お笑い芸人のバカリズムさんが、2027年度前期のNHK連続テレビ小説（朝ドラ）「巡（まわ）るスワン」で脚本を務めることが11月21日、分かった。同日、東京・渋谷のNHK放送センターで行われた会見に出席したバカリズムさんは、オファーを受けた心境や、執筆にあたっての意気込みを語った。

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　連続テレビ小説第116作となる「巡るスワン」は、現代の長野県が舞台。刑事に憧れ警察官となった主人公が“生活安全課”に配属され、どこにでもある日常を過ごす中で、“何も起こらない日常を守る”という道を見つけるまでを描く、ヒューマンコメディー。森田望智さんが主演を務める。

　NHKドラマ初執筆となるバカリズムさんは「警察署が舞台なんですが、よくドラマの題材にされている刑事課とかではなくて、生活安全課という部署。聞いたところによると、今までほとんどドラマの題材になったことがないらしくて。警察署の中で唯一、事件を未然に防ぐ部署なので、ドラマになるような事件が起こりづらい。というか、起こらないことが成果なので、なかなかドラマにされたことがないということで。僕はそこに非常に魅力を感じました」と題材を決めた理由を明かした。

　昨年の夏前にオファーを受けたといい、「長期間にわたってたくさんお話を書かなければいけないので、僕は普段バラエティ番組とか出たりしていますので、そのスケジュールの中でこれはちょっと厳しいんじゃないかみたいな感じではあった」と振り返る。

　しかし「こんなチャンスなかなかないですし、僕にオファーが来ること自体、そして芸人が朝ドラの脚本を書くという現象が面白いな」と思ったといい、「せっかくなのでやらせていただきたいなというふうに思いました」と執筆を決意した理由を明かした。

　オファーを受けてからは、ドラマの設定をたくさん提出したという。バカリズムさんは「ちょっとファンタジーな設定だったりとか、いろんな設定を何十個も。でも半年持たせるってなかなかしっくりこなくて、10話とかだったら突飛な発想や、ファンタジーな設定でやれるんですけど、半年は初めての経験なので。なんやかんやいろいろあって、最終的に日常を描こうと着地しました」と説明した。

　執筆は年明けから始める予定といい、「気を付けたいことは締めきり厳守です。僕が演者側として、台本が遅れて困らされることがこれまでもありましたし、そういう現場は脚本書いてる人ってすごい悪口言われたりするんですよ。それを目の当たりにしているので、こんなこと言われるんだったら絶対締めきり守ろうと思いました」と話し、会場を笑わせた。

　制作統括の桑野智宏さんは「毎朝笑って明るくなれるドラマがいいなというのが、私が制作することが決まったときにまず思ったことで、自然とバカリズムさんが浮かんできて。バカリズムさんの作風を見ていると、過去の作品ではタイムリープとか宇宙人とか、SF的なところに目が行きがちですけど、その中にある日常を面白く描いていらっしゃって、目指す方向と、朝ドラという枠と非常にマッチングがいいんじゃないかなと考えてオファーさせていただきました」と起用理由を語った。