスリーピースのスーツに身を包んでいて、神出鬼没で、「幽霊」と言うと、「いや、妖精だから」と激しく否定する……という設定だ。

 遠藤さんの起用理由について、「もともと遠藤さんとすごくお仕事がしたくて」と話した貴島さん。ドラマ部に異動となり、最初に見学に行かせてもらった現場が、遠藤さんと菅田将暉さんがダブル主演した連続ドラマ「民王」(同局系)だったという。その際、遠藤さんにあいさつさせてもらったといい、「本当に優しくて。深々と頭を下げてくださって、『遠藤です』っておっしゃってくださって。なんて立派な人なんだろうってすごい感動しまして。いつか自分がプロデューサーになったら、オリジナル作品でオファーできたら……と思っていたので、真っ先にご連絡をさせていただきました」と明かす。

 ◇妖精役で「新しい遠藤さんが見たい」

 妖精のおじさんは“ひかり以外に見えていない設定”なので、「見えていないことをいいことに、(まわりの人に)いたずらに絡んだり、目の前で小躍りしたりするので、(遠藤さんの芝居に)みんな笑いをこらえるのに必死です(笑い)」と明かした貴島さん。

 主演を務める岡田さんも、「笑っちゃってNG出しちゃうとか、もう本当に大変なんですよ~! 『遠藤さん、面白くならないでください』と言いたいくらい面白いです」と話す。また、遠藤さんの印象について、岡田さんは「ずっとニコニコしていて、演技で笑うシーンもあれば、実際も笑っているので、いま演技ですか? 本当に笑っていますか?というときがある」と明かす。

 今回のオファーを受けた理由について、遠藤さん自身は、「妖精の役だと聞いて『おおっ?』と思い、だけどおじさんの役だと聞いて『よっしゃ!』と思いました(笑い)」と告白。「“ただの妖精”は難しそうだけど“おじさんの妖精”っていうのは面白そうだなと、うれしい気持ちでお受けしたんです」と語っている。

 貴島さんは「ご本人(遠藤さん)も、『俺、おじさん妖精の役は初めてだよ』っておっしゃっていて(笑い)」と明かしつつ、「妖精だからってとにかく可愛いとか、このお話はそういうことではなくて。他のドラマで見たことのない新しい遠藤さんを一緒に探していきたいし、逆に視聴者の皆様が想像する“妖精”という固定概念を打ち崩してほしいとも思っています」と語る。

 ◇俳優・遠藤憲一の魅力とは

 貴島さんに遠藤さんの魅力について聞いてみると、「お芝居の幅がすごく広いですし、こわもてな役から可愛らしい役まで何でもできる方。私が個人的に魅力だなと思うのが、一番現場で楽しそうなのが遠藤さんだなと思っていて……」と話す。「いつもニコニコしていらっしゃったり、『このセリフって、ちょっとこうしちゃってもいいかな?』みたいな提案をたくさんしてくださる。ご自身の中で、キャラクターを盛り上げて考えてくださったり、それに皆も巻き込まれていきますし、ああいう大人になれたらすてきだなと思うような方」と絶賛。

 また、「よく歯を見せて笑っていて、それにこっちもつられて笑顔になります」と続けた貴島さん。最後に、視聴者に向けて「自分の隣にも遠藤さんがいたらいいなと皆さんに思っていただけたらいいなと思っています。妖精のおじさんが何者なのか……というのも見どころの一つです。なぜ見えるのか?というルールも大きな伏線になっているので、ぜひそれも推理しながら見ていただけたら」と呼びかけた。ドラマは、11日から毎週金曜午後11時15分(※一部地域を除く)放送。

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