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野木亜紀子:「逃げ恥」脚本家が語る「フェイクニュース」秘話 報道への問題意識がきっかけに…

テレビ
NHKのドラマ「フェイクニュース」の一場面 (C)NHK

 女優の北川景子さんが主演を務めるNHKのドラマ「フェイクニュース」が20日から2週にわたって放送される。脚本は「逃げるは恥だが役に立つ」(TBS系)などで知られる野木亜紀子さん。過去、約8年にわたってドキュメンタリー番組の制作に携わるなど、野木さんとドキュメンタリーとの関わりは深く、ニュースや誤報、メディアに対して以前から高い関心を持っていたという。そんな野木さんに今“フェイクニュース”を題材にする意図や制作までの経緯などを聞いた。

 ◇ドラマ「フェイクニュース」誕生の背景は… 

 ドラマはフェイクニュースにまつわる事件を扱う社会派エンターテインメント作。大手新聞社からネットメディアに出向した東雲樹(しののめ・いつき、北川さん)はある日、編集長の宇佐美寛治(新井浩文さん) からインスタント食品への青虫混入事件について取材するよう命じられる。樹の前にSNSに青虫混入の投稿をした男(光石研さん)が現れる。青虫混入の投稿をきっかけに事態は思わぬ方向へと拡大し、企業間の争いにまで発展。やがてその矛先は樹自身にまで及ぶ……というストーリー。

 “フェイクニュース”という言葉が広く知られるようになる前から、「ネットや新聞、テレビの誤報を訂正するチームのドラマを作りたいと思っていたんです」と野木さん。民放でのドラマ化は難しい題材だったが、NHKの北野拓プロデューサーからオリジナルドラマの打診があった。当初は恋愛ものや結婚もののドラマという話もあったが、北野プロデューサーが報道出身と知り、「え、報道なの? だったらこういうドラマをやりたい」と提案。「報道絡みでどんなドラマがいいか考えたとき、『今はフェイクニュースが問題になっているよね』という話題になり、お互いに問題意識を持っていたので、今やるならそれがいいんじゃないかと決まりました」と制作の経緯を明かす。

 もともとはドキュメンタリーの作り手だった野木さん。「たとえば番組でどこからが“やらせ”なのか、ということなどがずっと気になってはいたんです。ニュースでも、作り手側で切り取られたものなので、作り手の意図が介在しますよね。そういうことが気になってはいて、そこをテーマにしたドラマがやりたいと思っていたんです」とドキュメンタリー出身ならではの視点で語る。「『空飛ぶ広報室』(TBS系、13年)というドラマのとき、新垣結衣さんが演じた役が報道上がりのテレビディレクターだったんですが、ドラマのオリジナル要素として報道の話もいろいろと入れているんです。そういう視点が、描いていくべきものの一つとしてずっとありました」と語る。

 ◇脚本家へ転向したきっかけは…

 野木さんがドキュメンタリーの世界に足を踏み入れたのは「うっかり」がきっかけだったという。「日本映画学校(現・日本映画大学)出身だったので、本当は映画監督になりたかったんです。ですが、卒業するときに担任から『制作会社が人を募集している。向いていそうだから行って来い』と言われて、なんだか分からないままに受かってしまって(笑い)。その制作会社がドキュメンタリーや取材ものを作っている会社だったんです。結局、フリーとして活動していた期間も合わせて8年ぐらいドキュメンタリーに携わっていました」と話す。

 ただ、不景気の波が押し寄せ、望むような仕事が来なくなる。ドキュメンタリーよりも旅番組を制作することが増え、「旅番組も楽しかったけど、当時は『私、旅番組をやりたかったわけじゃなかったな』と思ったんです。よく考えたら、映画を作りたかったはずだと思い出して。でも、現場はつらいし、監督は向いていないとそのころには思っていたので、じゃあ、脚本を書こうかな、と。それでドラマの賞に応募し始めたんです」と振り返る。
 
 ◇NHKのドラマ脚本は初執筆だったが…

 そんな野木さんが取り組んだ「フェイクニュース」。社会派ドラマだがエンターテインメント性が高く、スピード感にあふれた作品だ。

 今作がNHKドラマの脚本は初執筆だった野木さん。最後に、NHKドラマで脚本を担当した感想を聞くと、「スポンサーがいない、ということは、すごく大きいと思っています。だからこそできることもあると思いますし。民放では、こういう題材だと数字が取れない、と敬遠されることもあるけど、NHKは社会的意義があるものなら『やってみる?』という感じなので、ありがたいな、と思いました」と笑顔で語った。

 ドラマは前後編で、NHK総合で20日に前編、27日に後編を、両日共午後9時から放送。

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