M-1グランプリ2024 決勝戦
決勝戦 FIRST ROUND 前半戦 1~5組目
12月22日(日)放送分
50カ国以上で6500万人以上の会員を抱える世界最大級のインターネット映像配信サービス「Netflix」が2日に日本でもサービスを開始した。開始とともに注目されるのが、「マトリックス」(1999年)や「クラウド アトラス」(2012年)などの監督で知られるラナ&アンディ・ウォシャウスキー姉弟が企画、監督、脚本を担当したNetflixオリジナルドラマ「センス8」(全12話)だ。サービス開始に伴い、今作に出演した韓国人女優、ペ・ドゥナさんが来日。作品の魅力や撮影の裏話を語った。
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「センス8」はサンフランシスコ、シカゴ、ロンドン、レイキャビク、ソウル、ムンバイ、ベルリン、ナイロビ、メキシコシティの8カ国9都市を舞台に、突然、互いの思考や行動、感情に感応する能力を与えられた、人種も生い立ちも異なる男女8人が、尋常ならざる体験をしながら、なぜ自分たちにそのような能力が備わったのか、その謎に迫っていくSFドラマだ。すでに全米では2016年のシーズン2の配信も決定している。今作で、ソウルのビジネスウーマン、サンを演じているのがペ・ドゥナさんだ。
ウォシャウスキー姉弟とは、姉弟が監督した「クラウド アトラス」「ジュピター」(15年)以来の仕事となるペ・ドゥナさん。今回のオファーを快諾したのは、普段より「仲よくさせていただいている」ウォシャウスキー姉弟に絶大な信頼を置いていることもあるが、加えて「ビジネスウーマンという役は、日本の映画でも他国の映画でも演じたことがなかった」からだという。また、サンが武術に秀でた女性であることに「面白そう」とチャレンジ精神をくすぐられた。サンには、大企業の重役という顔のほかに、格闘家の顔もあるのだ。
ペ・ドゥナさんいわく、「センス8」の8人は、「それぞれが“ファイター”で、行く先々で戦うシーンがある」。例えば、シカゴの警官ウィル(ブライアン・J・スミスさん)や、ナイロビのスラム街で育ち、アクション俳優ジャン・クロード・ヴァン・ダムさんを崇拝するカフィアス(アミル・アミーンさん)にもアクションシーンはある。しかし、8人の中で最も“闘い慣れ”しているのはサンだ。サンはいってみれば“女性版ヴァン・ダム”なのだ。
今作を見た米国の視聴者の中には、ペ・ドゥナさん自身が「武術家の家柄の出」と思った人もいたそうで、そうした質問をツイッターでされたことがあったという。それほど格闘シーンが様になっていたということだが、ペ・ドゥナさんがサンを演じるにあたり、やったことは、撮影前の約1カ月間、「キックや腕の使い方、受け身や(攻撃の)よけ方といった武術の基本的なトレーニング」程度で、あとは撮影場所の各都市を回りながら実演を重ねていったという。
撮影は9都市で行われた。訪れる国ごとにスタントチームがおり、「同じスタントでもそれぞれスタイルが違うため、それに適応することが大変だった」そうだが、ペ・ドゥナさんにとってはそういったことすべてが、「新しい経験で、とても楽しかった」と笑顔を見せる。とはいえ、トレーニングをしたことで筋肉が付いてしまい、「肩のあたりがすごく大きくなってしまったのが、ちょっとだけ大変でした」とはにかみながら打ち明ける。
撮影中は、シーンに登場する、しないにかかわらず、8人全員が一緒に9都市を回った。それはウォシャウスキー姉弟の要求でもあり、「誰か一人が撮っていて、ほかの7人は撮影がなくてもその都市にはいたので、いつも一人ではないという感覚でした」と語る。俳優たちもまた、「センス8」のキャラクター同様“感応し合っていた”わけだ。
それだけに、ペ・ドゥナさんは「7人が力を合わせてサンフランシスコにいるノミを助けるエピソード」を印象に残っているシーンとして挙げ、「(ノミを助けるために)シカゴのウィルと一緒に撮ったところや、ナイロビのカフィアスを助けるところとか。そうしたコラボレーションが、まさにこれぞ『センス8』という実感を抱かせてくれました」と話すのもうなずける。感応し合った者同士2人が共に戦うシーンは、別々に撮影したものを編集で合成したのではなく、「一人が隠れて(カメラのフレームから)いなくなって、代わってもう一人出てくるというふうに、コンピューター・グラフィックス(CG)は使わずカメラワークを工夫して撮っていった」のだという。
さて、今作についてペ・ドゥナさんは、「SFともいえるし、スリラーの要素もある。いろんなジャンルが総合的に組み合わさった壮大な物語といえるのではないでしょうか。感情や考えをみんなで共有するというテーマがあり、各国の社会問題なども織り交ぜていますが、基本的には人間関係や人間としての寂しさが描かれていて、それがシェア(共有)できるというところが魅力として挙げられると思います」と解説する。その上で、自身の出演作を思い出しながら、「『空気人形』(09年)を撮ったとき、(吉野弘さんによる)『生命は』という詩が出てきたんですね。この『センス8』を撮っているときに、その詩が浮かびました。その詩は、人は一人では生まれてくることはできないという内容のものでしたが、今回のテーマと通じるところがあると思います」とペ・ドゥナさんなりの解釈を披露し作品をアピールした。「センス8」はNetflixで配信中。
<プロフィル>
1979年生まれ、韓国出身。モデルとして活動をスタート。99年、韓国リメーク版「リング」(日本未公開)で映画デビュー。「ほえる犬は噛まない」(2000年)の演技で青龍映画賞最優秀新人女優賞受賞。「子猫をお願い」(01年)、「復讐者に憐れみを」(02年)、「グエムル-漢江の怪物―」(06年)、「私の少女」(14年)などに出演。「クラウド アトラス」(12年)と「ジュピター」(15年)で米国映画に進出。日本映画「リンダ リンダ リンダ」(05年)、「空気人形」(09年)で主役を務めた。
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2024年12月23日 20:00時点
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