清原果耶と「朝ドラ」:芝居の“原点”「あさが来た」 視聴者からの要望で再登場 撮影では悔しくて涙も

清原果耶さん(2015年撮影)
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清原果耶さん(2015年撮影)

 女優の清原果耶さんが主演を務める2021年度前期の連続テレビ小説(朝ドラ)「おかえりモネ」が5月17日にスタートする。現在19歳で、10代女優のトップをひた走る清原さんのキャリアを語る上で欠かすことができないもの、それはやはり、過去に出演した2作の朝ドラだ。ここでは、清原さん自身が「芝居の原点」と位置づける2015年度後期の「あさが来た」を、当時のインタビューの発言などを交えて振り返りたいと思う。題して「清原果耶と『朝ドラ』」。

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 ◇女優としてドラマデビュー 当時、13歳の中学2年生

 「あさが来た」は、波瑠さん主演で2015年9月末から2016年4月頭まで放送された。京都の豪商の次女・今井あさ(波瑠さん)が大阪で炭鉱、銀行、生命保険などの事業を起こし、日本で初めての女子大学設立に尽力する姿などが描かれた。あさのモデルは“明治の女傑”といわれた実業家・広岡浅子。宮崎あおいさんや寺島しのぶさん、玉木宏さん、ディーン・フジオカさんも出演。朝ドラでは初めて幕末から物語がスタートした。

 清原さんは同作で、ヒロインらを支える奉公人のふゆとしてドラマデビューを果たしている。当時、13歳の中学2年生。「可愛い」との声が上がる一方、劇中で時に大人っぽい表情も見せ、早くも女優としての片りんをのぞかせていた。また、視聴者から要望を受け、ふゆの娘・ナツ役として再登場したことも話題となった。

 清原さんが演じたふゆは、はつ(宮崎さん)のお付きだったが、はつが嫁いだ山王寺屋が没落した後は、あさ(波瑠さん)が嫁いだ加野屋で働く。加野屋の番頭の亀助(三宅弘城さん)はふゆに恋しているが、ふゆは亀助をあまり意識しておらず、あさの夫・新次郎(玉木さん)に憧れを抱く……というような恋模様も描かれた。

 ふゆはその後、亀助と結婚。加野炭坑の現場責任者となった夫とともに九州に転居し、清原さんも一旦“退場”。ナツ役として再登場が決まった際には「『あさが来た』のキャスト、スタッフの皆さんにもう一度会えるということで本当にうれしいです。そして、今度は亀助さんとふゆの娘役を演じると聞いて、まさに“びっくりぽん”でした。道ならぬ恋をしたり、結婚したり、出産したり、母になったり、子になったりと本当にいろいろな経験をさせていただき、感謝しています。亀助さんとふゆが大事に育てたナツを、私なりに精いっぱい演じたいと思います」と語っていた。

 ◇レギュラー陣では最年少 撮影で特に印象的だったことは?

 当時、レギュラー陣では最年少。その頃のインタビューでは「撮影は大変ですけれど、共演者やスタッフの方に優しくしていただいています。毎日楽しいですね。三宅さんがアドバイスしてくださったり、波瑠さんは『リラックスしていいよ』と優しくしていただいています。波瑠さんには、ゴキブリのオモチャをそばに置かれたり、どっきりを仕掛けられることもあるんです……」と楽しそうに話す一方、演技がうまくいかず、悔しくて「泣いてしまうこともあるんです」とも明かしていた。

 撮影で特に印象的だったこととして、「宮崎あおいさんとの演技で、宮崎さんのお芝居を見て、泣いちゃいそうになったけれど、こらえました。宮崎さんのせりふ、間、空気感から伝わってくるものがあったんです」と感動した様子で語っていた清原さん。また当時、憧れの女優として、所属事務所の先輩の吉高由里子さんの名前を挙げ、「吉高さんは役に入り切っていながら、自分らしさも出しています。吉高さんが出演されている舞台を見に行ったとき、あいさつをさせていただいたのですが、テンションがおかしくなって、震えてしまいました」と初々しさものぞかせていた。今から6年ほど前の話だ。

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 「おかえりモネ」は第104作の朝ドラで、「コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON」(フジテレビ系、2017年)や「透明なゆりかご」(NHK、2018年)、「きのう何食べた?」(テレビ東京系、2019年)と話題作を次々と手掛ける脚本家の安達奈緒子さんによるオリジナル作品。

 「海の町」宮城県・気仙沼に生まれ育ち、「森の町」同県の登米(とめ)で青春を送るヒロイン・永浦百音(ももね、清原さん)が、気象予報という「天気」にとことん向き合う仕事を通じて、人々に幸せな「未来」を届けていく、希望の物語となる。

 5月17日からNHK総合で毎週月~土曜午前8時ほか(土曜は振り返り回)で放送される。

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