完全新作スペシャルドラマ『ラストマン-全盲の捜査官- FAKE/TRUTH』
完全新作スペシャルドラマ『ラストマン-全盲の捜査官- FAKE/TRUTH』
12月28日(日)放送分
10月1日にスタートするフジテレビ系“水10”ドラマ「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう(もしがく)」(水曜午後10時、初回30分拡大)。今作で25年ぶりにゴールデン・プライム帯民放連ドラの脚本を担当する三谷幸喜さんと、三谷さんの青年時代をモチーフにした蓬莱省吾を演じる神木隆之介さんが、お互いの印象や、ドラマの舞台となった1980年代について語った。
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ドラマは、1984年の渋谷を舞台にした青春群像劇。三谷さんの青春時代の思い出を題材にしたオリジナルストーリーとなる。若者文化の中心地として活気づく渋谷の片隅で、まだ何者でもない若者たちの苦悩と挫折、時に恋模様を“三谷ワールド”全開で描く。
三谷さん こんなに意図せずに時間が空いてしまったのは、すごく不思議な気持ちです。避けていたわけではなく、タイミングが合わなかっただけなのですが、気がついたら25年がたっていたという。
三谷さん 現場のスタッフさんがどんどん若くなっていって、どこにいっても僕が最年長になってきて、なんとなく若いプロデューサーの方も僕に声をかけにくいんだろうなと思っていたんです。そうしたらフジテレビの若きプロデューサーの方が声をかけてくださって。僕にしか書けないものは何かと考えたときに、たとえば自分の青春時代の1980年代の東京を描くのはどうか、と思い、今回の企画に突き当たったという流れですね。
神木さん うれしかったのと、やっぱり緊張がありましたね。三谷さんとご一緒させていただくのが初めてだったので、どこまで三谷さんの動きやしゃべり方を役に反映させるべきなのか考えました。三谷さんの要素をどういうふうに表現できるのか、ピックアップできるのかは、やりながらじゃないと分からない部分もありました。どこまで出すか出さないかみたいなところが、今でもすごく難しいですし、お話を伺ったときはすごく悩みました。
三谷さん 僕のことは知っていたんですか?
神木さん もちろんです(笑)。僕が朝ドラの撮影をしているときに、スタジオの近くでお見かけして、遠目から「三谷幸喜だ!」って言いながら騒いでいました。
三谷さん でも、僕もそうですよ。神木くん、大きくなって……と(笑)。
神木さん 僕は、三谷さんが作品の宣伝で朝の番組に出演されているところを見て、博学というか、何でも知っている博士みたいな方というイメージがありました。だから、直接お会いさせていただくのは本当に緊張しましたし、話についていけるのか、ちゃんと理解できるのか不安でしたし、理解力ないなーと思われるんだろうな……と考えながらお会いしました。初めてお会いしたときの印象は、テレビと変わらなかったです。
三谷さん 僕は神木さんの印象が180度変わったんです。今ここにいらっしゃる神木さんは、たぶん皆さんが考えている通りの神木さん。すごく真面目な好青年だけど、普段の彼は、とにかく人を笑わせること、喜ばせることに全力を傾けている方なんですよ。モノボケでもなんでもやってくれますし、すごく人を笑わせるのが好きで、コメディーが好きな方。僕もコメディーをやっている人間なので、自分の書いたものをこんなに正確に面白く具現化してくれる俳優さんは、正直僕は初めて会ったので、びっくりしたんですよ。脚本をさらに何倍も面白くしてくれるし、若い方なのにこんな力を持った人がいるんだなと驚きました。
神木さん ありがとうございます。
三谷さん 僕が普段一緒にやっている俳優さんはわりと年輩の方が多くて、20代、30代の役者さんと仕事をする機会があんまりなくて。もちろん神木さんの名前は知っていたし、映像を見たことはありますけど、いつか作品を一緒にやるかもしれないという目線ではなかったので、初めてこの現場でご一緒させていただいて、すごく新鮮な体験をさせてもらいました。
神木さん やっぱり三谷さんの作品が公開、放送されるとなると、一番最初に「三谷幸喜作品」というワードが強調されますし、絶対に目にするじゃないですか。それがすごく印象的なので、三谷さんはとんでもないお人だなっていう印象がありますね。
三谷さん 神木さんだけではなく、若い俳優さんと会って話をすると、すごく間違った“大家”の印象を僕に持っていらっしゃって(笑)。だからものすごくやっかいなんです。過大評価されている空気の中に入っていくのは、とても居心地の悪い感じがしています(笑)。
三谷さん 僕が20代後半の頃に、渋谷のストリップ劇場でショーとショーの間にやるコントの台本を書くバイトをしていたんです。そのときの自分を投影させる人物を出すことで、彼の目線からあの当時を描きたいなという思いがありました。現代に生きる人々は、みんなどこか不安を抱えて生きている気がして。1980年代の渋谷は、みんなが夢を実現しようとして、本当に熱気があったんですよ。この輝きがずっと未来永劫続くと思っている、あの時代の人々を描くことで、今を生きる人たちへのメッセージ、エールになればいいなと。それが、この物語の出発点でした。
神木さん 僕は1993年生まれで、その年代のことは分からないのですが、実際に物語の世界に入っていって、元気だなというのはすごく思いました。三谷さんがおっしゃったように、活気があるというか、一つの出来事や、当時発売された商品にも、みんな「何これ! これどうやって使うのかな?」とすごく盛り上がるんですよ。見たことがあったとしても初めて体験するような新鮮な気持ちで。目がキラキラ輝いているというか、そんなふうに皆さん生きていた時代なのかなと思いました。
三谷さん タイムスリップした感じがありましたね。あの頃の自分に、この瞬間がいずれドラマになるんだよと教えてあげたい気持ちになりました。物語は9割フィクションですが、設定としてはほぼ実話に近いですね。当時の自分を思い出して書いたことはもちろん、今回テーマとして舞台というものがあるので、自分が劇団を作った頃から今に至るまでの演劇界の裏側というか、体験したエピソード、あらゆるものを埋めこんだみたいな、そんな気持ちで書いています。
神木さん ノスタルジックなものとか「AKIRA」の世界じゃないですけど、“ネオ東京”みたいな雰囲気で、好きな人たちもたくさんいると思います。僕もすごく大好きだったので、写真を撮りました。ああいう怪しげな路地って、なかなか令和にはないですよね。危険があるかもしれないし、楽しみがあるかもしれない。分からないけど行ってみたい、そんなミステリアスなところが魅力的だなと思います。
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2025年12月29日 18:00時点
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