ばけばけ:第17回の注目度 “錦織”吉沢亮がいよいよ登場 トキと錦織の初対面より視聴者がクギヅケになったシーンとは?

連続テレビ小説「ばけばけ」のロゴ (C)NHK
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連続テレビ小説「ばけばけ」のロゴ (C)NHK

 高石あかりさん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ばけばけ」(総合、月~土曜午前8時ほか)の第17回(10月21日放送)で、テレビの前の視聴者を最も引き付けた場面はどこだったのだろうか? テレビの前の視聴者が画面にクギヅケになっていた割合を示す「注目度」(REVISIO社調べ、関東地区、速報値)の1分ごとの推移を調べたところ、最高値は午前8時9分の73.1%だった。

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 「ばけばけ」は113作目の朝ドラ。ヒロインの松野トキと、その夫となるレフカダ・ヘブンのモデルは、松江の没落士族の娘、小泉セツと、「怪談」などの著作で知られるラフカディオ・ハーン(小泉八雲)だ。ドラマの中では大胆に再構成し、登場人物名や団体名などは一部改称してフィクションとして描くという。

 ◇松江随一の秀才・錦織友一と出会うトキ

 第17回は、出奔した銀二郎(寛一郎さん)を探し、東京を訪れたトキ(高石さん)が、吉沢亮さん演じる松江随一の秀才・錦織友一と初めて出会う回だ。吉沢さんが本格的な初登場となることは事前に告知されていて、視聴者の関心事でもあった。やはり、吉沢さんがらみの場面の注目度が上がったのだろうか?

 テレビ画面の前にいる人のうち、画面を実際に注視している人の割合を調べた注目度は、オープニングで一時的に下がったのを除くと、序盤から中盤にかけて、グラフはおおむね右肩上がりに伸びていく。終盤は少し下がったものの、ほぼ横ばいの状態が続いた。全体的には、前日の第16回ほどではなかったが、やや高めの注目度が続いた。

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 序盤の最初の“山”は、午前8時2分の68.1%。銀二郎が暮らす下宿に着いたトキは、部屋の前に通される。さて、どうしようか? 廊下から中をのぞくと、机に向かって座る男性の後姿が見える。銀二郎だ! 緊張を隠せない様子のトキ。意を決して「突然すんません。来てしまいました。ご迷惑だと思いますが、お会いできませんでしょうか」と語りかける。ここまでが午前8時2分台だ。後ろ姿だけだが、ここがこの日の吉沢さんの初登場シーンだ。

 続く午前8時3分台。注目度は65.0%とやや下がる。トキは反応のない部屋に向かって、必死で呼びかけ続ける。すると引き戸が開き、「うるさい。誰だ君は」と険しい表情を浮かべる錦織が立っていた。午前8時3分台の後半は、このままオープニングに突入した。

 ◇錦織とトキが押し問答 注目度は上昇

 オープニング明けの午前8時5分(68.5%)と午前8時6分(69.5%)は注目度が再び急浮上。この時間は、部屋の中の錦織と廊下のトキのやり取りが楽しいシーンだ。

 錦織は「銀二郎は仕事でいない。帰ってくれ」と冷たく言い放ち、引き戸を閉める。それでも諦めないトキに「頼む、今取り込み中なんだ」と伝え、「銀二郎の妹か、何かか?」と尋ねた。トキが「いえ、銀二郎の妻のトキと申します」と言うと、「妻……? 妻がいたのか」とつぶやき、再び部屋に戻っていった。

 「せめて仕事場だけでも教えてごしなさい」と廊下で騒ぐトキに、錦織は「Shut up!」と声を荒らげ、「彼は人力車の車夫だ。どこにいるかはしらん。では」と引き戸を閉めようとするが、トキは閉められないよう必死で抵抗する。

 錦織は「今取り込み中だと言ったよな? 取り込み中というのは……取り込み中ということだぞ」と言い聞かせるが、長旅で傷だらけになったトキの足を見て、部屋に招き入れる。ここまでが午前8時5~6分台だ。

 錦織は塗り薬を差し出し、「これを塗ったら出ていってくれよ」と伝えるが、トキは長旅の疲れからそのまま眠ってしまう。この辺りの午前8時7~8分台で、注目度はいったん下がるが、午前8時9分台でピークを迎える。

 ◇注目度ピークの午前8時9分 トキの前にいたのは……

 この日の最高値、73.1%を記録した午前8時9分は、トキが目覚めた場面。起きると、そこには吉沢さん演じる錦織の姿はなく、見知らぬ男2人が将棋をしている。同じ松江出身で、東京帝大に通う学生の若宮(田中亨さん)と根岸(北野秀気さん)だった。

 「若宮です。若い宮と書きます」「根岸です。私も若い宮と書きます」「いや、書かん、書かん」。まるで漫才のような2人のしゃべりが続くが、あっけにとられたのか、トキはぼんやりしたまま、表情一つ変えない。「まったく受けんかったな」「寝起きでぼーっとしてるんだろう」。息の合った2人のとぼけた会話が楽しい。この辺りまでが午前8時9分台で、トキと若宮&根岸の出会いが最も視聴者の視線をクギヅケにした場面だった。

 午前8時10分以降は、2人が自己紹介した後、錦織のことを〝松江の神童〟で、通称〝大磐石〟といわれていると説明。銀二郎がここで同居することになった経緯も話す。やがて先輩に当たる錦織が戻ってくると、翌日の試験合格の前祝いと、トキの初めての東京を祝い、4人は水で乾杯する。

 吉沢さん演じる錦織が登場するたび、次第に注目度が上がっていきながら、後輩の学生とトキが対面する、錦織不在の場面がなぜかピークとなった第17回だった。

 活用したデータは、関東の2000世帯、関西の600世帯で番組やCMの視聴状況を調査しているREVISIO社が公表している独自指標の「注目度」。人体認識センサーを搭載した専用機器でテレビ画面に視線を向けているかを常に計測し、テレビの前にいる人のうち、番組を注視していた人の割合を算出している。(文・佐々本浩材/MANTAN)

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