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瑛太:大久保と向き合った1年3カ月 「胃痛も起こった」苦悩と盟友・西郷への思い

テレビ
NHKの大河ドラマ「西郷どん」で大久保利通を演じてきた瑛太さん (C)NHK

 俳優の鈴木亮平さん主演のNHK大河ドラマ「西郷(せご)どん」に大久保利通(一蔵)役で出演している瑛太さん。鈴木さん演じる西郷隆盛とは、幼少期から盟友でありライバルとして共に過ごしてきたが、11日放送の第42回「両雄激突」では、1年半ぶりに帰国したものの政府内で孤立してしまった大久保が、単独で朝鮮に渡ろうとする西郷の提案に反対。目に不気味な光を宿し、西郷に反発する姿が描かれ、今後の両者の“対立激化”を予感させた。瑛太さんに、西郷を演じる鈴木さんへの思いや両者の対立シーンについて、長い期間にわたって大久保を演じた心境などを聞いた。

 ◇西郷との決別シーンで葛藤も…

 第42回「両雄激突」でついに、長い間の盟友だった西郷と対立する大久保。18日放送の第43回「さらば、東京」では、大久保と岩倉(笑福亭鶴瓶さん)の策謀で、決定していたはずの朝鮮使節派遣が延期に。その強引なやり方に抗議して西郷や江藤(迫田孝也さん)らは政府を辞職することになり、西郷と大久保についに別れの時がやってくる……。

 1年3カ月にわたり、鈴木さん演じる西郷の盟友・大久保を演じてきた。西郷との決別について、「人として好き同士なのに、思想の違いで離れていく感覚は、台本を読んですごく面白みを感じました」と瑛太さん。「(大久保は)たまっていた毒素が腹の底から出てくるんですよね。人間臭さというか……。でも、ダークヒーローにはしたくなくて……。僕は大久保利通という人を尊敬の念をもって演じていたので、芝居でも葛藤がありました。でも2人の“月と太陽”のような関係性が、終盤はものすごく色濃くはっきりと見えてくるので、ドラマチックで面白いなと思っていました」と明かす。

 これからの展開について、「大久保なりの誠実さや、何をもって日本を動かさなきゃいけないかという思いがはっきりしてくる」と瑛太さん。その結果として西郷と対立するが、「欧米の文化を日本に取り入れるために何をしなければいけないか、強い決断力と、残酷性を持ちながら(行動する)。大久保は真実を知っているという気がしたんです。あの時代に大久保と西郷で考えが食い違った理由が、僕はすっと(腑=ふ=に)落ちてきたんですよ」といい、「でも、(西郷)吉之助のことは死ぬまで好きですからね。離れ離れになるし、ぶつかり合うけれど、死ぬまで、最後まで、吉之助と心がつながっていたという部分は、ドラマの見どころでもあると思います」と力を込める。

 第43回「さらば、東京」で西郷は政府を辞職し、鹿児島に帰る決断をする。それは、大久保との明確な決別を意味することでもある。決別のシーンを演じ、瑛太さんはどのように感じたのか。「冷徹さを持って吉之助をはねのけなきゃいけない部分もあるし、逆に吉之助の言葉を受け入れてしまう部分も大久保にはあるから、『どっちなんだろう』ってすごく悩んでいた」と撮影前の心境を明かし、本番では「亮平君のここまで積み上げてきたものの重さや、西郷から見た大久保への愛情みたいなものを受けてしまった」と語る。「つい涙腺が緩んでしまって……。もう一生会えなくなるという、後の展開を知っているから」と振り返る。

 ◇大久保とともに悩み続けた1年3カ月 「撮影に行く足が重い…」

 10月に約1年3カ月におよぶ撮影を終えた瑛太さん。「終わってしまうと、意外とあっという間だった」としみじみ語る。だが、大久保の人生のように、その道のりは苦労の連続だった。「自分の中で80点以上は出せないんですよ。プロである以上は100点に近づけなきゃいけないと思うんです。でも撮り終わったとき、『だめだったかな、今の全然違うな、これでよかったのかな』とずっと思い続けた1年3カ月なんです」と苦労を語る。

 特に前半の青年時代について、瑛太さんは「大久保は希望を持って生活しているのに、物事がうまく運ばない。それによって生じるもどかしさを抱えながら、いつか見ていろよ、と……。光か闇か分からないけど、『いつか何かを起こしてやる』という、硬いバネを縮めたような状態を続けていた」と表現する。

 そのような大久保を演じていたことで、「僕自身にも負荷がすごくかかっていて……。演じていても、終盤まで、演じがいが分からなくなったときもありました。毎日、消化不良で終わる。本当に大久保のように胃痛も起こりましたし、撮影に行く足が重く感じました。大久保と一体化することで、自身にも多大な負荷がかかっていたことを打ち明け、「でも、(大久保の見せ場が)終盤にすべて集約されているといっても過言ではない」と今後の活躍もほのめかす。

 大久保役を演じる上で、常に一貫していたことは“孤独感”だったという。「今回の現場では、スタジオに入る前の憩いの場のような前室に、一度も行っていないんです。とにかく雑談はしていない。すぐに控室に一人でこもる」と瑛太さん。「大久保の中に、孤独は絶対にあるな、と思っていたから。役作りでそうしようとしたつもりはなく、自然にそうなっていきました」と明かす。

 長期にわたり、西郷を演じる鈴木さんを見続けた。「鈴木亮平君という人間を、ほぼ毎日、ずっと見続けるんですよ。何を食べているのか、どれぐらい疲れているのか、何時間ぐらい寝たのか。または、せりふが完璧に入っているなとか、それなのにこの人ずっと笑っているなとか、とか。期間が長いほど、ものすごく苦しいし、ものすごい恍惚(こうこつ)感が得られたり。感受性が敏感になってくる感じはあります。ちょっとした“吉之助さあ”の機微や呼吸の仕方、息の吐き方、目の動かし方……そんなところの変化まで、感じ続けられるんです」と語る。

 大久保にとって、そして瑛太さんにとって、吉之助と鈴木さんはどのような存在だったのか。「ずっと背中を追いかけているという感覚はありましたね」という。「亮平君をうらやましくなっちゃうこともあったり。実際『亮平君、いいなー』って思います。芝居でも『いろいろな武器持るなあ』と思います」と鈴木さんと西郷への思いを語る。最後に、「普通に好きですけどね。亮平君も、吉之助さあも」とほほ笑んだ。

 「西郷どん」は大河ドラマ57作目で、西郷隆盛の生涯を描いている。NHK総合で毎週日曜午後8時ほかで放送。

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