高石あかり:「ばけばけ」で初めての妻役 モデル・小泉八雲&セツの思い出たどり「夫婦の空気感を想像」

連続テレビ小説「ばけばけ」で主演を務める高石あかりさん
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連続テレビ小説「ばけばけ」で主演を務める高石あかりさん

 9月29日にスタートする2025年度後期の連続テレビ小説(朝ドラ)「ばけばけ」(NHK総合、月~土曜午前8時ほか)で、主人公・松野トキを演じる高石あかりさん。本作で初めて妻役に挑戦する高石さんが、役の魅力や、夫婦の物語を演じる上で準備したことについて語った。

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 ◇演じるトキの魅力とは?

 「ばけばけ」は、松江の没落士族の娘・小泉セツとその夫・八雲(ラフカディオ・ハーン)夫妻をモデルに、「怪談」を愛するヒロインが、外国人の夫と共に、何気ない日常の日々を歩んでいく姿を描く。脚本は、NHKの「阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」やWOWOWの「撮休シリーズ」などを手がけたふじきみつ彦さんが担当する。

 高石さん演じるトキは、民話や昔話などを聞くのが大好きな松野家の一人娘。つらいことがあるといつも母のフミ(池脇千鶴さん)にねだって、怪談を話してもらう。家族思いで、フミが作るしじみ汁が大好物……というキャラクター。

 そんなトキについて、高石さんは「人は人、自分は自分と本当に思っている人。かっこいいなと思います」と語る。

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 「そういう考え方をするのはなかなか難しいですし、自分の気持ちを相手に分かってほしかったり、共感してほしかったり、相手の気持ちが理解できなかったり、受け入れられなかったりすることってたくさんあると思うんです。でも、トキは相手の気持ちを理解した上で、『でも自分は違うな』『私もそう思う』と自分の気持ちのままに感じられる。誰かを尊重できる強さと自分を守る強さがあって、トキはかっこいい人物だと思います。私もそうなりたいです」

 トキに憧れる気持ちもある一方、「私と性格がすごく似ているんです」とも話す。

 「お芝居をする上で、一番最初に役というものがあって、役について考える作業が普段だとあるのですが、今回に関してはあまりにも自分と近くて、役と自分を重ねてしまって。今までにない経験でしたが、普段のお芝居とは違った生々しさみたいなものをお届けできたらいいなと思います」

 ◇「思い出の記」を役作りの参考に

 今回、初めて妻役に挑戦するという高石さん。夫婦の物語を演じる上で、準備したことやイメージを膨らませたことはあるのだろうか。

 「妻役を演じるのは初めてですが、結婚のイメージというよりも、トキのモデルとなった小泉セツさんが書かれた『思い出の記』という八雲さんとの思い出をたどった本を読んで、夫婦の空気感を想像しました。お互いを思いやる心や、とにかくヘルン(八雲)さんのことが好きで、愛して守ろうとするセツさんの心情を大事にしようと思ったんです。その本が本当にすてきだったので、今も空き時間に読みながらお芝居しています」

 実在の人物を演じる上で、この「思い出の記」は欠かせないものに。

 「小泉八雲さんの資料に比べると、セツさんについて書かれている資料は本当に少なくて……。どう生まれ育ってきたかという歴史ではなく、人柄をどうやって知っていこうか考えたときに、私は『思い出の記』からセツさんを知ろうと思ったんです」

 本には、セツから見た八雲が「ひたすら書かれている」という。

 「例えば八雲さんが亡くなったときに、『あっけなかったです』とつづられていて。すごくあっさりしているけれど、その文章からものすごく強いセツさんの感情を受けました。胸を打たれるエピソードがいろいろ書かれていたので、読むことで少しずつセツさんのことを知っていきました」

 夫婦の物語ではあるが、序盤はトキと家族のエピソードにスポットが当たる。トキとヘブン(トミー・バストウさん)が結ばれるまでの過程はもちろん、松野家のコミカルなやりとりも見どころの一つとなる。

 「序盤は家族にフォーカスをして、ぜひ見ていただきたいなと思います。松野家の空気感、トキが家族に対してどう感じているか。2~4週目辺りは、そういったところをより濃く見ていただけたらいいなと思います」

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