現在放送中の連続ドラマ「レッドアイズ 監視捜査班」(日本テレビ系、土曜午後10時)。本作で主演を務めるのが、人気グループ「KAT-TUN」の亀梨和也さんだ。これまでにも同局の“土ドラ”で幾度も主演を飾ってきた亀梨さん。本作を手がける尾上貴洋プロデューサーは、今回の起用理由について「30代になった亀梨さんで、ただのヒーローではない主人公を描きたかった」と語る。これまでの亀梨さんとは異なる役どころで抜てきしたワケや、現場で見る亀梨さんの演技、さらには登場人物の名前などに隠されたドラマの仕掛けについて聞いた。
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亀梨さんは、2005年の「野ブタ。をプロデュース」で同局の連ドラに初主演。いじめられっ子をプロデュースしていくクラスの人気者・桐谷修二を演じた。その後、2011年には大人気アニメを実写化した「妖怪人間ベム」で正義の心を持った妖怪人間のベム、2016年の「怪盗 山猫」では悪事を暴く天才怪盗・山猫など、ヒーロー色の強い主人公を担ってきた。
尾上さんは「日本テレビの土曜ドラマはスター性を強調したような作品が多く、亀梨さんはその枠を引っ張ってきた方です。今回はそこからさらに、30代半ばになった亀梨さんのまた新たな一面を見てみたいと思いました」と明かす。
そんな亀梨さんが今作で演じるのは、婚約者を殺害された過去を持つ元刑事・伏見響介。婚約者の事件がきっかけで刑事を辞めたが、神奈川県警に新設される特殊部隊「KSBC(神奈川県警操作分析センター)」に特別捜査官として加わることになる、という役どころだ。伏見は事件現場などに向かい、犯人の一番近くで事件解決のために奮闘していく。
尾上さんは「亀梨さんの違った一面を引き出したいと考えたときに、ただのヒーローではなく、大きな傷を背負いながらも前を向いていかなければならない主人公を描いてみようと。それから一人の大人としてチームをまとめていくリーダー的な存在を、亀梨さんで描きたかったというのも理由の一つです」と明かす。つらい過去を抱えながらも、現場で先陣を切る伏見というキャラクターは、亀梨さんがこれまで体現してきたスター性と新しさを融合させた人物像だといえるのではないだろうか。
伏見は優れた洞察力と行動力で事件を解決に導いていくが、婚約者の事件のことになると感情のコントロールがきかなくなるという一面も持っている。第1話では、犯人への怒りと憎しみから伏見が我を忘れて取り乱すシーンが描かれ、亀梨さんの迫真の演技に「すごい迫力」「引き込まれる」と圧倒される視聴者が続出。「せりふのない目だけの演技がすごかった」と、“目の演技”にも注目が集まった。
亀梨さんの演技について、尾上さんは「とにかく深くまで考えられている」と話す。「一人でいるときと、周りの人たちの中にいるときの感情表現の違いであったり、単純に悲しい、憎いというだけではなく、その加減についても自分の中で非常に細かく段階を作っていらっしゃいます」と明かす。
特に撮影当初は、監督やプロデューサー陣と相談をしながら、一つ一つ表情を作っていたといい、そういった細やかな役作りで生み出す芝居が、視聴者の心を引きつけているのだろう。
ドラマには伏見をはじめ、KSBCのメンバーとして島原由梨(松下奈緒さん)、長篠文香(趣里さん)、湊川由美子(シシド・カフカさん)、小牧要(松村北斗さん)、山崎辰二郎(木村祐一さん)らが登場。SNSではキャラクターの名字が「日本の合戦に由来しているのでは?」と話題になっている。また、劇中のパソコン画面などにKAT-TUNの楽曲名が映し出されるなど、さまざまな仕掛けで視聴者を楽しませている。こういった仕掛けを取り入れようと思ったきっかけについて、尾上さんに聞いてみた。
「名前に関しては、聞いたことはあるけど少し珍しい名前というのがポイントで、合戦の名前であれば、耳にしただけで潜在的に高ぶってしまうような感覚を与えられるんじゃないかなと思いました」と語る。楽曲名については他のスタッフとの会話の中で出てきたアイデアだといい、「それぞれのスタッフがドラマを盛り上げるために考えてくれています」と、抜群のチームワークからも生まれているようだ。
尾上さんは「みなさんの話題になるような仕掛けと、物語そのものに関わる仕掛けが別の軸であって。物語に関わる仕掛けも、1話からどんどん進化しているので、よく見ると気づくことが結構あると思います。ぜひ繰り返し見ていただけたらうれしいです」とアピール。さらに、「物語以外の仕掛けもいろいろと仕組んではいますが、それが表になるかは……(笑い)。細かいところにも注目していただいて、仕掛けを見つけつつ楽しんでもらえたら」と視聴者へのメッセージを届けた。
今後は、伏見が婚約者殺害の犯人とされる“青いコートの男”を追い詰めていく姿も見どころになっていくという。亀梨さんが“日テレ土ドラの主人公”として見せる新たな顔と、劇中に隠された仕掛けも楽しみながら、ドラマを堪能してほしい。
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