ばけばけ:第33回の注目度 最も視聴者の視線をクギヅケにした「午前8時1分」に何があった?

連続テレビ小説「ばけばけ」のロゴ (C)NHK
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連続テレビ小説「ばけばけ」のロゴ (C)NHK

 高石あかりさん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ばけばけ」(総合、月~土曜午前8時ほか)の第33回(11月12日放送)で、視聴者を最も引き付けた場面はどこだったのだろうか? テレビの前の視聴者が画面にクギヅケになっていた割合を示す「注目度」(REVISIO社調べ、関東地区、速報値)の1分ごとの推移を調べたところ、最高値は午前8時1分の70.2%だった。

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 「ばけばけ」は113作目の朝ドラ。ヒロインの松野トキと、その夫となるレフカダ・ヘブンのモデルは、松江の没落士族の娘、小泉セツと、「怪談」などの著作で知られるラフカディオ・ハーン(小泉八雲)だ。ドラマの中では大胆に再構成し、登場人物名や団体名などは一部改称してフィクションとして描くという。

 ◇最高値の午前8時1分はヘブンの「ゴクロウサマ」

 第33回は、ヘブン(トミー・バストウさん)宅で働き始めたトキ(高石さん)の女中初日の夜の場面から。前日の第32回の終盤は、ついにヘブンと2人きりになったトキが恐怖心を抱えながら隣室で待機していた。ヘブンのペンの音が書斎から聞こえている間は大丈夫、永遠にペンの音が続いてほしいと祈っていると、ペンの音は止まり、ヘブンがトキに「シジミサン……」と声をかけてきたところで終わっていた。

 テレビの前の視聴者のうち、画面に視線がクギヅケになっていた人の割合を示す、第33回の「注目度」は、やや低調だった。この日の最高値は、冒頭午前8時1分の70.2%で、70%超はこの1回のみ。中盤~後半に2回、小ぶりな“山”ができたが、ともに68~69%どまりだった。

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 冒頭の午前8時1分台は、「シジミサン……」とヘブンが声をかけてきた後の場面。緊張と恐怖心でガチガチのトキがヘブンの部屋に一歩一歩進み、ヘブンの前に立つ。「ゴクロウサマ」。ヘブンはそう一言、言い残すと移動し始める。「えっ」と声を漏らしたトキに、「キョウ、オワリ」と言うと、玄関を指さし「イキマショウ」。きょうはこれで帰っていいということだった。

 前日のラストから、視聴者の一番の気がかりだった懸念点が解決した瞬間が、視聴者の視線を最もくぎ付けにした場面だった。

 ◇借金取り、銭太郎が再び襲来 注目度もアップ

 ちなみに中盤以降の“山”の一つは午前8時7分の68.7%。前半はトキが借金取りの銭太郎(前原瑞樹さん)を追いかけ、家族の見ていない場所で借金を返す場面で、後半はタエ(北川景子さん)と三之丞(板垣李光人さん)が僧侶から握り飯を恵んでもらうあたり。次第に注目度が高まっていった午前8時5分から7分は、トキが帰宅したところに、銭太郎が松野家に押しかけてきた場面のため、借金取りと松野家とのやりとりが視聴者の関心を集めたということなのだろう。

 もう一つの“山”は、女中の仕事で買い物を頼まれたトキが街を歩いていると、三之丞にお金を渡しているにも関わらず、タエがいまだに物乞いをしている姿を目撃してしまい、絶句する場面に当たる午前8時14分(69.1%)だった。

 活用したデータは、関東の2000世帯、関西の600世帯で番組やCMの視聴状況を調査しているREVISIO社が公表している独自指標の「注目度」。人体認識センサーを搭載した専用機器でテレビ画面に視線を向けているかを常に計測し、テレビの前にいる人のうち、番組を注視していた人の割合を算出している。(文・佐々本浩材/MANTAN)

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