17年大河ドラマ:主人公の直虎って誰? ゲームファンには知られた異色の“おんな城主”

2017年の大河ドラマ「おんな城主 直虎」で主演を務めることが決まった柴咲コウさん
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2017年の大河ドラマ「おんな城主 直虎」で主演を務めることが決まった柴咲コウさん

 女優の柴咲コウさんが、2017年の大河ドラマ「おんな城主 直虎」の主演を務めることが25日、分かった。柴咲さんが演じる主人公・井伊直虎は、戦国時代に男の名で井伊家の家督を継いだ“おんな城主”だ。歴史好きは知っているかもしれない人物だが、知名度が高いわけではなく、NHKによると資料も少なく、肖像画も残っていないという。直虎の生涯を紹介しつつ、ドラマの概要を探った。

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 ◇ゲームファンの知名度は意外に高い?

 ドラマは、激動の戦国時代に“直虎”と名乗り、井伊家の家督を継ぎ“おんな城主”となった女性の生涯を描く。オリジナル作品で、脚本は「世界の中心で、愛をさけぶ」「白夜行」「仁-JIN-」「とんび」「天皇の料理番」などの森下佳子さんが担当する。

 直虎は幕末の「安政の大獄」で知られる大老・井伊直弼の先祖で、徳川家康の重臣「徳川四天王」に名を連ねる井伊直政の養母だ。直虎は、遠江(静岡県)の井伊家当主・井伊直盛の一人娘として生まれる。直盛には男子がなかったため、次郎法師と名付けられ、分家の嫡男・亀之丞と婚約し、次の当主の妻となるはずだったが、亀之丞の父は今川家に謀反を疑われて殺害され、亀之丞も命を狙われて信州に逃走する。

 父・直盛が、今川義元もろとも桶狭間の戦いで討死し、後を継いだ直親は今川家に暗殺され、男の後継者が途絶える中、次郎法師は男として還俗し、虎松(後の直政)の後見人として城主になる。養子の虎松が徳川家康に仕官を認められ、出世していくのを見守りながら、1582年に死去する。

 戦国の荒波の中で、危機を迎えた井伊家だったが、直虎の踏ん張りがあったからこそ、徳川幕府を支えた名門になったとも言われている。しかし、幕末を描いたドラマには必ずといっていいほど登場する井伊直弼や、徳川家康の天下取りを支え、“赤備え”でも知られる井伊直政と比較すると、知名度が高いとは言い難い。

 しかし、一般的な知名度はあまりない直虎だが、「戦国無双」「戦国BASARA」「信長の野望」などの人気ゲームには登場していることから、ゲームファンからの知名度は高い。ただし、「戦国無双」では、恥ずかしがり屋のネガティブなキャラクター、一方の「戦国BASARA」では男たちに向けて敵意を燃やす熱血キャラクターと、あまり知られていないこともあり、作品ごとに描かれ方が大きく異なっている。

 ◇“男装の麗人”となるのか?

 NHKの制作統括の岡本幸江チーフプロデューサー(CP)は、同局の番組「歴史秘話ヒストリア」で、直虎が取り上げられたことをきっかけに、その存在を知り、興味を持ったといい「直虎の生涯に驚き、ドラマにしたいと思った」と話す。さらに、主人公に“抜てき”した経緯を「直虎は戦に出たわけではなく、天下人になったわけでもない。しかし、次の世代に志をつなげていった。守り抜く強さは、今を生きる人のヒントにもなると感じた」と説明する。

 ドラマで、直虎が“男装の麗人”のように描かれるかは現時点では決まっていないといい、「肖像画が残っていない。男装となるかは分からない。出家しているので、尼のような姿はしていたのかもしれない。どうなるかは工夫していく」と“創作”も多くなるようだ。

 また、ドラマでは直虎を取り巻く“5人の男性”も重要な要素になるという。幼いころのいいなずけ、城主となった際の右腕、境遇が異なり、放浪する男性、養母となる井伊直政が登場する予定。さらに、ばらばらな家臣団を頼れるチームとなるように奮闘するなど、中小企業を急に継ぐことになってしまった若き女性社長のようにも描かれるという。放送は再来年とまだ先ではあるが、柴咲さん演じる直虎がどのように活躍を見せるか期待される。

 「おんな城主 直虎」は17年1月から放送。 

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