俳優の長谷川博己さん主演のNHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」(総合、日曜午後8時ほか)は、10月18日放送の第28回「新しき幕府」から「京~伏魔殿編」が本格的にスタートする。「信長はどんどん力をつけて強くなっていく中で、“全能感”といいますか、怖いもの知らずになっていきます。戦に勝ってみんなから褒められることがうれしいという点はこれまでと変わりませんが、自分の目標だけにまい進していきます」と明かす、織田信長役の染谷将太さんが今後について語った。
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10月11日放送の第27回「宗久の約束」で上洛(じょうらく)した信長。染谷さんは「演じていて一番感じたのは、光秀(長谷川さん)への信頼でした。光秀に言われたことをやって悪い思いをしたことがないので、光秀に対して絶大な信頼を置いています。また道三が『大きな世を作る』と言ったことに対して、信長自身も大きな世を作りたいという思いが強まり、更に上洛によって『大きな世を自分で作る』という大きな野望に向かっていったと思います」と話す。
一方で、信長が「少し前までは戦で仲間が死んで悲しいという感情もありましたが、今はそういう感情も欠けていっている気がします」とも感じていて、「これから、信長と足利義昭(滝藤賢一さん)との関係性が描かれていきますが、この2人は本当に正反対な考え方を持っています。信長には大きな目標がありますが、それは将軍のそばにいて、幕府を使わないと実現できないと分かっていて、義昭を利用しているという印象が現段階では強いです」と語る。
また、義昭に対しては「僕はずっと『信長はピュアな人間として演じています』と言い続けてきたのですが、滝藤さん演じる義昭を見て、はるかに恐ろしいピュアさを感じました(笑い)」といった印象を抱いていて、「戦のためのお金を見ても、『これで何人もの命が救える』と、キラキラした目でおっしゃるので、信長と義昭のピュアさの方向性は違いますが、義昭は恐ろしいほどピュアな将軍だと思いました」とも告白。
さらに「信長を演じるのはすごく楽しいです」と改めて実感する染谷さんは、「今回の信長は、分かりやすい悪役ではなく、一人の人間として丁寧に描かれています。ただ暴走するのではなく、そこにはちゃんと動機があり、過去のトラウマなどのさまざまな力が加わって、信長がどんどん止められない存在になっていきます。最後までちゃんと信長を全うしたいなと思います」と気を引き締めていた。
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