鎌倉殿の13人:迫田孝也“範頼”の気持ち “頼朝の残酷さ”知った上での生き方 少しのエゴと「今まで頑張ってきたのに」の思い

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で源範頼を演じた迫田孝也さん (C)NHK
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大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で源範頼を演じた迫田孝也さん (C)NHK

 俳優の小栗旬さんが主演を務めるNHK大河ドラマ鎌倉殿の13人」(総合、日曜午後8時ほか)。6月19日に放送された第24回「変わらぬ人」では、源頼朝(大泉洋さん)の弟・範頼(迫田孝也さん)の最期が描かれた。

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 範頼 (蒲冠者殿/蒲殿)は、第10回「根拠なき自信」(3月13日放送)から登場。頼朝の異母弟で、伊豆での挙兵を知り、頼朝のもとに駆けつけると、源平合戦では、義経(菅田将暉さん)と並び平家討伐軍の総大将に。坂東武士団とともに汗を流す努力の武将であり、また柔和な人柄も相まって、人気を集めてきた。

 そんな“癒やしの蒲殿”を待っていた思いがけない落とし穴。第23回「狩りと獲物」(6月12日放送)では、頼朝を憎む曽我十郎(田邊和也さん)・五郎(田中俊介さん)兄弟による敵討ちを装った謀反により、頼朝の生死に関して情報が錯綜(さくそう)する中、大江広元(栗原英雄さん)いわく「次の鎌倉殿になったかのように振る舞った」とされ、頼朝の怒りを買ってしまう。

 迎えた第24回で範頼は、頼朝の前で身の潔白を証明しようと試みるも、頼朝は決して範頼の言葉を信じようとはしなかった。結局、範頼は死罪は免れたものの、頼朝から謹慎を命じられ、伊豆の修善寺に幽閉されてしまう。

 終盤、愛娘・大姫(南沙良さん)を病で亡くした頼朝は、自身の身に降りかかる不幸を範頼の呪詛(じゅそ)によるものと考え、「やはり生かしておくべきではなかったか」とつぶやく。そして範頼は、梶原景時(中村獅童さん)が放った善児(梶原善さん)の手で、村人もろとも殺されてしまう……。範頼の死は本編終了まで残り1分での出来事で、視聴者に衝撃を与えた。

 ドラマの公式ツイッターで公開された音声コメントでは、範頼役の迫田さんが“範頼の気持ち”を代弁。「範頼の生き方として、そもそも駆けつけたのも兄上を助けるため。助けて平氏に打ち勝ち、その総大将と任命されるのも、もしかしたら器じゃないと思っていたかもしれないけれども、やっぱり兄上・源氏のために引き受けて、何とかそこもやり。あくまで自分の中心にあったのは、兄上とその後ろの鎌倉幕府。この源氏の栄光をずっと続けていくというのが、自分の生き方だったんじゃないかと思っていた」と明かしている。

 また「兄上の残酷さというか、そういったところも知った上での生き方だったと思う」とも話していて、「あそこで幽閉されたとはいえ、やはり案じるのは鎌倉幕府であり、兄上であったのかなと、そこはずっと持ってやりましたね。そこに少しの範頼としてのエゴというか、『今まで頑張ってきたのに……』というところも、ちょっと持ちながら演じました」と振り返っていた。

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