風の谷のナウシカ:きょう19回目の放送 「マスクをしないと生きられない世界」 コロナ禍に放送される意味

映画「風の谷のナウシカ」の場面写真 (C)1984 Studio Ghibli・H
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映画「風の谷のナウシカ」の場面写真 (C)1984 Studio Ghibli・H

 スタジオジブリの劇場版アニメ「風の谷のナウシカ」(宮崎駿監督)が、12月25日の「金曜ロードSHOW!」(日本テレビ系、午後9時)で放送される。放送は2019年1月以来約2年ぶりで、通算19回目となる。「金曜ロードSHOW!」では2年に1度のペースで放送されており、もはやおなじみである同作だが、コロナ禍に見舞われた今年は、番宣CMでうたう「マスクをしないと生きられない世界」というキャッチコピーに、例年と一味違ったメッセージを感じてしまう。

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 映画は「腐海(ふかい)」と呼ばれる菌類の森に覆われた最終戦争後の世界を舞台に、風の谷に住む主人公の少女・ナウシカの活躍を描いてヒットし、宮崎監督初期の代表作となった。

 「火の七日間」と呼ばれる大戦争から1000年後の世界が舞台。腐海のほとりにある「風の谷」に、軍事大国・トルメキアの巨大船が墜落する。船にとらわれていた工房都市国家・ペジテの王女・ラステルは、救出に向かった風の谷の姫・ナウシカに「積み荷を燃やして」と言い残して世を去った。やがて、“積み荷”の人型兵器「巨神兵」を追って、トルメキア軍が風の谷にやってくる……という展開。

 強烈な“瘴気”を放つ菌類が広大な森“腐海”を形成しており、中はマスクなしでは生きられない世界となっている。登場人物たちは、ガスマスクのような形状の“瘴気マスク”を着用しているのが印象的だ。人々はマスクを着用しなければ呼吸することもままならず、マスクを取ることは死を意味する。

 新型コロナウイルスの感染拡大で未曽有の年となった2020年。マスクをしないと外出することができない状況に、ナウシカとの類似性を指摘する声も多い。今、この作品が放送される意味を噛みしめて鑑賞したい。

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