俳優の坂口健太郎さんと女優の杏さんダブル主演で放送中のフジテレビ系“月9”ドラマ「競争の番人」(月曜午後9時)。公正取引委員会(略称・公取委)を舞台に、第六審査(通称・ダイロク)の職員が、談合やカルテルなど企業の隠された事実をあぶり出す。今までドラマで描かれなかった公取委を月9という看板枠で扱う理由について、プロデューサーの野田悠介さんに聞いた。
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原作は新川帆立さんの同名小説(講談社)。20歳で司法試験に合格し、東大法学部を首席で卒業した小勝負勉(坂口さん)と、直情径行型の元刑事で新人の白熊楓(杏さん)らダイロクの活躍を描く。
今年4月期の月9「元彼の遺言状」の原作者も新川さんで、2期連続で同じ原作者の作品を放送するのは異例だが、野田さんは「たまたまです。特に狙いがあったというよりは偶然の産物です」とあっさり。
原作については「『弱くても戦え』というキャッチコピーと、『今まで見たことのない正義のヒーローたち』という打ち出しを見て、興味を持ちました。新川さんの着眼点が面白いです」と語る。
公取委のドラマ化は今作が初めて。野田さんは、同じく月9で放送された人気ドラマ「HERO」シリーズを引き合いに「ダイロクには令和版のHEROのようなチーム感があります。いろいろな角度から物事を考える小勝負、何事にも真っすぐ取り組む白熊、2人を支える他のメンバーという構図からは、HEROと同じ流れや匂いを感じていて、月曜(午後)9時にふさわしいドラマだと思っています」と自信を見せる。
公取委という名称に聞きなじみはあっても、実際に何をしている機関か分からないという人は多いだろう。視聴者がドラマのストーリーに没入できるように、野田さんはさまざまな工夫を凝らした。
「原作では白熊が元々公取委の所属でしたが、ドラマでは刑事から異動してきた新人職員に変更しました。視聴者と一緒に公取委や小勝負、ダイロクのメンバーを知っていく、という流れにしました」
ドラマのオープニングでは、公取委の仕事や専門用語をダイロクが解説する映像が流れることが恒例になっている。野田さんは「なるべくストーリーに集中してもらうため」とその狙いを語る。
原作のストーリーは、第1~3話で描ききった。野田さんに今後の見どころを聞くと、小日向文世さん演じる国土交通省の事務次官・藤堂清正の名前を挙げ「小勝負VS藤堂、小勝負の過去が大きな見どころになっていきます。藤堂という巨悪に対してどう戦っていくのか、また藤堂が何を抱えているのか。正義と正義のぶつかり合いを楽しんでもらえたらと思います」と呼び掛けていた。
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