俳優の長谷川博己さん主演のNHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」(総合、日曜午後8時ほか)第30回「朝倉義景を討て」(11月1日放送)に、女優の川口春奈さん演じる帰蝶が再登場する。前週第29回「摂津晴門の計略」(10月25日放送)の本編終了後に公開された第30回の予告には、以前と変わらぬ美しく、凛(りん)とした姿と、「それゆえ私は申し上げました。朝倉をお討ちなされと」のせりふがあり、視聴者を多いに喜ばせた。染谷将太さん扮(ふん)する織田信長とのセットという側面もありつつ、大人気キャラとなった帰蝶。大河ドラマでは川口さんよりも前に、どのような女優が演じてきたのか、おさらいしたいと思う。
ウナギノボリ
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1963年に始まったNHK大河ドラマで、“戦国もの”とされるのは「麒麟がくる」を含めて20作ある。最初の“戦国大河”は1965年の「太閤記」。このときは稲野和子さんが帰蝶(濃姫、役名は濃[こい])を演じた。今から55年前の話である。
次に帰蝶(濃姫)が大河ドラマに登場したのは、1969年の「天と地と」。同作で上村香子さんが同役を務めると、1973年の「国盗り物語」では松坂慶子さんが濃姫に扮した。
「国盗り物語」は、司馬遼太郎原作で、斎藤道三、明智光秀、織田信長など「麒麟がくる」で中心をなす武将たちがこぞって登場。今年6月、「麒麟がくる」の休止期間中に大河ドラマ枠で放送された特集番組「『麒麟がくる』までお待ちください 戦国大河ドラマ名場面スペシャル」でも取り上げられ、視聴者からは「松坂慶子さんの帰蝶、キレイねー」「21才の松坂さん可愛い美しい」「松坂慶子さんのお若い頃がまぁなんとお可愛らしいこと」「昭和の美」といった声も上がっていた。
その後、1983年の「徳川家康」で藤真利子さん、1988年の「武田信玄」で麻生祐未さん、1992年の「信長 KING OF ZIPANGU」で菊池桃子さんが“帰蝶(濃姫)女優”として大河ドラマの歴史に名を刻み、2000年代に入ってからは、石堂夏央さん(2002年「利家とまつ」)、和久井映見さん(2006年「功名が辻」)、内田有紀さん(2014年「軍師官兵衛」)が演じてきた帰蝶(濃姫)。川口さんはちょうど10代目となる。
川口さん演じる帰蝶は、4月12日放送の第13回「帰蝶のはかりごと」を境に、女軍師的な活躍を見せ、夫の信長と父・斎藤道三(本木雅弘さん)による「聖徳寺の会見」を成功に導くなど、随所で敏腕プロデューサーぶりを発揮。ファンから「帰蝶P」と呼ばれ、人気を集めていたが、放送休止前の6月7日放送の第21回「決戦!桶狭間」を最後に出番がなく、「帰蝶ロス」も叫ばれていた。
第30回「朝倉義景を討て」が、8月末の放送再開後初、休止期間を挟んで約5カ月ぶりの登場となる。予告を見た視聴者からは「おおっ! 次回は『帰蝶がくる』か?」「次回、やっと帰蝶が帰ってくる(泣)」「来週やっと帰蝶Pに会えるー!!」「随分待ったぞ!」といった歓喜と期待の声が上がっていたが、「京~伏魔殿編」へ突入したドラマに、川口春奈“帰蝶”がどんなアクセントを付けてくれるのか、今夜の放送は見逃せない。
「麒麟がくる」は59作目の大河ドラマ。1991年放送の「太平記」などで知られる池端俊策さんのオリジナル作。ドラマでは謎めいた明智光秀の前半生にも光を当て、戦国の英傑たちの運命も描く、エネルギッシュな群像劇となっている。
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