ボクシングの村田諒太選手が、19日にWOWOWが生中継する「エキサイトマッチ ゴロフキン&ロマゴン最強王者ダブル世界戦」でゲスト解説者として出演する。この日、番組では3団体(WBAスーパー、WBC、IBF)統一世界ミドル級王者のゲンナディ・ゴロフキン選手(カザフスタン)対WBA世界ミドル級王者のダニエル・ジェイコブス選手(米国)のタイトルマッチを放送。WOWOWでは、同階級の村田選手に試合の見どころのほか、村田さんとの対戦が有力視されているWBO王者のビリー・ジョー・サンダース(英国)選手の印象などについて聞いている。
ウナギノボリ
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――ゴロフキン選手とジェイコブス選手の試合は、どんな位置づけだと思いますか?
世界中の誰もが認めるミドル級の世界一を決める戦いです。ひとりのボクシングファンとしては楽しみですが、これから世界王座を狙うボクサーとしては複雑で、いろんな思いが混在しています。
――ゴロフキン選手のストロングポイントは?
左ジャブの強さ、全体のパンチの強さ、それと自信を持っている点でしょう。多少は相手のパンチをもらったとしても、自分のパンチが当たれば倒せるという自信があるうえ、経験もあります。
――アメリカでスパーリングをしたことがありますね。
パンチ(の強さ)はアマチュア、プロを通じて一番ありました。特に左ジャブとフックは硬さと重さが異質でしたね。グローブで殴られている感じではなく、硬くて重いものがドーンと飛んでくる感じなんです。
――ジェイコブス選手のストロングポイントはどこでしょうか?
スピード、そして右ストレートなど思い切りのいいパンチでしょう。止まって打つパンチではなく、(懐に)入って動いて打つパンチに強みがあります。一瞬のスピードではゴロフキンを上回るので、それをいかに生かして戦うかがカギだと思います。
――ジェイコブス選手は骨肉腫を克服して戦線復帰を果たし、そのうえ世界王座も獲得した「奇跡の人」といわれていますが?
誰もがリスペクトの気持ちは持っていると思いますが、それをボクシングにつなげて考えるかといったら別で、いざ戦うとなったらそんなことは言っていられないじゃないですか。
――ジェイコブス選手は耐久力に課題がありそうですね。
打たれ弱いと思います。だからゴロフキン有利と見られているのだと思います。
――オッズは6対1と出ています。
けっこう離れましたね。この前のケル・ブルック戦(2016年9月、ゴロフキンが5回TKO勝ち)で、けっこう隙をみせたと思うのですが、それでも評価を落としていないということなんですね。
――どんな試合展開を予想しますか。
ゴロフキンがプレッシャーをかけ、ジェイコブスは足を使いながら一瞬の隙を狙ってパンチを出していく、そんな展開でしょうか。おもしろい試合になると思います。ジェイコブスのスピードが落ちてくる中盤、4ラウンド以降からゴロフキンのジャブがコネクトされれば自然に距離が詰まり、5、6、7ラウンドぐらいでゴロフキンが仕留めると思います。
――番狂わせが起こるとしたら?
最近、ゴロフキンはパンチをもらうことがあり、特にアッパー系のパンチをもらっています。一瞬のスピードで勝るジェイコブスが強いパンチを一発入れてペースをつかみ、そのあと足さばきでどう対応できるか。ジェイコブスとしては一発で仕留めることがベストですが、倒せない場合でも一発入れたあと出入りしてポイントを拾えるかどうか。そのあたりにかかっていると思います。
――村田選手自身、主要4団体すべてで世界挑戦圏内にいます。近い将来、ゴロフキン選手と対戦する可能性もありますが、どう戦いますか?
ガードが堅くてプレッシャーが強く、パンチが強いという自分のよいところを生かして戦うだけです。ゴロフキンは打ったあと休む時間があるんです。そのときにこちらがどれだけ打てるか、どれだけ耐えられるか。第三者的に考えればゴロフキンの方が有利だと思いますが、他者より引けを取っていると思ったらその時点で勝負にならないという根本的な考えなので、「やったらいける」そう思っています。
――サンダース選手の印象は?
足をよく使う、うまくて速い選手という印象ですね。攻撃力はそれほどでもないけれど、パンチを当てづらいサウスポーです。
――サンダース選手よりも上回っていると思う点は?
ハート、パワー、スタミナです。細かい技術では相手の方が上かもしれないけれど、その部分で勝負するつもりはありません。僕のパワー、スタミナ、ハートと彼のスピード、技術、どちらが上かというところでしょう。僕が劣っているとは思っていません。
――パワーならば、村田選手が押し切れそうですが。
僕もそんな気がしています(笑い)。
――プロになってからサウスポーとの対戦経験がありませんが、そのあたりは?
それが一番大きな不安要素であることは事実です。自分でも少しは気になっています。特にサンダースは背の低いサウスポーですから。アマチュア時代にはオリンピック(12年ロンドン大会)の準決勝と決勝、世界選手権や国際大会で何度もサウスポーとは戦っていますが、サンダースはちょこまか動くので、これまでに戦ったことがないタイプかもしれません。
――少し気が早いのですが、サンダースと戦う場合の勝負のポイントは?
彼は前半型なので、序盤にペースをわたすと逃げられてしまうおそれがある。だから、その序盤で僕がどれだけ捕まえにいけるか。相手が得意とするところをいかに潰せるか、そこがポイントでしょう。
「生中継!エキサイトマッチ ゴロフキン&ロマゴン最強王者ダブル世界戦」は、WOWOWライブで19日午前10時から放送。「ゴロフキン選手対ジェイコブス選手」のほか、日本でも“ロマゴン”の愛称で知られるWBC世界スーパーフライ級王者のローマン・ゴンサレス選手対シーサケット・ソールンビサイ選手(タイ)のタイトルマッチも。ゲスト解説は村田選手と井上尚弥選手が務める。
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