あのクズを殴ってやりたいんだ
第5話 あのクズの告白
11月5日(火)放送分
NHK大河ドラマ「どうする家康」(総合、午後8時ほか)で主人公・徳川家康(松本潤さん)の孫娘・千姫役で出演中の原菜乃華さん。今作が初の大河ドラマ出演となったが、実家の徳川家と嫁ぎ先の豊臣家の間で板挟みになる千姫を好演している。クランクアップした原さんに、大河初出演の思い出や、千姫をどのように捉え演じたのか話を聞いた。
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6歳から子役として芸能活動を始め、20歳の現在までに劇場版アニメ「すずめの戸締まり」(新海誠監督)の主人公の声優を務めたほか数々の映画、ドラマに出演してきた原さんが、意外にも「どうする家康」が初の時代劇。
今作の出演オファーがあった際の心境について「所作など現代劇は違ったことばかりなので不安な思いもあったのですが、いろいろなところで時代劇をやりたいと言ってきたのでうれしかったです!」と喜びを語る。
なぜ“歴史もの”がやりたかったのか。歴史は昔から好きで「痴情のもつれから争ったり、身内同士で殺し合ったりとか、現代と同じようなことでトラブルになっているところが、物語を読んでいるみたいで好きでした」と話す。
大河ドラマは昨年の「鎌倉殿の13人」を見ており「すごく好きな作品です」とにっこり。「鎌倉殿の13人」の主演は所属事務所の先輩の小栗旬さん。小栗さんからは今作の出演が決まった際に「ご報告」したといい、「『頑張ってね』とエールをいただきました!」と明かした。
演じている千姫は、徳川家康の孫娘だが、幼くして豊臣秀頼(作間龍斗さん)に嫁ぎ、関係が悪化していく両家の間で翻弄されていく。「大坂の陣」(1614~15年)の頃は17歳だったそうだが、原さんは「年齢が近いということもあり、すごく興味のある女性でした。演じるにあたってどういう人生を歩んでいたのか調べました。(NHKの歴史番組)『歴史探偵』でもゆかりの地を巡ったり、秀頼様の書いた書物を読ませていただき、理解を深めることができました」と述べる。
原さんは千姫をどのような人物と捉えたのか。
「足跡やさまざまな史料に触れて、高貴で可愛らしい御姫様ですけど、人のために行動できる芯の通っている女性だと思いました。秀頼様とは幼い頃に結婚して最初は家族に近い感情で見ていたと思うのですが、徐々にその聡明さやリーダーシップを感じて男性として惹(ひ)かれていったんだろうなと考えました」
ドラマでは徳川家と豊臣家の間で葛藤し、心を痛めながらも、徐々に気持ちは“豊臣家寄り”になっていく様子が描かれている。千姫の気持ちが豊臣側に動いた決定的瞬間はいつなのか、聞いてみた。
「第46回のラストで千姫を茶々様(北川景子さん)がかばってくれたシーンから、豊臣家への思いを強めていきたいなと私は演じました。それまでも秀頼様への思いはあったのですが、心の片隅には徳川家への思いがあり、大坂城でも居づらさというか、受け入れられていないということをひしひしと感じていたと思います。でも、あそこで茶々様が助けてくれたことで、自分は豊臣家の妻なんだと、自分の居場所はここなんだと気持ちが固まったんだろうなと」
初めての大河ドラマを終えて。“大河ならでは”の撮影でなにか驚きがあったかと聞くと「あまり何度も撮り直しをしない現場でした」と言う。
「スタッフさん含め皆さん集中力がすごくて。カメラが回った瞬間の“アクセルの上げ方”がすごいと言いますか、それに私も早く追いつきたいと精いっぱいでした。もっとうまくできたなと思った部分があっても、どんどん撮影は進んでいってしまうので、正直悔しさも残りました。でもすごく楽しくて! 機会をいただけたならまたやりたいです」
慣れない現場では、座長の松本さんが助けてくれたとも。
「松本さんとは最終回のワンシーンしかご一緒していないのですが、そのシーンの撮影の際に所作指導の先生に聞きたいことがあったのですが、ちょうどいらっしゃらなくて。私がアワアワしていたら、松本さんが周りのスタッフさんに『教えてあげて』と言ってくださいました。松本さんからも『もうちょっと頭上げた方がキレイに見えるよ』とか所作についてアドバイスをいただきました。すごく頼もしかったです!」
松本さんともだが、茶々役の北川景子さんとも今作が初共演となった。
「劇中ではいびられ続けていましたが、撮影裏では本当にお優しくて(笑い)! 待ち時間にはいろいろなお話をさせていただいきました。今ドライアイに悩んでいるのですが、おすすめの眼科を教えていただきました(笑い)」
ドラマは残すところあと一回だが、最終回の千姫の見どころも尋ねた。
「千姫の“激しい気持ちの動き”の表現を頑張りました。時代に翻弄された女性のつらい運命は、涙なしには見られないと思います。ぜひご注目ください!」