奥平大兼:「最高の教師」“ラスボス”本命? 深読みさせる演技力

ドラマ「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」に出演中の奥平大兼さん=日本テレビ提供
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ドラマ「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」に出演中の奥平大兼さん=日本テレビ提供

 松岡茉優さん主演の連続ドラマ「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」(日本テレビ系、土曜午後10時)で、3年D組の生徒、星崎透(ほしざき・とおる)を演じている奥平大兼(おくだいら・だいけん)さん。それまで目立たない存在だったが、7月29日放送の第3話で、松岡さん演じる担任教師の九条里奈に強い興味を抱き、突然「先生の映画撮らせてください」と頼むシーンが話題を呼んだ。映画「MOTHER マザー」(2020年、大森立嗣監督)での鮮烈なデビューから3年、今年20歳になる奥平さんの魅力に迫る。

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 「最高の教師」は卒業式当日に生徒の誰かに4階から突き落とされた高校教師・九条(松岡さん)が、1年前にタイムスリップし、突き落とした犯人を捜し、真相を突き止めるために生徒たちと本気で向き合っていく……という“サスペンス学園ドラマ”だ。

 奥平さんが演じる星崎は、とにかく何を考えているか読み取りづらい、謎多き人物。リアリスティックなマンガが好きで、思考も哲学的という役どころだ。学校生活を退屈だと考えていたが、教室に監視カメラを仕掛けたり、家庭にまで介入して生徒たちの改善に全力で臨む九条の姿に「革命を起こしている」と強い興味を持ち、九条たちの側につく。ところが、そんな星崎の行動に、SNSでは、逆に九条を突き落とした真犯人は星崎ではないかと“深読み”する視聴者の声が相次いだ。

 そんな視聴者の深読みを呼んだのは、奥平さんの俳優としての高い実力と経歴にある。デビュー作となった映画「MOTHER マザー」では、主演の長澤まさみさんが演じたシングルマザーのゆがんだ愛を受け、やがて祖父母を殺害してしまう三隅周平を演じ、「第44回日本アカデミー賞」新人俳優賞、「第30回日本映画批評家大賞」新人男優賞など数々の賞を受賞した。

 その後もドラマ「恋する母たち」(2020年、TBS系)でクラスの男子に好意を持つ少年、ドラマと映画で展開された「ネメシス」では若きAI開発者、映画「マイスモールランド」(2022年、川和田恵真監督)では難民の主人公と心を通わせる高校生と、個性的かつ多彩な役どころを演じてきた。現在公開中の映画「君は放課後インソムニア」では、森七菜さんとダブル主演を務め、不眠症に悩みながら青春を送る高校生を好演している。

 これまでも若者特有のナイーブな心情や危うさを漂わせた演技が話題を呼んだ奥平さん。「最高の教師」では、第3話の終盤に鵜久森叶(芦田愛菜さん)らとともに、主人公サイドの“九条派”に属することになったが、ただ者ではない雰囲気を漂わせている。視聴者も「ヤバさがにじみ出てる」「キーマン感すごい」「これから引っかき回しそう」と注目しているようだ。

 実は、同じ事務所の先輩に当たる山崎賢人さんも、10年前の2013年に同じ「土曜ドラマ」枠(当時は土曜午後9時)で放送された「35歳の高校生」(日本テレビ系)で、表向きは2軍だが実は影の支配者というキャラクターを好演して話題を呼んだ。果たして星崎は“ラスボス”なのか、奥平さんの演技に今後も注目していきたい。

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