俳優の堤真一さん、お笑いコンビ「ナイティナイン」の岡村隆史さんダブル主演の映画「決算!忠臣蔵」(中村義洋監督)が11月22日から丸の内ピカデリー(東京都千代田区)ほかで公開される。「忠臣蔵」に金銭面からアプローチした作品。赤穂事件が起きた当時と現代の蕎麦(そば)1杯の値段を基準に、吉良邸討ち入りまでにかかった費用を示しながら、堤さん演じる赤穂藩筆頭家老の大石内蔵助や、岡村さん扮(ふん)する勘定方の矢頭長助(やとう・ちょうすけ)らの奮闘ぶりを描いている。
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1701年、江戸城内で赤穂藩藩主の浅野内匠頭(阿部サダヲさん)が吉良上野介に斬りかかり、即日切腹。赤穂藩は取りつぶしになってしまう。内蔵助(堤さん)は幼なじみの長助(岡村さん)の力を借りて浅野家再興に必要な金、約800両(約9500万円)をかき集める。一方、浪人となった藩士たちは、吉良邸への討ち入りを勝手に計画し……というストーリー。
東京大学大学院教授の山本博文さんが、大石内蔵助の残した決算書を分析して記した「『忠臣蔵』の決算書」(新潮新書)を基に、「殿、利息でござる!」(2016年)や「忍びの国」(2017年)などで知られる中村監督が、自ら脚本を書き映像化した。堤さん、岡村さんのほか、濱田岳さん、「関ジャニ∞」の横山裕さん、妻夫木聡さん、石原さとみさんらが出演する。
長助たち勘定方が苦心してためた金を、浪士たちの生活費だ、江戸までの旅費だと使ってしまう内蔵助たち。両者のやりとりは愉快で、従来の「赤穂浪士」ものに見られるような悲壮感はまるでない。とりわけ傑作だったのは、江戸に集結した浪士たちが、吉良邸討ち入りの段取りをしたとされる「深川会議」の場面。それでなくても金は底をつきかけているのに、参謀の菅谷半之丞(妻夫木さん)の口から必要なものが出てくるたびに狼狽(ろうばい)する内蔵助には、何度も失笑させられた。
とはいえ主題は、やはり「赤穂事件」である。中村監督が「とにかく愚直に、可能な限り史実に忠実に」映像化した作品の余韻は、思いのほか深かった。(りんたいこ/フリーライター)
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