舞いあがれ!:長崎・五島列島で幼なじみ3人が集結「大瀬埼灯台」ロケ秘話 「絆が深まるさまをリアルに体感」

NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」第33回の一場面 (C)NHK
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NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」第33回の一場面 (C)NHK

 女優の福原遥さん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「舞いあがれ!」(総合、月~土曜午前8時ほか)。第7週(11月14~18日放送)では、幼なじみの貴司(赤楚衛二さん)を追って、舞(福原さん)と久留美(山下美月さん)が長崎・五島列島の福江島にある大瀬埼(おおせざき)灯台を訪れるシーンが登場した。夕日の美しさが有名だという大瀬埼灯台の展望所でのロケについて、制作統括の熊野律時(くまの・のりとき)さんに聞いた。

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 ◇困難を極めたロケ

 大瀬埼灯台は、福江島の最西端、九州本土で最も遅い時間に夕日が沈む場所にあり、海に突き出た断崖絶壁の上に建っている。「日本の灯台50選」に選ばれており、灯台周辺にある展望台からは、晴れた日には東シナ海に沈む夕日を眺めることができるという。

 熊野さんは、「大瀬埼灯台は、台本を作っている段階から貴司が行く場所だという構想はありました」と明かす。

 「やっぱり物語の大きな節目になる場所として、悩みの中にある貴司が行ってみたいと思える場所、何かこれまでと違う自分に出会えるんじゃないかと思って行く場所という意味で、大瀬埼灯台は、五島の中でもとりわけ唯一無二の場所なのかなと思いました」と語る。

 だが、撮影は困難を極めた。まず、大瀬埼灯台にたどり着くには、駐車場から遊歩道を歩いて、行きは下り坂のため約20分、帰りは上り坂で約40分と、往復1時間はかかる。

 地元の人に聞くと、「大瀬埼灯台で撮影するの? 大変だよ」と言われたといい、熊野さんは「まず行くのが大変な場所で、スタッフは機材を持って山道のような遊歩道を歩いていくのも大変でしたし、展望所にはトイレがないので、着いたら着いたで撮り切るまで頑張って撮り続けなければならなかった」と苦労を語る。

 舞と久留美が展望所への階段を駆け上がって貴司のところに行き着くシーンでは、「あそこはとても急な階段なので、福原さんも山下さんもハアハア言いながら演じていました。でもそうやって必死に貴司のもとに駆けつけたことで、3人がお互いにかけがえのない存在だということを強く感じられるシーンになった」と手応えを感じたようだ。

 映像的には、「ロケは大変だったんですけれど、撮影日は見事に一日中晴れて、映像でご覧いただけた通り、ドローンも駆使して、あれだけのきれいな海に沈む夕日を撮影することができた。撮影的に恵まれていました」と運を味方につけられた。

 演技的にも「五島の一番端の方で、こんなところまで来た貴司と追いかけてきた2人が集い、それぞれ、どんなことを感じながら今を生きて、どういう節目を迎えているかを話しながら、三者三様に受け止め、新たな出発となる。より3人の絆が深まっているさまをお三方にも、よりリアルに深いところで体感していただけた」と充実感をにじませる。

 熊野さんは、「3人はロケバスの中でも楽しそうでしたし、本当に仲良しで、幼なじみのような絆が、よりこの五島ロケで深まったのかなと感じました」と明かした。

 第7週は、熊野さんいわく「舞が新しいステージに入っていく大きな節目の週。前半戦の大きな区切り」となった。今後、難関の航空学校に入学し、旅客機のパイロットを目指すヒロイン・舞のさらなる成長を見守りたい。

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