ばけばけ:トキが“ランデブー”で訪れた清光院 劇中に繰り返し登場するワケ「同じ場所で描くからこそ対比が際立つ」

連続テレビ小説「ばけばけ」第50回の一場面(C)NHK
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連続テレビ小説「ばけばけ」第50回の一場面(C)NHK

 高石あかりさんがヒロインを務めるNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ばけばけ」(月~土曜午前8時ほか)。第50回(12月5日放送)では、トキ(高石さん)と小谷(下川恭平さん)が、清光院(島根県松江市)を訪れるシーンが描かれた。劇中でたびたび清光院が登場する意図や、このシーンの裏側について、今作で制作統括を務める橋爪國臣さんに聞いた。

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 ◇清光院は「怪談を感じられる場所」

 トキが清光院を訪れるのは、3回目。傳(堤真一さん)との“ランデブー”(第7回)、銀二郎(寛一郎さん)との見合いの後に、2人で散歩したのも清光院だった。

 橋爪さんは「怪談がトキちゃんの趣味なので、怪談を感じられる場所はちゃんと作りたいと思っていました。それで清光院が舞台のシーンを作りました」と話す。

 「基本的に3回とも話がつながっています。怪談好きのトキを励まそうと最初に清光院に連れてきたのは傳さんで、銀二郎がトキを散歩に誘うのも、その傳さんの思いと重なる話でもあります。逆に小谷は怪談に全然興味がない人なので、興味があった銀二郎との違いを描いています。トキは銀二郎とは結婚したけれど、小谷とは一緒にならないという対比です。新しい場所だと『どこだろう?』が先に出てしまうので、同じ場所で描くからこそ対比が際立ちます。だから、清光院で撮影しました」

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 松江にはたくさんの怪談が残っているが、ヘブン(トミー・バストウさん)のモデルとなった小泉八雲は、清光院を舞台にした怪談を文章に残していないという。

 橋爪さんは「(トキのモデルの)セツさんと一緒に行ったかどうかの記録も文章に残っていないので分からないんです」と説明する。

 「あの辺りのいろいろな場所を訪れていたようなので、もしかすると行ったのかもしれないですが、少なくとも文章には残していません。松江の有名な怪談なのに、文章に残っていない数少ない場所なんです。だから、トキはヘブンとは行かないけれど、他の人とは行っているという場所になるのもいいかなと。そういうことも考えながら、清光院を選びました」

 ◇小谷が勘違い トキとの“ランデブー”シーンの裏側

 第50回では、トキを連れて清光院を訪れた小谷。トキが怪談好きだと聞いてから怪談を読んでいたが、全く面白さが理解できなかったという。小谷はトキに「おトキさんには大変申し訳ないですが、時間の無駄です」と言い放つ。トキが怪談について「でも私は、好きだけん。大好きだけん」と話すと、自分への告白と勘違いした小谷は「お気持ちはうれしいんですが……ごめんなさい」と頭を下げて立ち去った。

 この場面を振り返り、橋爪さんは「現場では『小谷ひどいヤツだな(笑)』と言いながら撮影していました」と明かす。

 「我々もプロットは作っていましたが、脚本のふじきみつ彦さんが書いてきたエピソードになります。勘違いで別れるような、『いや、お前かよ』とツッコミができる、ジメッとならないあっけらかんとした感じがふじきさんらしいですし、すごく面白いなと思いました」

 現場では、小谷役の下川さんはじめ、みんなで笑いながら撮影していたという。

 「清光院は本当にロケ地として、すごく気持ちいい場所なんです。緑に囲まれていて、携帯の電波も全く入らなくて、駐車場から10分くらい山を歩かなきゃいけなくて。山の中にある隔離された場所なんですけど、そこでみんなで自由にガヤガヤしながら撮れてすごく楽しい現場でした」

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NHK連続テレビ小説「ばけばけ」の人物紹介図 (C)NHK
NHK連続テレビ小説「ばけばけ」の人物紹介図 (C)NHK
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NHK連続テレビ小説「ばけばけ」の人物紹介図 (C)NHK
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