森川葵:20歳の注目女優が語る主演映画のエピソード 引く手あまたな現状に「幸せ」

2月に開催された「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2016」で映画「ドロメ 女子篇」の撮影エピソードや女優への思いを語った森川葵さん
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2月に開催された「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2016」で映画「ドロメ 女子篇」の撮影エピソードや女優への思いを語った森川葵さん

 女優の森川葵さんが主演の映画「ドロメ 女子篇」内藤瑛亮監督)が26日から公開される。映画は一つの物語を、森川さん主演の「女子篇」と小関裕太さんが主演の「男子篇」の2作品で上映されるホラーで、森川さんは女子編で、コミュニケーションが苦手で過呼吸持ちの女子高生・小春役を演じている。“月9”ドラマ「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」(フジテレビ系)にも出演し、笑福亭鶴瓶さんがMCを務めるトーク番組「A-Studio」(TBS系)では4月から8代目アシスタントを務めるなど活躍が目覚ましい森川さんに、映画の撮影エピソードや女優業への思いなどを聞いた。

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 ◇苦手なホラーで主演 「撮影中も怖かった」

 「ドロメ」は、女子校の演劇部に所属する小春(森川さん)らが、男子校との合同合宿を行う中で起こる恐怖体験を描いたホラー。学校のある村に言い伝えられる“ドロメ”という泥の化け物にまつわる伝説を聞いた小春らは、演劇部の合宿中に恐怖の怪奇現象を体験する……という内容で、女子視点の「女子篇」と、同じ時間軸で進行する「男子篇」が公開される。

 「ホラー映画は苦手」という森川さん。オファーを受けてどう思ったのか。森川さんは「物理的に恐怖体験させる、みたいな映画は初めてだったので、現場とか本当に怖いのかなって不安でした」と率直な思いを打ち明け、「撮影中も怖い気持ちはありました。夜の撮影は何か出るんじゃないかと思ったり」と振り返る。

 森川さんが演じるのは、おとなしく人とのコミュニケーションが苦手で、パニックになると過呼吸の症状を起こしてしまう女子高生というクセのある役。森川さんは特に過呼吸の演技に苦戦したといい、「なったことがないので、過呼吸というものがイメージでしかなくて……。とりあえずやってみたんですけど、監督に『そうじゃない』とすごく言われて(笑い)。(カメラを)ながーく回してました。本当に倒れちゃうよって思った」と苦笑しつつ苦労を話す。難しい役どころだが、主人公とは共通する点もある、と森川さん。「私も、この子さえいれば他に友だちいらない、というタイプなので、そこは一緒だな、と思う」と小春との共通点も明かす。

 もともと、事前に徹底的に準備するタイプではない、と森川さん。脚本を読んだときの印象と、衣装の雰囲気などから役を想定することが多いという。「すごく考えてやるというより、現場でやってみて、監督に何か言われたらそれに対応して作っていけたら、という感じですね」。ただ、「最近は、もっとちゃんとしようと思っている」ともいい、「もっと(事前に)考えられるところがあると思っています」と女優としての意気込みを語る。

 ◇活躍に手応え 現状に「幸せです」
 
 20歳になり、ドラマに映画にトーク番組に……と八面六臂(ぴ)の活躍を見せる森川さん。多数の作品に出演している現在の状況について聞くと「幸せです」とほほ笑む。映画では主演にヒロインにと引っ張りだこだ。「周りの反応の大きさが少しずつ変わってきていて。自分がこれまでやってきた成果みたいなものを、少しずつ見てもらって、『森川葵』というものを知ってもらえてきているのかなって思っています」と自身でも手応えを感じている。

 多数の作品に出演することで、課題も見えてきた。「最近ある人に『受けの演技が足らない』と言われたんですよ。具体的に言うと、自分が発信していかなくても周りがどんどん動き回って、それに対する何か(の演技)……みたいな。口でしゃべって圧倒するとか、そういう作品が多かったので、そうじゃなくて“目”で話したりしたいです」と意欲的に話す。

 そんな森川さんが、普段女優として大切にしていることは? 「普段の生活を大事にしています」と意外な回答が。「忙しい時期もあれば暇な時期もあって。暇な時期は、これから働いていくぞって年齢の人間に自分の時間があっていいのかなって思うことがあったんですけど……。人に話したら、休みも仕事だよ、と言われて。休み中にしている行動が芝居に出たりするから。普段の生活を大切にしていかなきゃ人間というものを忘れていくなと思った」と思いを語る。

 20代の入り口に立った今の目標を最後に聞くと、「30代ですこしゆとりをもって生活できるように、たくさん貯金をする(笑い)」と愉快そうに意表をつく答えを返してくれた。

 <プロフィル>

 もりかわ・あおい。1995年生まれ、愛知県出身。ドラマは「監獄学園-プリズンスクール-」(2015年)、「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」(16年)などに出演。映画は「転校生」(12年)、「スクールガール・コンプレックス~放送部篇~」(13年)、「チョコリエッタ」(15年)、「通学シリーズ 通学途中」(15年)など多数の作品で主演。26日から主演映画「ドロメ」(女子編)が公開。

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