女優の長澤まさみさんが主演を務める映画第3弾「コンフィデンスマンJP 英雄編」(田中亮監督、1月14日公開)に出演している俳優の小手伸也さん。2018年4月期にフジテレビ系“月9”枠で放送された連続ドラマ版に出演し、“シンデレラおじさん”として注目された小手さんは、同作を「ホームグラウンド」と呼ぶ。現在48歳の小手さんが、3年前までバイト生活を送っていたエピソードや、“遅咲き”ブレークのきっかけ、同作への思い、50代への展望などについて聞いた。
小手さんは大学卒業後、長らく舞台を中心に活躍。2000年代に入り、テレビドラマにも出演していたが、初の連ドラレギュラー出演は2018年の「コンフィデンスマンJP」が初めてだった。「ドラマ版では本当にいろいろな経験を積ませていただきました」と振り返る。
2019年3月までコールセンターでアルバイトをしながら、芸能活動をしていた小手さん。「当時は芸能のお仕事をさせていただきながら、バイト先に戻ればオペレーターとしてクレーム対応などをしていました。きらびやかな芸能の世界とは違い、バイト先は日常に戻れる場所で、『決して浮かれるな。お前は特別じゃないぞ』と、自分を戒める場でもあったんです」と振り返る。
同作での活躍をきっかけに注目され、俳優業で生計を立てられるようになると、晴れてバイト生活から卒業した。だが、「初心に帰るような場所」を求めていたといい、「映画撮影のため定期的に『コンフィデンスマンJP』の現場に戻ってくることができるので、『探してた場所はここだな』と思うようになったんです」と、同作の現場を「ホームグラウンド」のように感じていたという。
「ありがたいことにいろいろな作品に出演させていただき、40代後半の中堅俳優として割と丁寧に扱ってくださる現場も増えたんですが、『コンフィデンスマンJP』の現場は全くそんなことがない(笑い)。以前と変わらず、田中監督や演者さんたちがこぞって僕をいじってくるんです。他の現場は、めったにそんなことないんですけどね。多分僕のことを小手伸也ではなく完全に五十嵐だと認識してるんでしょうね」と楽しそうに笑う。
「コンフィデンスマンJP」は、映像作品での演技の基礎にもなったという。「ドラマ時代から大変な現場で、『これより大変な現場はあまりないな』と思いながら仕事をしてきました。それを超えたのが(TBS系ドラマの)『TOKYO MER』だったんですけど(笑い)。でも、自分らしさをどう出すか、演劇で培ってきた技術をどう生かすかなど、『コンフィデンスマンJP』でドラマの仕事を本格的に始めた第一歩が、現在の糧になっています」と語る。
演じる五十嵐も、小手さんが演じる数々のキャラクターの基準になったといい、「世間のみなさまも、僕の芝居を見る時に『五十嵐よりも真面目』『五十嵐よりも悪い』とか対比してくれているようです。小手伸也として初めて認知されたキャラクターなので、喜ばしいですよね」と話す。
ただときどき、五十嵐が他の役のイメージの邪魔になることも。「『TOKYO MER』では至って真面目で温厚なはず冬木先生が『いつ裏切るんだろう』とか、SNSに書かれていて(笑い)。それだけ五十嵐は愛されているキャラクターなので、ある意味で壁になっています。すごく大切だけど、ぶちのめしたいキャラクターでもあり、愛憎がありますね」と思いを明かす。
44歳で“シンデレラおじさん”としてブレークして4年。48歳になった小手さんに、50代へ向けての目標を聞くと、「いただいたお仕事は、全部引き受けられるようにしたい」とますます意気軒高だ。
俳優としての目標は「コンフィデンスマンJP」で共演する小日向文世さんだといい、「コヒさん(小日向さんの愛称)とは20歳も違うんですが、僕が今のコヒさんと同じ年齢になった時にも同じくらい現役バリバリで活躍できているかどうか、ですね」といい、「このシリーズも続くなら、50歳を過ぎてもずっと続けたいですね。老いていくコンフィデンスマンたちの活躍も見てみたいなあ」と思いをはせていた。
「コンフィデンスマンJP」は、信用詐欺(コンゲーム)師のダー子(長澤さん)、ボクちゃん(東出昌大さん)、リチャード(小日向さん)が、さまざまな業界を舞台に、壮大かつ奇想天外な計画で、欲望にまみれた人間たちから大金をだまし取る“痛快エンターテインメントコメディー”。新作は、イタリア・シチリア島南部にあるマルタ共和国の首都ヴァレッタを舞台に、ダー子たちがコンゲームを繰り広げる。
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