らんまん:ついに始まった最終週 いきなりの“仕掛け” 最後の最後まで楽しませてくれる、見事な脚本

NHK連続テレビ小説「らんまん」第126回の一場面 (C)NHK
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NHK連続テレビ小説「らんまん」第126回の一場面 (C)NHK

 神木隆之介さんが主演するNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「らんまん」(総合、月~土曜午前8時ほか)の第126回が9月25日に放送され、ついに最終週「スエコザサ」がスタート。脚本を担当した長田育恵さんが以前に語っていた通り、「継承」がテーマの“仕掛け”がいきなりあり、視聴者を喜ばせた。

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 同回では、最終週のスタートでありながら、主人公・万太郎(神木さん)とヒロインの寿恵子(浜辺美波さん)の登場は“顔見せ”程度。時代は昭和33(1958)年の夏へと一気に飛び、2人の亡き後、万太郎の遺品整理のアルバイトの面接のため、槙野家を訪れた藤平紀子と、61歳になった万太郎と寿恵子の末娘・千鶴とのやりとりが描かれた。

 紀子を演じたのは、ドラマの語りを担当している宮崎あおいさん。61歳の千鶴役は、万太郎の祖母・タキを演じた松坂慶子さんが務めた。共に事前告知なしの、サプライズ登場となった。

 紀子は区役所の紹介で槙野家を訪問する。千鶴は紀子を大量の標本を保存している部屋へと案内すると、「今度、この標本を都立大学に納めることが決まったんです」と意気揚々と語り、仕事内容を紀子に説明した。

 紀子は「片付けのアルバイトだと思って応募したんです。こんな重大な仕事、とても……」といったんは断る。それでも、千鶴の元へ引き返した紀子は「この標本、守ってきたってことですよね? 関東大震災、それから……空襲も。(昭和)20年3月、東京大空襲。どんなに恐ろしかったか。あの地獄の中、炎の中を守り抜いてきたってことですよね?」と問いかける。

 続けて「それを考えたら、私、帰りません。私も戦争を生き抜きました。次の方に渡すお手伝い、私もしなくちゃ」と、千鶴に仕事を引き受けることを伝え……と展開した。

 SNSでは「最後の最後まで楽しませてくれるらんまん。長田脚本、本当に素晴らしすぎ」「ナレーションを務めてきた宮崎あおいさんの出演と松坂慶子さんの再登場。最終週にきてもうならされる見事な脚本」「こういう描き方なかなかないよね。未来を見せるという。脚本が良いわ~」などの感想が書き込まれた。

 丁寧に万太郎と寿恵子の物語を紡いできた長田さんは、以前のインタビューでこう明かしていた。「最終週は最初から決めていた仕掛けがあり、“継承”が大きなキーワードになっています」と―。

 さらに「万太郎が植物図鑑作りを頑張るのも、標本を次の世代に手渡すため。最終週は万太郎の人生の開花の時期が終わり、次の世代に、どう実を残していけるかという話になります。『らんまん』の物語は、すべての登場人物が最後まで冒険を続けます。万太郎、寿恵子、それぞれの冒険を楽しみに見守ってください」と話していた長田さん。残り4回となったドラマだが、最後まで視聴者を魅了してくれるに違いない。

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