女優の葵わかなさんが、「劇場版 ダーウィンが来た！ アフリカ新伝説」（18日公開）で初のナレーションを担当した。「見ている人もきっと続きが気になるだろうなと想像しながらナレーションを吹き込んだ」という葵さんに、仲の良い家族とのほほ笑ましいエピソードや気になるファッション、野生動物と触れ合った旅の思い出や今後の女優業などについて聞いた。

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　◇「わろてんか」で経験した初めての一人暮らし

　2018年の葵さんは、NHKの朝ドラ「わろてんか」や映画「青夏　きみに恋した30日」でヒロインを務めるなど、大活躍の1年だった。「すごく濃密な1年でした。まるで2年過ごしたかのような気分ですが、それだけたくさんの経験ができたということだと思います」と振り返る。「目まぐるしくて『ああ疲れたなあ』と感じる時も正直あった」としながらも、「そういう瞬間があったからこそ、充実した気持ちで1年を終えられた」と感慨深げな表情で語る。

　「わろてんか」の撮影時は、大阪で「初めての一人暮らしも経験した」という。「実家を離れて、初めて両親のありがたみが身にしみました。仕事から帰って話せる人がいるというだけで、どれだけ充実していたか……」としみじみ。とはいえ「撮影中は家に帰っても寝るだけの生活だった」そうで、「一人で寂しいと感じる暇もなかった」のだという。

　◇時間があると「すぐに会いに帰る」存在とは？

　撮影が終わった今も一人暮らしを続けているが、「クリスマスや家族の誕生日にはみんなで集まってご飯を食べるのが恒例」だという。5人家族で、葵さんは3人姉妹の真ん中。「父は海が好きで、サーフィンをやっていて、母は楽器が好きで、ジャズバンドを組んでいるんです。姉妹そろって母のライブを聴きに行くこともありますよ」と明かす。

　また無類の猫好きとしても知られる葵さんは「今年のカレンダーも猫の写真入りのものを買っちゃいました。実家で飼っている2匹の猫にも、時間があるとすぐに会いに帰っちゃうんですよね」と目を細める。オフの日は「友達とご飯を食べたり、舞台を見に行ったりすることが多い」というが、「最近は体を動かそうと思って、加圧トレーニングに通い始めました」とアクティブな一面ものぞかせる。

　今、気になるファッションアイテムは、新たに購入した「スニーカーみたいに前にひもがついていて、内側がモコモコしているタイプの黒ブーツ」だという。実は「大人っぽいジュエリーも買ってみた」というが、「ちょっとキメすぎかなと思って、なかなか着けられないんです」とはにかんだ。

　◇野生動物やアフリカに興味津々

　今回ナレーションを担当した「劇場版 ダーウィンが来た！ アフリカ新伝説」の舞台となるのは、野生動物の宝庫であるアフリカ大陸。群れから追放され放浪の旅を続けながら王を目指す若き雄ライオンや、争いで片腕を失った子どもを見守りながら暮らすゴリラの家族など、大自然の中でたくましく生き抜く三つの「家族」の物語が描かれる。「家族そろって大の旅行好き」だという葵さんは「どちらかというと都市部よりも自然が多いところが好きなんです。国内だと離島とか。今年はアメリカのサンディエゴを旅行して、大きな動物園も訪れました」と明かした。

　「マレーシアのボルネオ島に野生の猿を見に行ったこともある」といい、「川を船で下っていくと、鼻がものすごく大きなテングザルが現れて。テナガザルとかリスザルとか、いろいろな種類の猿を見ることができるんです。オランウータンの保護区もあるんですよ」と身振り手振りを交えて話す。

　今回ナレーションを担当したことで、「アフリカ大陸にもとても興味が湧きました。動物も自然も自分自身の目で見てみたい」と意欲的だ。「暑いんだろうなあとか、広いんだろうなあとか、今は映像を見ながら想像することしかできないので、いつか実際に行って体感してみたいです」と夢を語る。

　今後の女優業については、「自分ではあまり先の目標は作らないようにしているんです。もちろん、女優さんを続けていけたらいいなあと思いますが、今回のナレーションのお仕事や2月に予定しているミュージカルのように、ドラマや映画だけじゃなく、別のジャンルにも怖がらずに飛び込みたい」と前向きに語った。

　＜プロフィル＞

　あおい・わかな　1998年6月30日生まれ、神奈川県出身。2013年、「陽だまりの彼女　」で映画女優デビュー。出演映画に「サバイバルファミリー」「逆光の頃」「ミッドナイト・バス」（すべて17年）、「青夏　きみに恋した30日」（18年）などがある。今年2月にミュージカル「ロミオ＆ジュリエット」の上演を控える。

　（取材・文・撮影／渡邊玲子）