ブギウギ:中村倫也の“クセ強”キャラ登場で「現場は大爆笑」 モデルはあの元NHKの演出家? 外見は本人が提案

NHK連続テレビ小説「ブギウギ」でディレクターの沼袋勉を演じる中村倫也さん(C)NHK
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NHK連続テレビ小説「ブギウギ」でディレクターの沼袋勉を演じる中村倫也さん(C)NHK

 趣里さんが主演するNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ブギウギ」(総合、月~土曜午前8時ほか)の第117回(3月18日放送)では、丸の内テレビのディレクター、沼袋勉役で俳優の中村倫也さんがサプライズで初登場した。中村さん演じる沼袋は、薄い色のサングラスをかけ、ボリュームのある髪形で、大きな声で「ガハハ」と笑い、だじゃれを連発するという“クセ強”キャラ。元NHKの演出家でタレントとしても活躍した和田勉さんを彷彿(ほうふつ)とさせる。そんな沼袋を演じた中村さんの起用理由や撮影秘話などについて、制作統括の福岡利武さんが語った。

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 ◇あの髪形とサングラス、孫の手を持つのも本人が提案

 第117回で、スズ子(趣里さん)は丸の内テレビのプロデューサー・代々木(遠山俊也さん)から、年末の歌番組「第7回オールスター男女歌合戦」に大トリで出演してほしいとオファーを受ける。テレビ局へ打ち合わせに行くと、代々木からトリ前に新進気鋭の人気若手歌手、水城アユミ(吉柳咲良さん)に歌わせたいと言われる。

 そのアイデアを出したのはディレクターの沼袋(中村さん)だといい、沼袋はだじゃれを言いながら、部屋に入ってくると、アユミとスズ子を並べると「客が盛り上がるよ」とスズ子とタケシ(三浦りょう太さん)と肩を組んで豪快に笑った。さらにアユミとスズ子を比較した雑誌の記事を見せ、「テングになってる若手の鼻をベテランがへし折る。バキバキに折ってくれちゃっていいから」と“新旧対決”をスズ子にけしかけた。

 中村さんが朝ドラに出演するのは、2005年後期の「風のハルカ」、2018年前期の「半分、青い。」に続いて3作目となる。

 福岡さんは、中村さんの起用について「大好きな役者さんですし、どこかで機会があればと思っていたところ、(脚本の)足立さんが、若い歌手とスズ子をぶつけるみたいなことを考えたクセの強いディレクターを書いてきまして。これはひょっとして面白いんじゃないかと思い、中村さんに相談したところ、ご本人がとてもやる気になっていただけたようです」といきさつを語る。

 沼袋については「モデルとは言いませんけれど」と前置きした上で、「元NHKのドラマ演出家の和田勉さんを彷彿(ほうふつ)とさせるクセの強いキャラ」といい、実際に登場したキャラは「なんとなく扮装も(和田さんに)引っ張られているんじゃないかと。サングラスとかあの髪形の感じとか(笑い)」と語る。ちなみに外見は、中村さんからの提案だったといい、「作り方によってはシュッとしてしまうので、クセを強くするということで、あの髪形とサングラスで、うさんくささを出しつつというのは、中村さんから提案された」と明かす。

 沼袋が孫の手を持っているのは「(第25週の)演出の福井(充広さん)が、何か手に持ちたいですねというようなことを言って、衣装合わせのときに小物をいろいろと用意する中で、中村さんが『孫の手、いいな』となった。見事に使いこなしているところに、この人、ずっと持ってるんだろうなと、自然に演じていただけたのが、本当に面白かった」と笑う。

 ◇誰もがのけぞるくらいの大声「ちょっと抑えていただいたくらい」

 中村さんの演技については、「もともとお芝居がすてきな方だと思っていて、柔らかい役から硬い役まで、とても説得力があり、面白い方だなと思っていました」といい、現場に入ると「本当にパワフルで、楽しく面白いお芝居で。だじゃれが力強くて現場は大爆笑でした。ちゃんと(沼袋の)面白みを演じていただいて、本当に良かったなと思っています」と手応えを語る。

 撮影では「現場の誰もがのけぞるくらいの大声と豪快なだじゃれで、めちゃくちゃ押し出しの強い役を、楽しく演じていただいた。素晴らしいと思いました」と絶賛する。

 「ちょっと抑えていただいたくらいです。ご本人のプランはもっとはちゃめちゃだったと思います(笑い)。すてきでした。みんな笑ってしまうくらい大きな声で。声が大きいというだけで、人は面白いということが分かりました」

 その結果、「沼袋はすごくクセがあって、嫌みな役なんですけど、その想像の上を行くクセがある感じをさらっとやっていただいた。そのさらっとがすごく良かったなと思います。リハーサルから趣里さん含め、現場はみんな大爆笑。そのパワフルさが素晴らしかった」と振り返った。

 第25週では「第7回オールスター男女歌合戦」でのスズ子とアユミの“直接対決”が描かれる。放送も残すところあと2週。最後までスズ子の活躍を見守っていきたい。

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