池田エライザ:辞書作りは「すごく重みのある、未来へのバトン」 海外でも評価のドラマ版「舟を編む」地上波放送へ思い

「ドラマ10『舟を編む ~私、辞書つくります~』」で岸辺みどりを演じる池田エライザさん (C)NHK
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「ドラマ10『舟を編む ~私、辞書つくります~』」で岸辺みどりを演じる池田エライザさん (C)NHK

 俳優の池田エライザさんが出演するNHKの連続ドラマ舟を編む ~私、辞書つくります~」が、6月17日から同局の「ドラマ10」枠(総合、火曜午後10時)で地上波放送される。役を通じて携わった辞書作りについて、「この言葉を残さなきゃいけないって、言うのは簡単でも、本当に大変な作業なのです。一つの辞書にたくさんの先生が関わっていて、それをたった8センチが限界の辞書の中に、言葉をきれいに収めてあげなきゃいけない。(ドラマに出てくる辞書)『大渡海』は、結局つくるのに 16年ぐらいかかっていると思うんですけど、すごく重みのある、未来へのバトンだなと思います」と話した。

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 ドラマは、三浦しをんさんのベストセラー小説を原作に、辞書編集部に異動してきた若手編集社員・岸辺みどり(池田さん)の視点から、辞書作りに取り組む人々の情熱を描く。原作の主人公で、超がつくほどの生真面目人間の辞書編集部主任・馬締光也(まじめ・みつや)を、ロックバンド「RADWIMPS」の野田洋次郎さんが演じている。

 「俳句とかも、詳しいわけではないのですが、すごく楽しく読んでいますし、大好きです」とも明かす池田さんは、どんなところに日本語の面白さや奥深さを感じているのか……。

 「海外にも『ケ・セラ・セラ』のような、日本語で表現するには何が一番正しいのかがわからない言葉ってあると思うんですけど、(ドラマの)第1話で『悪い言葉なんてない』っていう野田洋次郎さんのセリフがあるんです。きっと言葉って、誰かに何かを伝えたくて、必要に迫られて生まれてきたものなんだろうと思うので、その言葉をどう使ってあげるかによって、とっても美しい言葉になるな、と。特に日本語だと、昔から言葉遊びが多いので、そこに込められた意味で、人の想像力をかき立てて、いろんな表現をすることができる。人の想像に委ねて、それを楽しむということができるのが、私はすごく好きです」

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 ドラマは、2024年2~4月にNHK BSとBSプレミアム4Kで放送され、ドイツの「ワールドメディアフェスティバル2025」で金賞を受賞するなど、海外でも高く評価された。

 「お芝居の仕事をしていると、脚本家さんがどうしてこの言葉を選んだのだろうと考えることが多くて、きっとこの言葉を選んだことには理由があるんだろうな、とその思いをくみ取る作業をよくしています。その度に、日本語の奥深さとか、そこに込められた配慮や思いやりを感じています。改めて、こうして日本語の、この言葉がなぜ生まれたのか、どういう意味が込められているのか、ということを題材にした作品が海外で評価してもらえたということは、とても幸せです。『激おこぷんぷん丸』はどう翻訳されたのかが気になります(笑)」

 改めて地上波放送スタートに向けて、「この時間は自分のことをいたわってあげよう、温かいものを飲んで、ちょっと美味しいものを食べようと、リラックスして楽しんでいただけたらなと思います」と視聴者に呼びかける池田さん。

 「ご覧いただく方々にとって、心の休息の時間になったらうれしいです。辞書の話となると、少し重たい、真面目なニュアンスを感じられる方もいらっしゃると思うんですけど、案外ライトに気兼ねなく見られて、見終わった後に自分を大切にしたくなるような優しいお話だと思います」

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