坂口健太郎:舞台「お気に召すまま」でオーランド役 体重増量、セクシュアリティーな部分「大事に」

舞台「お気に召すまま」に出演した坂口健太郎さん=WOWOW提供
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舞台「お気に召すまま」に出演した坂口健太郎さん=WOWOW提供

 坂口健太郎さん、満島ひかりさんらが新たな魅力を見せた舞台「お気に召すまま」が、11月9日午後6時からWOWOWライブで放送される。坂口さんがオーランドを演じるために体重を増加したことや共演した満島さんとの芝居などについて語った。

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 「お気に召すまま」は、坂口さん演じるオーランドと満島さん演じるロザリンドをはじめとしたさまざまな恋模様を描く。2010年に舞台「おそるべき親たち」で文化庁芸術祭演劇部門大賞などを受賞した熊林弘高さんが演出を担当。中嶋朋子さん、小林勝也さん、山路和弘さんらが出演した。番組は、8月14日に東京芸術劇場プレイハウス(東京都豊島区)で上演された舞台の模様を放送。

 --今回、演出家の熊林さんはじめ、スタッフ・キャストで共有されていた一番のメインテーマは?

 秩序と混沌(こんとん)の差というのは、皆さん共通認識を持っていたんだろうなと思います。もちろん、エロスだったり、ちょっとセクシュアリティーな部分だったりというのは、肉体表現も多いし、見て分かるものなんですけど。でも、秩序、固定された宮殿と、そこから森に入った瞬間の差というか、それは稽古(けいこ)中も皆すごく意識はしていましたね。

 最初本を読んだ時に、よく分からなかったんですよ。隠語もすごく多いし、シェイクスピア作品だからというのもあると思うんですけど、何を意図して、何を意味しているんだろうというのが、すごく分からなかったんですね。だけど皆で少しずつ解釈を進めていくうちに、こういう取り方もできるし、こういう考えもできるし、解釈によって、全く違う方向に、アプローチができるというか、すごい広い本だなというのは、とても思いましたね。だからその秩序と混沌っていうのはすごく意識はしていたんだなと思いますね。

 --生々しいテーマに対して舞台上で演じる上で何かちゅうちょみたいなものはありますか?

 僕はなかったですね。でも、美しくは見えていたいなというのは頭にはありましたね。例えば僕が3幕でジェイクスともみ合うシーンがあったりして、ああいう時って、どうしても役としても男性同士の関係性じゃないですか。だけどジェイクスはそういう男性同士も全くいとわないような存在でもあるし、そういう時に、ただただそのエロスの部分が走りすぎてしまうと、ちょっとおなかいっぱいになっちゃうような気はしていて。だからもう一つ何か、エロスのほかに、肉体的な強さでジェイクスは求めてくる、僕は離れたい、そういうエネルギーのぶつかり合いというか、そういうエロスだけではない何かプラスアルファをきっと熊林さんは見せたかったんだろうなと思っています。多分、エロスだけだったら簡単にセックスをする行為を見せればいいだけなんですけど、そこにもう一つ、逃げる追いかける、このエネルギーのぶつかり合いだったりとか、それはきっと一番最初のエロスが発揮されていないレスリングのところとかでも、すごく動きだったりで見せてはいるんですよね。

 ちょっとハッとしてしまうような息をのむ感覚というか、僕は肉体を出す場面が多く、オーランドはすごく強さを持っている役だといわれてはいたので、やっぱりどこかその強さの裏打ちとして、体重も増やしたりはしたんですけど、まずそれがあって、その裏に見えてくる、エロスの部分、セクシュアリティーな部分というのは、すごく大事にしないといけないなと思いましたね。

 --満島さんとこのお芝居を作っていく中で、お互いの間で会話したことはありますか?

 本の話じゃないですけど、やっぱり僕らは解釈して分かっているんだけど、もちろん分かっていないところもありながら、こういうことなのかなというのを少しずつ進めていく中で、お客様は全く分からないよねっていう話に一度なったことがあったんですよ。

 もし「お気に召すまま」を知らない人が初めて作品を見た時に、きっと何を伝えたくて、こんな表現をしているというのが、もしかしたら伝わらないかもしれないよねという話になって。だから僕らがやっているから分かるけど、知らない人にもいろんな、全部は教えなくていいと思うんですけど、なんかこういうことなのかもしれないってかけらでも分かるように、せりふのやり取りだったり、体の使い方だったりを満島さんとは話しましたね。

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