放課後カルテ
第7話 お前が学校に来ようが来まいがどうでもいい
11月23日(土)放送分
女優の福原遥さん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「舞いあがれ!」(総合、月~土曜午前8時ほか)で、主人公・岩倉舞の母めぐみ役を演じている女優の永作博美さん。10月3日にスタートし、第1週を放送中だが、視聴者からは「引き込まれる」「すごくリアリティーがある」と永作さんの繊細な演技が、すでに注目の的になっている。今作が朝ドラ初出演という永作さんだが、実生活でも2児の母親であり、「お母さん役をやらせてもらうのが楽しみでした。思ってもないような事態が毎日のように起こる中、『そうそう!』と共感しながら台本を読んでいます(笑い)」と語る。
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永作さんは今回、出演の話が来たとき、「『舞いあがれ!』というタイトルだけで、直感的に『あ、やりたい!』と思いました。いいタイトルだなと感じたんです」という。
演じる上では「“朝ドラ”は、やはり朝に見るもの。なるべく朝のすがすがしさにふさわしい状態でいたいですね。台本の一言一言を大切に演じたいです。毎回大事なことが繰り広げられている15分なので、どのせりふも逃せないんですよ。“朝ドラ”を初めて演じる者からすると、台本がどんどんやってくるという感覚もあります。でも、物語の先が見えているのは、演じる上でありがたい話です」と、とにかく量が多いといわれる朝ドラのせりふも一つ一つ丁寧にすくい取って演じているようだ。
演じるめぐみは長崎・五島列島の出身で、大学時代に浩太(高橋克典さん)と出会い、中退して駆け落ち同然で結婚。2人の子ども、舞と悠人を育てながら、東大阪の町工場の仕事も手伝っている。子どもたちを手厚く守ろうとする家族愛にあふれた母親だ。
永作さんは、めぐみについて、「大変頑張り屋さん。若い時からずっと頑張ってきて、『できる』ことを前提に物事に挑んできた人です。自分の中で戦いながら生きてきた分、子どもに対しても期待してしまうところがありますが、基本は優しく厳しく大切に育てたいと思っているお母さん」と考えている。
演じる上で、「私自身が母となり、子どもの就学前と後で生活が違うことや朝の大変さ、登校する・しないという子どもの繊細な部分をどこまで拾い上げるのかを、実体験として知っていたのはよかったです。それが大変なことなのか、大したことじゃないのかだけでも分かるのは、お母ちゃんを演じる上では大きな材料かなと。ちょっとずつ言い方を変えて子どもの反応を見るなど、役を通して育児体験をもう一回楽しんでいます」と共感を寄せる。
めぐみは舞に「分かった?」とよく聞くが、そこに「彼女っぽさを感じる」といい、「きちんと言うことを聞かせたいんだな……と思っていたら、意外と自分も子どもに『分かった?』と言っていました」と笑う。
父・浩太役の高橋さんとは1996年放送のドラマ「ひとり暮らし」(TBS系)で共演経験があり、「初共演したころから全然変わってないですね。実生活でもお父さんになられて、浩太の父としての思いをすごく丁寧に想像していらっしゃいます。丁寧にはしても重くはしたくないので、お父ちゃんとお母ちゃんはいわゆる『普通の家族』でいたいなと思っています」と語る。
舞に対しては「私も可愛いけど」といいつつ、「お父ちゃんの方が舞が可愛くてしょうがないみたい(笑い)。子役の舞(浅田芭路ちゃん)のときから、お芝居じゃなく本当に涙を流しながら可愛い、可愛いって言っていましたから。舞が五島から帰ってきたときも、泣いていた! 『よう帰ってきたな!』と、目元をキラキラさせていました(笑い)」と明かす。
ドラマについて、「毎回うるっときちゃうところもあるし、日常の豊かさに気づいてもらえるような気がします。『舞いあがれ!』というタイトルのように舞い上がるときを夢見て進んでいく舞を、みなさんにも育ててほしいですし、応援してくれたらいいですね」とメッセージを送る。
世のお母さん方に向けて、「幼い子は具合が悪い原因が分からないことも多いから、めぐみのように自分だけで抱え込んでいる八方塞がりのお母さんも大勢いるんじゃないでしょうか。そんなみなさんの気持ちも、めぐみの気持ちと一緒に少しずつ軽く舞い上がっていってほしいです。世間のお母さんたちが、いつかぴょんっ!とジャンプできるようなものが届けられたら」といい、「生きている限り、問題は次から次へきりがないもの。いろんなことが起こるけど、めぐみとして一生懸命悩み、解釈しながら前に進む姿を見せることで、絶対に解決できる!と伝えたいですね。みなさんが励まされる朝に、絶対にします」と力強く語った。
「舞いあがれ!」は“ものづくりの町”として知られる東大阪と、自然豊かな長崎・五島列島が舞台。さまざまな人との絆を育みながら、「空」に憧れるヒロインが「飛ぶ」夢に向かっていく、挫折と再生の物語だ。同局の土曜ドラマとして2020年1月に放送された「心の傷を癒すということ」などで知られる桑原亮子さんのオリジナルで、共同脚本として、嶋田うれ葉さん、佃良太さんもチームに加わる。
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