放課後カルテ
第10話(最終話) これからも健康でいてほしい
12月21日(土)放送分
俳優の吉沢亮さん主演の大河ドラマ「青天を衝(つ)け」(NHK総合、日曜午後8時ほか)に徳川家茂役で出演している磯村勇斗さん。家茂と言えば、13歳で江戸幕府第14代将軍の座に就いたプリンスとして知られ、正室・和宮(かずのみや、深川麻衣さん)に終生愛情を注ぎ続けたとされる人物だ。“13歳のプリンス”役のオファーを知らされたとき、「僕がやるんですか?」と確認したというが、役を演じていく中で、“和宮愛”あふれる家茂のせりふの数々に「ロマンチック」な響きを感じたという磯村さんに話を聞いた。
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磯村さんは、1992年9月11日生まれの28歳。一回り以上年下の“プリンス”を演じるということで、「『13歳を本当に僕がやるんですか?』と思わず確認してしまった」とオファーを受けたときの驚きを告白する。一方、「『無理に13歳にならなくてもいい』ということだったので、あどけなさとかがちょっと見えたらいいのかなという気持ちで演じていました。あとは、メークで若く見えたらいいなというところで……」と、“13歳”を演じる上で意識したことを振り返る。
家茂について、「本当に若い、まだまだ子供のころから将軍になって、21歳で亡くなってしまうんです。一生懸命に幕末の時代を背負って、いろいろな意見に流されてしまうのですが、和宮様を一筋に愛し、心が豊かで、気遣いができる将軍という印象です」と話す磯村さん。「威張ったり、怖い将軍というよりかは、どんな身分の人に対しても寄り添える、そんな将軍ができたらいい」と家茂役への思いを明かす。
一方、21歳という若さで亡くなる“悲運のプリンス”としても知られる家茂。磯村さんは、「可哀相だなとは思いました。いろいろな人の意見を取り入れないといけないし、すごくちぐはぐなことを言われたり。だから、苦しかったろうというのは演じていて思いました。だから甘党になってしまったのかもと思ったり(笑い)」と冗談まじりに印象を語った。
“プリンス”を演じる上でマスターしなければならないことの一つが「所作」。磯村さんは、所作を覚えることは「難しい」と率直な思いを吐露。「所作=制限と考えてしまう」と話す磯村さんは、「やりづらいと思ってしまう部分はあるんです」と振り返る。一方で、「意外と所作をやるためには、そのときの家茂の感情が一番大事だなと。だから全部所作も気持ちで乗り越えることができたらいいと思った」と“気づき”を告白。「難しかったんですけど、新しい発見もあって面白かったです」と声を弾ませた。
家茂が登場するシーンの注目ポイントについて聞かれると、やはり深川さん演じる和宮との“ロマンス”を挙げる磯村さん。「家茂と和宮様との2人のシーンは注目してもらいたいと思いますね。一番愛していた人なので、その2人の関係性を楽しみにしていただけたら」とアピールする。
深川さんとの共演シーンについては、「すごく温かな時間が流れていたという印象でした。深川さんとの呼吸が一緒になっていたような時間の流れ、お芝居の間を感じたりしたので。非常に見ていて心が苦しくなると思うんですけど、どこか『この2人が幸せであってほしい』と思えるようなシーンになったと思います」と振り返った。
また「あなたのことを考えてしまう」といった“和宮愛”あふれる家茂のせりふの数々について、「若いからこそ出てくる言葉なのかとも思ったし、本当に愛していたから出るんだろうなということも思いました」と語る磯村さん。「すごいロマンチックですよね。将軍なのに『あなたのことを考えてしまう』というのはものすごく愛のあるせりふだと、(台本を)読んでいても思いましたし、(せりふを)言っていても感じました」と振り返った。
続けて「政略結婚で出会ったものの、きちんと1人の女性として『愛したい!』という思いが家茂は強かったと思うんです。他の女性にも同じように好きになっていた訳ではなくて、本当に和宮様しか見ていなかったことを考えると、一途(いちず)に和宮様が大好きだったし、どこか心の支えにはなっていたと思うんです」と推測。「いろいろな人たちがいて、翻弄(ほんろう)されている中でも、家茂の精神がぶれないでいたのは、たぶん和宮様のおかげだと思っているので。存在は大きかったなと思っています」と結論づけた。
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