放課後カルテ
第7話 お前が学校に来ようが来まいがどうでもいい
11月23日(土)放送分
1月9日にスタートする2022年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(NHK総合、日曜午後8時ほか)で主演を務める俳優の小栗旬さん。大河ドラマ出演は8作を数えるが、主人公を演じるのは今回が初めてとなる。のちに鎌倉幕府の二代執権となる北条義時役として挑んでいる日々の撮影について、「意外とやってみると、そんなに普段とは変わらないことなのですが、ただやっぱり道のりが長いので、なかなか大変だなと思うことは多い」という小栗さんが、役どころを通じて感じた“大河主演の醍醐味(だいごみ)”を明かした。
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「鎌倉殿の13人」は、源頼朝にすべてを学び、武家の世を盤石にした男、鎌倉幕府の二代執権・北条義時が主人公。脚本は、2004年の「新選組!」、2016年の「真田丸」に続き3度目の大河ドラマ執筆となる三谷幸喜さんで、野心とは無縁だった若者は、いかにして武家の頂点に上り詰めたのかを描く。
6月9日のクランクインから約半年が経過した。
「撮影現場に大きな変化はないです。半年間ずっとやってきた中で、徐々に積み上げてきた関係性だったり信頼だったりが、どんどん現場を良くしていっているという感覚はありますが、大きくガラッと『こういう変化があった』っていうことはあまり感じてないかもしれません」
また小栗さんは、長期間ほぼ毎日撮影をしているので、「不思議な感覚」が自分の中に生まれたという。
「まだまだ全然ゴールは見えないですし、それでいてもう半年も撮影している。仕事をしに行っているっていう感覚とはまたちょっと変わってきているというか、本当に生活の一部みたいになってきて。『なるほど、こういうことをライフワークというのかな』みたいな感じ。でも居心地はものすごくいいです」
主演として現場の雰囲気作りは「今回はまったくしてない」とした上で、「やっぱりそれぞれいろいろなところで(主演として)自分の現場を持たれてきた方たちが集まっているので、『俺が引っ張って、こんな現場にするぞ』とか本当にしなくていいから、すごく楽で助かっています。僕も居たいように居て、したいように芝居をさせてもらっているので、本当に居心地良くやらせてもらっている感じですかね」と語った。
演じる北条義時は、田舎の平凡な武家の次男坊だったが、姉・政子が源頼朝の妻となり状況が一変。頼朝の右腕として、一癖も二癖もある坂東武者たちの間を奔走する……。役どころの印象について聞くと、小栗さんは「これが難しいんですよ」と本音をぽつり。
「自分の置かれている立場にそんなに不満がなく、戦とかにもあまり興味がなくて、それこそ米蔵で、米の勘定をしていることが楽しいみたいな青年が、平家に虐げられ、兄の宗時を筆頭に源氏として立ち上がらなければならないということで巻き込まれてしまう。ただ、そこからはひたすら頼朝の横でいろいろな政治のあり方みたいなものを見てきて、だんだん清濁併せのんで、ものすごく計算高い人になっていく。そこは歴史劇としては非常に面白いところなのですが、義時を演じている自分としては、あんなに真っすぐだった彼が、いろいろなことを考え、少しずつ少しずつ一族、家族を守るために、『こうせざるを得なかった』ということに徐々に徐々に手を染めていくことが、悲しく感じるというか」
約半年の撮影でここまで、義時の10代から20代前半くらいまでを演じてきたという小栗さん。
「ハタチから25(歳)ぐらいが、義時にとって大きな変化が生まれているところなので、この辺の機微というのがやっぱり難しい」と認めつつ、「そうすると日々、役のことを考えているから、自分が義時なのか、義時が自分なのかよく分からなくなってくる、みたいなことを経験させてもらえて。大河ドラマで主役をやらせてもらっている醍醐味だなとは思っています」と前向きに捉えていた。
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