高石あかり&トミー・バストウ:「ばけばけ」撮影開始から半年 “夫婦”の関係は「とにかく可愛らしい」「青春のような愛」 小泉八雲&セツ夫妻がモデル

連続テレビ小説「ばけばけ」に出演するトミー・バストウさん(左)と高石あかりさん
1 / 3
連続テレビ小説「ばけばけ」に出演するトミー・バストウさん(左)と高石あかりさん

 9月29日にスタートする2025年度後期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ばけばけ」(総合、月~土曜午前8時ほか)。主人公・松野トキとのちに夫となるレフカダ・ヘブンを演じるのが、俳優の高石あかりさんとトミー・バストウさんだ。撮影が始まって約半年、トキとヘブンの関係について「とにかく可愛らしい」「青春のような愛」と語る二人が、役作りやキャラクターの魅力について語った。

あなたにオススメ

 「ばけばけ」は、松江の没落士族の娘・小泉セツとその夫・八雲(ラフカディオ・ハーン)夫妻をモデルに、「怪談」を愛するヒロインが、外国人の夫と共に、何気ない日常の日々を歩んでいく姿を描く。脚本は、NHKの「阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」やWOWOWの「撮休シリーズ」などを手がけたふじきみつ彦さんが担当する。

 --小泉八雲さんと、妻のセツさんがモデルになっている本作。実在の人物であるお二人のエッセンスを、役にどう生かそうと考えていますか?

 高石さん 私はセツさんを知る上で、セツさんが書かれた「思い出の記」という本をすごく大切にしています。セツさんから見た八雲さんの姿がたくさんつづられていて、八雲さんに対してどう思っているのか、どう感じているのかという部分から、セツさんのことを知っていきました。セツさんの八雲さんへの愛情の深さや、守ろうとする強さみたいなものは、本当にかっこいいなと思いました。トキというキャラクターにも通じる部分がありますし、セツさんは私の憧れのかっこいい女性なので、そういうところはエッセンスとして取り入れていけたらいいなと思います。

 バストウさん 撮影すればするほど、夫婦の関係が“青春のような愛”だと感じます。なぜなら、トキさんもヘブンさんも子供の頃はすごく大変な思いをしていて、早く大人にならざるを得なかったから。そういう理由もあって、楽しめなかった青春時代をもう一回味わっているように感じます。そこがエッセンスで、ワクワクしますし、若々しいリレーションシップがあると思います。八雲さんのことを調べれば調べるほど、すごく尊敬します。ヘブンとして、彼の正義感の強さと熱情をお見せしたいです。ひ孫である小泉凡さんにもお会いしたのですが、実在する人物を演じることの責任をより強く感じました。

- 広告 -

 --トキとヘブンが夫婦になってからのシーンもすでに撮影されたとのことですが、どのような夫婦を演じていきたいですか?

 高石さん 「思い出の記」を読んで、お二人の印象がとにかく可愛らしいなと思いました。二人にしか分からない“ヘルン言葉”という独特の日本語で話をしていたり、お互いがお互いのことをすごく大好きで、八雲さんがセツさんのことを「世界一のママさん」と呼んでいたり……。素直に気持ちを伝えてくれる八雲さんとそれを受け止めるセツさんの関係性がすごく好きだったので、見てくださる方に、言葉が通じないことによる可愛らしさとか、それがきっかけで生まれてくる展開を楽しんでいただきたいですし、演じる上で大事にしたいと思うポイントでもありました。

 バストウさん 夫婦になった二人にとって、言葉よりもフィーリングが大切です。八雲さんは母語が日本語ではないですが、別の言語を使っていても、お互いの文化の尊重さえすれば愛が育まれていくと思います。

 --トキとヘブンは、それぞれ相手のどんなところにひかれたと思いますか? また、トキとヘブンの夫婦関係を演じていて、ステキだと思うところを教えてください。

 高石さん ヘブンさんのステキなところは、いろんなものが見えていて、自分の好きな日本に来て、言語が違うけれど、好きなものは好きと言えるその強さ、逆に嫌いと言える強さも持っているところ。一見自由奔放なように見える一面もあるんですが、誰かを守るために怒ったりとか、自分の正義というものがあるんです。トキはそれを見逃さないし、怒っているだけじゃない、表面上のものじゃなくて、『この人は何を考えてるんだろう?』と考えた時に、自分と似ていたり、共感できたり、逆に守りたいなとか、いろいろな感情が生まれたのかなと思います。

 バストウさん トキさんは家族のためにちゃんと働いていて、親切で飾らない性格。ヘブンはそこにひかれたのだと思います。ヘブンに対して偏見を持たず、差別せずに受け入れてくれたトキさんは素晴らしい人だと思います。

 --小泉八雲さんとセツさんは、異文化理解の架け橋となった夫婦だと思いますが、そういったお二人を演じる上で、視聴者に何を伝えていきたいですか?

 高石さん 文化や言葉が違うことによる難しさがたくさんある中で、それをはるかに超える驚き、通じ合ったときのうれしさ、知らない文化を知る楽しさを伝えたいです。撮影で夫婦生活が始まって、私自身も二人がこれからどうなっていくのか楽しみですし、モデルのお二人もそうですし、外国の方と日本の方が通じ合うということの難しさだけじゃなく、楽しさもきっとあるんだろうなと思いました。

 バストウさん 私は文化の交流、文化を理解していくことをすごく大事にしてきました。特に日本の文化、日本の言葉にすごく興味を持って、勉強して、人間として成長させてもらったので、それによってより豊かな生き方ができると感じています。「ばけばけ」を通して、いろんな方にオープンマインドや慈悲を持つことの大切さを伝えていきたいです。特に今、そういう心が必要だと思うので、この番組を通して、それを分かち合えるような経験をしていただけたらうれしいです。

写真を見る全 3 枚

テレビ 最新記事