あなたがしてくれなくても：「人生的には先輩」　人間力高い後輩“華”を演じる武田玲奈の魅力

　俳優の奈緒さんが主演を務める連続ドラマ「あなたがしてくれなくても（あなして）」（フジテレビ系、木曜午後10時）で、奈緒さん演じる吉野みちの頼れる後輩で、武田玲奈さん演じる北原華が注目を集めている。自分がねらっていた新名誠（岩田剛典さん）とみちとの関係にいち早く気付くも、邪魔することなく毎回的確なアドバイスを送って話題を呼んでいる。そんな華を好演している武田さんの魅力を探る。

ウナギノボリ

解説：新たな“最高峰”を目指したガンプラ　45周年のこだわりとは

　◇

　武田さんは2013年に「第2のくみっきー！発掘オーディション」でグランプリを獲得し、2014年2月に女性ファッション誌「Popteen（ポップティーン）」（角川春樹事務所）のレギュラーモデルとして芸能活動をスタートする。2015年には映画「暗殺教室」（羽住英一郎監督）で俳優デビューを果たし、同時期にマンガ誌「週刊ヤングジャンプ」（集英社）で初登場にして初表紙に抜てきされ、グラビアデビューも果たした。

　「仮面ライダーアマゾンズ」でのヒロイン役や、飯豊まりえさんとダブル主演を務めた「マジで航海してます。」（2017年）などを経て、ドラマ「人狼ゲーム ロストエデン」、映画「人狼ゲーム インフェルノ」では初の単独主演を務めた。

　さらに「おいしい給食」「異世界居酒屋『のぶ』」などキュートなヒロインを演じる傍ら、「美食探偵 明智五郎」ではストーカーを毒殺する地下アイドル、「リコカツ」では、主人公に激しい敵意を抱く後輩を好演するなど、幅広い役どころを演じてきた。

　今回の「あなして」で演じている華は、みちのあざとかわいい後輩で、日々合コンやデートにいそしんでいるという役どころ。新名に思いを寄せ、「リコカツ」と同じく主人公の後輩というポジションから、物語を引っかき回すかと思われていた。

　しかし、ドラマがスタートしてみれば、華は後輩という立場ながら、思い悩むみちに恋愛上級者としてアドバイス。新名とみちが互いの思いを通わせたことにもいち早く気付き、「日の当たらない恋は覚悟が必要なんです。これから進む道は、旦那さんも新名さんの奥さんも周りを深く傷つけることを自覚してください。その上で自分がどうするのか、きちんと決めてから進むんです」とアドバイス。続けて、「先輩がこれから進む道はいばらの道です。それでも進むっていうなら私も応援しますけど」とみちに伝え、その後もさまざま場面で的確なアドバイスを送ってきた。その姿はSNSでも話題を呼び、「後輩だけど人生的には先輩」「名言メーカー華さんと呼びたい」「人生何周目！？」などと絶賛の声が相次いだ。

　さらに、華はみち本人だけでなく、周囲の人々に対しても高い“人間力”を発揮してきた。中でもみちの夫、陽一と新名の間を取り持ったくだりは秀逸だった。

　離婚を拒む陽一（永山瑛太さん）が新名を訪ねて会社を訪れたのを見つけると、連絡先を聞いて新名に伝えるのだが、新名の転職先を聞いてきた陽一に対して、華は「会ってどうするんですか？　知りたいことがあるなら先輩に聞けばいいじゃないですか」と応じる。「みちは言わないから……」と答える陽一に、「何で言わないか考えたことあります？」と穏やかながら痛烈な一言を返す。

　そして、陽一の連絡先を聞いた華は、新名の会社のロビーで、新名から「誰か紹介しようか」と言われると「じゃあ浮気しない人をお願いしま～す」とチクリ。その上で陽一の携帯番号を新名のスマホに入力し、「新名さんに会いたいそうですよ。このことは先輩（みち）は知りません。会うかどうかは新名さんが決めてください。それじゃ」とだけ告げてさっそうと去って行くのだった。これがきっかけで、新名と陽一は直接会い、互いの気持ちをぶつけ合い、その後陽一も離婚に同意することになる。

　物語の裏で大切な役割を担ってきた華。魅力的なキャラクターになった要因には武田さんのこれまでのキャリアも大きく貢献したといえるだろう。22日放送の最終話で華はどういった活躍をしてくれるのか。最後まで注目したい。