良いこと悪いこと
第8話 7人目、だーれだ?
12月6日(土)放送分
のんさんが主演を務めた、2013年度前期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「あまちゃん」。8月28日からNHK・BSプレミアムで再放送されている第22週「おらとママの潮騒のメモリー」では、アキ(のんさん)がヒロインをオーディションで射止めた、鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子さん)のデビュー作のリメーク映画「潮騒のメモリー~母娘(おやこ)の島」の内容が、鉄拳さんの描いたアニメーションで紹介された。そこで語られた映画の舞台やストーリー、おもな場面などを解説する。
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「潮騒のメモリー~母娘の島」は、1986年に製作された「潮騒のメモリー」の25年ぶりのリメーク作という設定。
前作でヒロインを務めたひろ美が母となった同役を演じ、アキが17歳になった娘の“鈴鹿アキ”を演じている。
舞台は太平洋に浮かぶ架空の離島、鈴鹿島。ストーリーは、鈴鹿島に伝説の海女、ひろ美が数年ぶりに帰ってきたところから始まる。
夫と共に島に残した一人娘のアキは17歳になっていた。母と娘は感動の再会を果たす。ひろ美の夫、新助は山火事ですでに命を落としていた。
さらなる数々の不幸が2人に襲いかかる。夫の残した借金、村人のうわさ話、執拗(しつよう)な嫌がらせ、60年に1度の巨大台風、120年の1度の大飢饉(ききん)、4年に1度の盆踊り。鈴鹿山の噴火、突然現れるイカ釣り船の漁師トシヤ、そして、母ひろ美の体を蝕(むしば)む流行(はや)り病……。アキは母の病気の治療のため、単身東京へ向かう……と展開する。
撮影は1カ月半に及んだいう。オープニングは日の出の場面。撮影初日はひろ美のあいさつが長過ぎて、日の出のシーンが撮れず、後日撮影した際には、遠くから近づいてくる連絡船の突端にひろ美が立っている場面があった。アキは「鈴鹿さんがいるだけで、目の前の風景が映画になる」と、思わず「かっけー」と言ってしまい、“太巻”こと荒巻太一監督から「『かっけー』じゃねえよ、『お帰り、母ちゃん!』だろ」と怒られていた。
撮影2日目には病床の母に駆け寄るクライマックスシーンを撮影。「来てくれたか」というひろ美に、大きな荷物を持ったアキは「うん。でも、すぐ行かねえと。連絡船が出るんだ」といい、「あの男と一緒に行くのか」と尋ねるひろ美に、アキは「おら一人で生きていく。母ちゃんのように強え女になる。母ちゃん、親孝行できなくてごめんなさい」と語る。「母ちゃん、親孝行できなくてごめんなさい」はオーディションの1次審査で使われたせりふだった。
アキは、相手役「イカ釣り船の漁師トシヤ」を演じる“前髪クネ男”ことTOSHIYA(勝地涼さん)とのラブシーンにも臨んだ。
TOSHIYAとのラブシーンは中盤の山場。素潜りの練習をしていたアキは沖に流され、たまたま通りがかったイカ釣り船の漁師トシヤに助けられる。2人は廃屋となった網小屋で夜を明かす。以前からアキを思い続けていたトシヤは、たき火の前で愛の告白をする……。
アキが「おらのことが好きなら、この火、飛び越えて来い」というと、トシヤは「アキー」と飛び越え、アキの肩を抱いて「貪(むさぼ)るような接吻(せっぷん)」をする……と展開する。
TOSHIYAはダンスチーム「ZOO STREET BOYS」のメンバーで若者を中心に人気があるといい、終始前髪を気にしながらチャラい雰囲気を醸し出していた。腰につけたチェーンをじゃらじゃらいわせながら腰をクネクネさせているTOSHIYAを見て、アキは「いけ好かないダンス野郎です」という印象を持ち、「“前髪クネ男”と呼ぶことにしました」と命名。「こいつとキスすんのか……」と不安になっていた。
硬い表情のアキに、TOSHIYAはテストのときは「思い切り行っちゃっていいですか?」と「がっついて」本気でキスしようとしたにもかかわらず、本番になると「ファンを裏切りたくない」と急に「キスシーンをやりたくない」と言い出す。結局カメラの角度などでなんとかごまかして、キスしたように撮影した。
前作「潮騒のメモリー」は、80年代のアイドル映画として大ヒット。同名の主題歌は60万枚のヒットとなったとされていた。そのリメーク作「潮騒のメモリー~母娘の島」は“中ヒット”だったとされ、主題歌は前作のカバーを、ひろ美の影武者だった春子(小泉今日子さん)の指導のもと、アキが歌った。
「あまちゃん」は、岩手県の架空の田舎町・北三陸市や東京を舞台に、内気で引きこもりがちだった主人公のアキが、海女やアイドルとして活躍しながら成長する姿を描いた。再放送は、BSプレミアムとBS4Kで毎週月~土曜の午前7時15分からデジタルリマスター版を放送。毎週日曜午前9時から1週間分の6話をまとめて放送。
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