ばけばけ:アメリカでヘブンに起こったこととは? 回想シーンが続く中で視聴者がクギヅケになったのは「午前8時9分」 第53回の注目度

連続テレビ小説「ばけばけ」のロゴ (C)NHK
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連続テレビ小説「ばけばけ」のロゴ (C)NHK

 高石あかりさん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ばけばけ」(総合、月~土曜午前8時ほか)の第53回(12月10日放送)で、視聴者を最も引き付けた場面はどこだったのだろうか? テレビの前の視聴者が画面にクギヅケになっていた割合を示す「注目度」(REVISIO社調べ、関東地区、速報値)の1分ごとの推移を調べたところ、最高値は午前8時9分の68.3%だった

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 「ばけばけ」は113作目の朝ドラ。ヒロインの松野トキと、その夫となるレフカダ・ヘブンのモデルは、松江の没落士族の娘、小泉セツと、「怪談」などの著作で知られるラフカディオ・ハーン(小泉八雲)だ。ドラマの中では大胆に再構成し、登場人物名や団体名などは一部改称してフィクションとして描くという。

 ◇ヘブンのアメリカ時代の回想が続く第53回

 第53回は、快気祝いパーティーの席で、リヨ(北香那さん)がヘブン(トミー・バストウさん)にプロポーズする。リヨの自分への思いを知ったヘブンは、返事の前に自分の過去を聞いてほしいと話し始める。

 テレビの前の視聴者のうち、画面に視線がクギヅケになっていた人の割合を示す「注目度」のグラフはこの日、“山”を4度作るが、いずれも60%台後半止まり。ヘブンのアメリカ時代の回想が淡々と続く構成で、視聴者が一気に画面にくぎ付けになるようなシーンはなかなか登場しなかったといえる。

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 そんな中でも、4度の“山”はいずれもちょっと気になる場面ばかりだった。

 最初の“山”の午前8時2分(65.2%)は、リヨの真剣な思いを受け止めたヘブンは、「シンケン、ハナス、シマス」と自分の過去を語り始める場面だ。

 オープニングをはさみ、次の“山”が午前8時6分(66.5%)で、居場所を定められないのが自分の宿命だというヘブンに、リヨがずっと松江にいればいいと伝えるあたりから。ヘブンは「コワイ……デキナイ!」と言い、きっと悪いことが起きて失敗する、居場所も一緒に生きる相手も持てないと吐露する。リヨがやってみなきゃ分からないと反論すると、ヘブンは「ヤッタ」と返答。過去に米国である女性と一緒になったことがあると打ち明ける。「ヤッタ」という言葉が印象に強く残る。

 ◇最高値はマーサとの出会いの場面

 三つ目の“山”はこの日の最高値68.3%の午前8時9分。オハイオ州シンシナティで新聞記者になったヘブンは、下宿先のアパートでマーサ(ミーシャ・ブルックスさん)という下働きの女性と出会う場面だ。正式に記者になれたと喜ぶヘブンに、マーサは「お祝い」として、他の客より一皿多く、食事を提供する。なごやかな2人の会話が続くが、突然、下宿の主人の怒鳴り声で一転する。「奴隷の娘の分際で愛想をふりまくな!」とカンカンだ。マーサの人種の問題、この先の展開が暗示される出会いの場面だ。

 最後の“山”は67.8%だった午前8時14分。マーサにプロポーズしたヘブンは教会で2人きりの結婚式を挙げる。当時のオハイオ州では異人種間の結婚は禁止されていた。牧師は「最後に、こんなことは言いたくないが、今ならまだ引き返せる」と確認するが、ヘブンはマーサの手を握り「大丈夫です」と永遠の愛を誓う。

 「後悔はありませんでした。それどころか私は、希望と幸せに満ちていたのです」。そんなヘブンの独白で第53回は終わった。

 活用したデータは、関東の2000世帯、関西の600世帯で番組やCMの視聴状況を調査しているREVISIO社が公表している独自指標の「注目度」。人体認識センサーを搭載した専用機器でテレビ画面に視線を向けているかを常に計測し、テレビの前にいる人のうち、番組を注視していた人の割合を算出している。(文・佐々本浩材/MANTAN)

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