ばけばけ:男同士の“秘密の対話”が続いた第117回 視聴者が最もクギヅケになったのはどの場面? 注目度データで振り返る

連続テレビ小説「ばけばけ」のロゴ (C)NHK
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連続テレビ小説「ばけばけ」のロゴ (C)NHK

 俳優の高石あかりさん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ばけばけ」(総合、月~土曜午前8時ほか)の第117回(3月17日放送)で、視聴者を最も引き付けた場面はどこだったのだろうか? テレビの前の視聴者が画面にクギヅケになっていた割合を示す「注目度」(REVISIO社調べ、関東地区、速報値)の1分ごとの推移を調べたところ、最高値は午前8時9分の69.7%だった。

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 「ばけばけ」は113作目の朝ドラ。ヒロインの松野トキと、その夫となるレフカダ・ヘブンのモデルは、松江の没落士族の娘、小泉セツと、「怪談」などの著作で知られるラフカディオ・ハーン(小泉八雲)だ。ドラマの中では大胆に再構成し、登場人物名や団体名などは一部改称してフィクションとして描くという。

 ◇ヘブンはなぜ、ミルクホールへ?

 なぜか帝大に行かず、ミルクホールで過ごすヘブン(トミー・バストウさん)。第117回はヘブンが一体、そこで何をしているのか、明らかになる。

 ヘブンが実はミルクホールに通い詰めているとは思いも知らないトキ(高石さん)や家族たちだったが、司之介(岡部たかしさん)だけは、ヘブンの様子に違和感を覚えていた。そして、いつものようにミルクホールで時間を潰すヘブンの前に、司之介が現れる。「同じ”匂い”」を感じたと司之介は話し始める。15分間の大半が司之介とヘブンの会話というちょっと異色の回だ。

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 テレビの前の視聴者のうち、画面を注視していた人の割合を示す「注目度」は、序盤はやや低めでスタートしたが、オープニング明けの中盤からは60%台後半で推移。前日のように、70%台に乗る時間はなかったが、視聴者の関心はほぼ引き付け続けたといえる。

 ◇ミルクで乾杯する午前8時9分がピーク

 主題歌が流れるオープニングが午前8時3分台半ばに終わると、注目度は午前8時4分に64.5%、午前8時5分には68.1%とうなぎのぼりに上昇した。午前8時4分台は、ヘブンが自宅で出勤の準備をしている場面で、午前8時5分台は出勤途中で方向を変え、ヘブンがミルクホールへと向かう様子が描かれた。その後は、60%台後半で小幅に上下しながら最後まで推移した。視聴者もヘブンがなぜ、ミルクホールにいるのか、気になったのだろう。

 ミルクホールで深刻な表情で手紙を読んでいたヘブンの前の席に、突然、司之介が座ったのが午前8時7分(67.8%)。注目度は緩やかに上昇し、午前8時9分に、この日の最高値69.7%を記録した。司之介のもとにもミルクが届き、2人がミルクで乾杯するあたりからが午前8時9分台だ。

 乾杯直後に、ミルクを口にした司之介がその熱さに慌てるという、司之介らしい“くすぐり”はあるが、実は午前8時9分台は本題に入る前の世間話的な会話が続く。牛乳配達をしていたことがある司之介は、松江のミルクもうまかったが、東京のミルクもうまいと言い、今は松江にもこうしたミルクホールがあるのだろうか?とヘブンに尋ねる。「どうでしょう」と答えるヘブン。ある意味、実にリアルな会話だ。

 ◇「いいな、義理の息子。よいな、昔のわし」

 ただこの展開に視聴者は耐えかねたのか、続く午前8時10分から注目度はやや下がっていく。ちょうど、司之介が“自分の話”として、時代が明治になり、武士が仕事を失った頃の体験を語るあたりだ。「同じ”匂い”」を感じたという司之介は、ヘブンが今置かれている状況を何か感じ取ったのだろう。

 「自分は何も変わっちょらんのに、時代から、この世から『いらん』『古い』。そげなこと言われるのはつらいもんでの」

 その言葉を聞いたヘブンが、東京帝国大学をクビになったことを打ち明けるのが午前8時12分台で、67.8%とやや高くなる。

 エンディング前の午前8時14分台も68.6%と注目度が上昇したが、ここは少し楽しい会話の場面。司之介は「きょうのことは口が裂けてもしゃべらん」と約束するが、うなずきながらも、やや疑い深い視線を向けるヘブンに、司之介は「しゃべる、思ちょるだろ」と軽く突っ込む。その上で「安心して、仕事を見つけ、ベストセラーを書け」とヘブンを励ます。この後の司之介の一言がいい。

 「いいな、義理の息子。よいな、昔のわし」

 今まで頼りない、トラブルメーカーの一面ばかりが描かれてきた司之介だが、今回は厳しい現実に直面するヘブンにそっと寄り添う。初めて父親らしい面が描かれた第117回だった。

 活用したデータは、関東の2000世帯、関西の600世帯で番組やCMの視聴状況を調査しているREVISIO社が公表している独自指標の「注目度」(関東地区、速報値)。人体認識センサーを搭載した専用機器でテレビ画面に視線を向けているかを常に計測し、テレビの前にいる人のうち、番組を注視していた人の割合を算出している。(文・佐々本浩材/MANTAN)

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