ばけばけ:第2回の注目度 ピークは午前8時11分の68.6% ヒロイン“トキ”演じる子役の魅力に視聴者クギヅケ?

連続テレビ小説「ばけばけ」のロゴ (C)NHK
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連続テレビ小説「ばけばけ」のロゴ (C)NHK

 高石あかりさん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ばけばけ」(総合、月~土曜午前8時ほか)の第2回(9月30日放送)で、テレビの前の視聴者を最も引き付けた場面はどこだったのだろうか? テレビの前の視聴者が画面にクギヅケになっていた程度を示す「注目度」(REVISIO社調べ、関東地区、速報値)の1分ごとの推移を調べたところ、最高値は午前8時11分の68.6%だった。

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 「ばけばけ」は113作目の朝ドラ。ヒロインの松野トキと、その夫となるレフカダ・ヘブンのモデルは、松江の没落士族の娘、小泉セツと、「怪談」などの著作で知られるラフカディオ・ハーン(小泉八雲)だ。ドラマの中では大胆に再構成し、登場人物名や団体名などは一部改称してフィクションとして描くという。

 ◇雨清水家の北川景子、堤真一が初登場!

 ヒロイン、トキ(福地美晴さん)の松野家は、父・司之介(岡部たかしさん)が明治の世になっても、武士の誇りが捨てられず、働くことができない状態が続く。第2回は、小学校で将来の夢を聞かれたトキが、親友の野津サワ(小山愛珠ちゃん)の答えに影響され、教師を目指したいと言い出したことで広がる余波が描かれた。

 トキは、お茶の稽古(けいこ)をつけてもらうため親戚の雨清水家を、母のフミ(池脇千鶴さん)と訪問。大勢の女中たちに囲まれ何不自由なく暮らす雨清水タエ(北川景子さん)と、夫の傳(堤真一さん)が初登場した。

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 テレビ画面の前にいる人のうち、画面を実際に注視している人の割合を調べた「注目度」は、何度か乱高下しながら、大きな“山”を2度作った。ただ、その“山”は、第1回で最高値だったオープニングでも、タエや傳の印象的な登場シーンでもなかった。

 最初の“山”は、ドラマ開始から徐々に上昇し、迎えた午前8時3分の67.5%。松野家の夕食中、トキが「お話があるのですが」と家族に切り出すと、「先生」と書かれた半紙を手に「私、小学校の先生になろうかと」と宣言する。「なんじゃい、やぶからぼうに」と言っていた司之介だったが、次のトキの言葉でぐうの音も出なくなる。

 「そげしたら、父上も、おじじ様も武士のままでいられますでしょ。もう少々お待たせしますが、がんばりますけん、ずっと武士でいてごしなさい」

 ここまでが午前8時3分台。4分台で、「なるほど、よき娘に育ちましたねえ」とつぶやくフミの反応などがあって、オープニングに入る。

 ◇最高値は午前8時11分の68.6% 「『あげな』父上がただいまー」

 次の“山”は、第2回の最高値、午前8時11分の68.6%と、続く12分の68.2%。雨清水家で、まげを落とし、ざんぎり頭で商売を始めると言い出した傳の姿を見たトキが、帰宅後、母のフキと話し始める場面だ。

 「おじさまのような父上がよかったなあ」。雨清水家から頂いたお菓子を食べながら話すトキ。「くれぐれも父上の前で口にするんじゃありませんよ」とフキにたしなめられるが、「おじさまはあまりにステキ。なして、うちの父上は何というか、あげな、あげな……」とぼやいているさなかに、司之介が帰ってくる。「ただいま帰りました。あげな父上がただいまー」。そんなコントのような、楽しい家族の一場面がこの日の最高値だった。

 12分台は、傳がまげを落とし商売を始めると、フミから聞き、驚く司之介。「でも、お気になさらないでごしなさい。おじさまはおじさま、父上は父上でございますけん。どうか武士をお続けになってごしなさい」。そんな、何気ないトキの一言が司之介にはグサッと刺さったのだろう。司之介のある行動へとつながっていく。

 2度の“山”の共通点は、トキを演じる子役の福地さんの、ハキハキとしたセリフ回しが生きた場面ということだろうか。福地さんは、大阪府出身の10歳。2023年のミュージカル「ミュージカル『SPY×FAMILY』」でアーニャ役の一人を務めたぐらいで、演技の経験はまだ少ない。それでも、登場シーンではしっかり物語の展開を引っ張っていっている。「そげな」や「ごしなさい」などの出雲弁も方言も、かわいらしさを増している。

 両方の場面とも、クスクス笑わせると同時に、子供らしい発言の一言一言が、父の司之介の背中を確実に押していくさまがありありと伝わってくる感じがした。視聴率の獲得には昔から、「動物」「子ども」「グルメ」を取り上げるといいなどと言われるが、子役の魅力が十二分に生かされた第2回だった。

 活用したデータは、関東の2000世帯、関西の600世帯で番組やCMの視聴状況を調査しているREVISIO社が公表している独自指標の「注目度」。人体認識センサーを搭載した専用機器でテレビ画面に視線を向けているかを常に計測し、テレビの前にいる人のうち、番組を注視していた人の割合を算出している。(文・佐々本浩材/MANTAN)

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