鎌倉殿の13人:和田義盛「もうちょっと生きようぜ」に込められたもの “畠山重忠=中川大志” 横田栄司も「公私混同な気持ち」に

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第36回場面カット  二人で言葉を交わす和田義盛(横田栄司さん)と畠山重忠(中川大志さん) (C)NHK
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大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第36回場面カット  二人で言葉を交わす和田義盛(横田栄司さん)と畠山重忠(中川大志さん) (C)NHK

 俳優の小栗旬さんが主演を務めるNHK大河ドラマ鎌倉殿の13人」(総合、日曜午後8時ほか)。9月18日放送の第36回「武士の鑑(かがみ)」では、主人公・北条義時(小栗さん)を大将とした鎌倉側の大軍と、武蔵国を所領とする畠山重忠(中川大志さん)率いる兵が激突。その手前、重忠と和田義盛(横田栄司さん)が二人で言葉を交わすシーンが登場し、視聴者の注目を集めた。

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 重忠を説得するため、敵陣へとやってきた義盛は、「お前もさ、いい年なんだから、やけになってどうする」と思いとどまるよう言葉をかけるが、すでに覚悟を決めた重忠は、「今の鎌倉は北条のやりたい放題。武蔵を我が物とし、息子には身に覚えのない罪を着せ、だまし討ちにした。私も小四郎(義時)殿の言葉を信じて、このざまだ」と自嘲気味に話すと、立ち上がって前へと進み、感情を抑えきれなかったかのように「戦など誰がしたいと思うか!」と叫ぶ。

 続けて「ここで退けば、畠山は北条に屈した臆病者として、そしりを受けます。最後の一人になるまで戦い抜き、歴史に刻むことにしました」と揺るがない決心を口にする。

 義盛は「もうちょっと生きようぜ。楽しいこともあるぞ」と最後の訴えに出るが、重忠は「もはや今の鎌倉で生きるつもりはない」と聞き入れず、「命を惜しんで泥水をすすっては末代までの恥」との言葉に義盛も、説き伏せることをあきらめ「その心意気あっぱれ。あとは正々堂々、戦で決着をつけよう」と受け入れるしかなかった。

 ドラマの公式ツイッターでは義盛役の横田さんの音声コメントが公開。横田さんは、重忠と義盛との関係性を「ずっと一緒にバディーのような、仲の悪い兄弟のような、僕にとって役柄の上では祖父の敵なんでね、憎い部分もたくさんあるんですけれども、『平家を打ち負かす』という同じ目的のもとに戦ってきた仲間」と表現。その上で、「本当に畠山イコール大志と僕の中でつながってしまっていたので、『撮影現場から去るなよ』という気持ちで、『もうちょっと生きようぜ』というのが、『もうちょっと撮影しようよ』みたいな気分になりまして。大変申し訳ないんですけど(笑い)、そういう公私混同な気持ちが込み上げましたね。最後は」とシーンを振り返っている。

 さらに「彼(中川さん)もきっと万感の思いで、このシーンの撮影に臨んでいらしたはずなので、僕も精いっぱい彼の最期に、これから戦に向かっていく場面ということで、しっかり受け止めてお芝居しようと思った」といい、「彼の瞳を見ていて、普段あまり涙がそう出るタイプでもないんですけれど、きょうは込み上げてくるものはありましたね」と明かした。

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